まよいながら、ゆれながら

16日に福島へ引越をするまでの間、
千葉の実家におります。
テレビの無い生活から一転。
実家でテレビ漬けの日々。
3.11の今日はNHKでは朝から震災関連の番組が続く。
区切りなどでは決してない5年という月日の中で
環境も人の関係も、考え方も
変わっていくこと、変わらないことが
複雑に入り組んでいる。
答えなど簡単には出ないことも多いし、
それはそれぞれが置かれた立場で違ってくる。
「まよいながら、ゆれながら」(ミルブックス)という本を
2013年に出版しました。(写真は馬場わかなさん)
in-kyoの店頭でも販売していたのですが、
出版して1年以上が過ぎた頃、20代前半と思われる女性が
レジでお会計の際にレジ脇に置かれたこの本を見て
「いつかこの本を読みたいと思っているんです。でも私にはまだ時間が
必要で。でもいつか必ず読みますから」
そう言って下さったお客様がいらっしゃいました。
詳しいことは伺わなかったのですが、
その女性はご実家が被災に遭われたそうです。
黙って帰ることもできたでしょうに、そのことを
口にすることすら勇気の要ることでしたでしょうに、
直接伝えて下さったことに
文章を書いた立場として強く支えられています。
彼女は本を手にしているでしょうか。
自分の足下を見つめてみること。
手の中にあるささやかな幸せに気持ちを向けて
感謝すること。夫くんにも目一杯のありがとうを。
そして災害によって亡くなった方々のご冥福を祈りながら
今日は静かに過ごしたいと思います。