余韻

東川から札幌へ戻る安齋ファミリーの車に同乗して
帰りは千歳空港から羽田へ。
月曜日の夜中に帰ってきました。
強行スケジュールのようかもしれないけれど、
取り立てて詰め込む用事も無かったので気持ちが
急かされることもなくゆったり。
雄大な自然を目に焼きつけてきたので心地良い疲れが体に残っているだけ。
今回トークイベントを一緒にやってくれた
安齋明子さんの言葉を思い出していた。
明子さんには福島から札幌へ移住して、
現在の暮らしのことや考えの変化などお話をして頂いた。
「10年先とかずっと先にあぁしたい、こうしたいといったことは
考えていないんです。それよりも今目の前にある幸せをかみしめて
大切に暮らしていくこと。その積み重ねなんです」
私も震災後にそんな風に考えるようになった。
あまり遠い未来のことが考えられなくなっている。
いつ何時何が起こるかわからないのだから。
今この瞬間を大切に。その積み重ねなんだと。
この先そのときの選択と判断で、変化していくことがあるかもしれない。
それがたとえ今までとは違う方向に向かうことになったとしても
自分のこと、ましてやその決断をした他人を否定せず認めたい。
それぞれの立場の選択というものがあって、
自分の考えとはまるで違って受け入れ難いことが
日常にはたくさんある。
葛藤もするし、怒りもあると思う。
けれどもそこでピシャリとシャッターを下ろすだけじゃなく
(たぶんその方が簡単だと思うけど)自分とは考え方が違うけれど
そういう考え方の人がいるんだと思えるくらいの余力のようなものは
持ち合わせていたい。その上で自分のスタンス、
軸はどこに持っていくのかはっきりとさせておく。
休日の蔵前はお隣浅草と違って、
青空の下、のんびりと穏やかな空気に満ちていた。
旅の余韻に浸りつつ、あれこれと考えをめぐらす。
震災がなかったらここまで暮らし方や生き方を真剣に考えることも
なかっただろう。
考え続けていくんだろうな。
そうしていかなければ。