さとのわにて

週末、4日5日は宮城県鳴子温泉にある
「さとのわ」にて
【書いて、読んで、聞く湯治】
〜文字と言葉でほぐす〜
にナビゲーターとして朗読家の岡安圭子さんと
出張してきました。
岡安さんは昨年移転直前のin-kyoで永井宏さんの
「モンフィーユ」を朗読して頂き、その場に参加して下さった
さとのわ・鈴木美樹さんが是非にと企画した今回。
こうしてご一緒することになり、はじめて鳴子を訪れることとなった
岡安さんが選んだお話は宮沢賢治の「雪わたり」
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まずは到着して参加者の皆さんと一緒に「さとのわ」にてお昼ごはん。
なるべく美樹さんが自分で作った野菜や保存食を使い、
足りない食材もできるだけ地元のものを使って作られたお料理。
・ちらし寿司(枝豆、蕗は昨年収穫して保存していたものを使って)
・白菜のすりながし
・フキノトウの天ぷら
・白菜のお漬け物
・凍み大根と椎茸、人参の炊き合わせ
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素朴であたたかくて、口にするだけで笑みがこぼれる
愛ある食べものの力だなぁ。
初めはしんとして硬い空気も湯気がゆらぐみたいに和らぐのだから。
そしてひと呼吸置いてまずは朗読会。
囲炉裏を囲んで炭がパチパチとはぜる音や、
目をつむるとまるで吹雪のように聞こえる大型の業務用ストーブの音、
窓の外はしとしとと雨が降り出していて。
そんな中で宮沢賢治の世界と岡安さんのふわりとしながらも
澄んだ声に浸っていると、時空を超えて自分も幻灯会へ
参加しているような不思議な感覚に包まれた。
意思とはうらはらに眠くて眠くて時空の合間をたゆたうようだった。
できればそのまま横になって眠ってしまいたいところだったけれど。
その後は私の番。
この会では文章の書き方を教える「先生」ではなく
「ナビゲーター」というのが嬉しかった。
もうかれこれ15年以上前に通っていた永井宏さんの
文章を書くワークショップを思い出しながらの時間。
今はSNSや自身のブログなどがあるので
日頃何か記録?表現?をすることに
皆さんさほど大きな抵抗はないかもしれません。
が、ペンと紙を使って手で書くことで
それとは違う何かを見つけてもらえればと。
みなさん思い思いの場所に散らばって自分の世界に入り込んで
まず1日目は発表などはせずに書いてみることに重点を置いて、
それを翌日に岡安さんに朗読して頂くことにしました。
文章を書き終わってからはひとりひとりおすすめの本を
紹介する時間。コーヒーとさとのわカフェの
美味しいスイーツを頂きながらの座談会。
コーヒーの香りも相まって、いろんな記憶が蘇ってきたのでした。
まだまだ続く…。