窯焚きへ

月曜と火曜日は泊まりがけで
柴代直樹さんの窯焚きのお手伝いに行ってきた。
わたくし手伝い・・・にはなってなかったなぁ。
前日の睡眠不足がたたり、何度か睡魔に襲われる。
柴代くんちのネコ「ちーこちゃん」の方が
よっぽど監督のようで、貫禄があった。
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私自身は薪をくべ、器が焼かれるさまを
ほんの短い時間でも実際に見ることができた嬉しさが
ゆっくりと時間が経つにつれて熟成されて、
今頃になってじわじわとこみあげてきている。
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この先、きっと何度もこのときのことを思い出すんだろうな。
パチパチ、ごうごうと炎の音を耳で聞き、
火の色、薪の燃える様子を見ながら
薪をくべる本数やタイミングをはかる。
窯から離れると肌寒いくらいなのに、
遠赤効果なのか?薪をくべているときは
嘘のように汗がダラダラと吹き出て流れる。
そして時間があっという間に流れて、今が何日で
何曜日なのかという時間軸もよくわからなくなっていた。
窯焚きは温度計ももちろん基準にはなっているし、大事な目安なのだけど
「数字だけに頼って、それだけで安心してもいけないんだよね」
と、柴代くんが言った言葉を聞いて、窯焚きだけではなく
いろんなことに当てはまるよなぁと思い、うんうんと心の中で大きくうなずいた。
そう言える人ってなんだか信用できるなぁと。
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私の他にも何人かが交代で手伝いに来ていて、
まるで部活の合宿のような気分。
あ、スミマセン。もっと緊張感があります。
合間でおむすびを作ったり、コーヒーをいれたりもして。
柴代くんの彼女のかおりちゃんがつくるゴハンは
どれも美味しかった。
毎日しっかり作っている味がした。
酢卵(酢醤油に付け込んだゆで卵)は
黄身がとろんとしている半熟で食べると疲れも和らぐ美味しさ。
今回の窯のものも含めた器たちが11月の個展に並ぶ。
窯出しは今週末。さてどんな器たちが生まれ出てくるか。