続きの梅しごと

昨年、自生していた赤紫蘇の種を庭に蒔いたものが、
まだまだ背は低いものの、葉を選んで摘めばなんとか
今年の梅干しに使えそうなくらいに成長した。
農家さんが畑で育てているわさわさと繁る赤紫蘇とは比べものに
ならないけれど、それでも自宅の庭先で育ったものかと
思うと我が子のようでかわいらしい。摘んでしまったけど。

梅酢が浸かりやすいように重石代わりになる手頃な大きさの
ものはないかと食器棚を物色していると、
実家にあった昭和のガラスの器が目に留まる。
実家では素麺を食べるときはこの器と決まっていた。
冷やし中華も。
昭和に大量生産されていたなんてことはない器。
でもなんとなく実家から持ってこれまでの何回かの引越しも共にした。
お揃いのそば猪口も一緒にしてある。

この器を久しぶりに引っ張り出したら、
建て替える前の実家の、夏の昼ごはんの景色を思い出した。
台所のお勝手口を開け放ち、網戸代わりの暖簾越しから入ってくるのはぬるい風。
それを首を振る扇風機で台所の空気とかき混ぜてまた外へと送り出す。
台所に置かれたテレビでは夏の甲子園。
「暑い、暑い」と言いながら母が揚げてくれたナスを
ショウガ醤油で食べながら、ガラスの器には素麺が。
器ひとつで一気に夏の食卓へワープする。

友人の梅と庭の赤紫蘇、そして実家からやってきた昭和のガラス皿。
材料やら道具やらが今年の梅干しの味を作る。

最高気温

今日の最高気温の予報を見てびっくり。
三春で35℃
この3日間は毎日1℃ずつ温度が上がっている。
が、夫が
「暑い暑いと言っててもすぐに雪が降るんだから」
のひと言には思わず声を出して笑ってしまった。

本当にそうなのだ。
きっとすぐに雪が降る。笑

そう思うとこの暑さもほんのひととき。
存分に味わなければもったいない。
ダラダラとしっかり汗をかいて、
その後は涼しい部屋でお昼寝ができたら最高なんだけど。

ずいぶん前に旅をしたベトナムでは
昼の間は「シエスタ」の時間で、木陰で昼寝をしている人たちを
本当にたくさん見かけた。
お店だって「◯時までシエスタ」という札がかかっていたりして。
旅行者としては困ることもあったけれど、
暑くてどうにもならないからある意味正しくて、
私も見習って、町歩きに疲れたらホテルに戻って昼寝をしていた。
旅先で過ごすそんな時間もまた贅沢だったな。

練乳と一緒に味わう甘くてとろんとしたベトナムコーヒー。
もう何年も飲んでいなけれど、今日の暑さでふと思い出した。

浴衣

今日の最高気温は34℃。
in-kyoの店内は涼しいものの、
一歩外へ出るとびっくりする暑さ。

今日は地元のお客さまMさんが浴衣を着てご来店下さった。
普段もお洒落なMさん。そしていつも清潔感が漂う着こなしで
なんだこちらまで嬉しくなってしまう。
「暑いからどうしようかと思ったんですけど」
と、おっしゃっていたけれど、浴衣はやっぱりいい。
実は三春に来てからは、お祭りや盆踊りではない限り、
車で移動される方が多いということもあって、
浴衣姿の方をお見かけすることはめったにないのです。
車の運転をしない私もタイミングがなかなかなく、
着る機会を逃しているところ。

だからなおさら浴衣姿をこうした普段の日に
着ていらっしゃる方がいると、晴れやかでいいなって思います。
私もこの夏は、天気のいい休みの日にでも浴衣で一日過ごしてみようっと。
着付け中に猫たちに邪魔されることは必至。


アフォガート

今日は朝からグングンと気温が上がって
最高気温が33℃。いきなり真夏の暑さ。

真っ青な空にはモクモクと真っ白な入道雲。
絵に描いたような夏の空が目の前に広がっていた。
この暑さで気分もどこかワープしてハワイへ。
というわけで店内の音楽は朝からハワイアン。

そういえば東京でお店をやっていた頃は、
暑くなるとご近所・写真事務所のカワウソのお二人が
すぐ近くのコンビニで買ってきたバニラアイスを持ち込んで
コーヒーを注文してくれたっけ。
エスプレッソではないけれど、
バニラアイスに熱々のコーヒーを少しずつ注げば
アフォガートの出来上がり。
熱あつ・冷ひやが楽しめて汗が引く。

今日は閉店後にベニマルへ行ってアイスを買い、
一人でアフォガート。
ハワイとイタリアと駒形家族が混在する夏の思い出。
隅田川の川風とスカイツリー。その向こうには入道雲。
想像の世界の中ではスイスイと泳ぐように旅に出れるのに。

梅雨明け

昨日からすでにそんな気配はしていたけれど、
今日のニュースで関東、東北が梅雨明け宣言したとのこと。
昨年は梅雨が長引いていたから、それを思うとずいぶんと
早くに明けてくれて内心ホッとしている。

梅雨が明けたら明けたで今度は梅干しの
土用干しのことが頭の隅にちらつく。
今年は我が家の赤しそは使えるかどうか。
昨年、庭に自生していた赤しその種を採って
蒔いた子たちが「ここにいますよっ!」と
主張するように群生し始めている。
が、まだまだおチビさんの赤シソたち。
ご近所の畑でワサワサと茂っている赤しそは別物!?
なんであんな風に育つのかしら。

写真は昨年漬けた梅干。
ぷっくり柔らかで良い香りもそのまま。
自分至上一番の出来。
いくつかは残してさらに何年か熟成させようと思っている。
さて今年の梅干はどうなりますか。

「梅干はその日の難逃れ」
急な暑さでまいりませんように。
どうぞお身体ご自愛下さい。


メガネ

先月、福島市のOPTICAL YABUUCHIさんで
メガネを新調しました。
実に久しぶり。かれこれ7〜8年ぶりです。
これまでの近視とやや乱視に加え、
薄々気づいていた老眼が気になるようになったものですから。はい。
老眼と言葉だけで聞くとガックリくるけれど、
数ある中から新しいメガネフレームを選び、
素晴らしい検眼技術とメガネのかけ心地の
細やかな調整に感動してすっかり気分が良くなってしまいました。
遠くの景色はピントが合って色が鮮やかに見えるし、
何と言っても本が読みやすい。
レンズが遠近両用なので、まだ少し慣れない部分もあるけれど、
そのことを越える嬉しさがあって。
ちなみにフレームは日本製の「EYEVAN」
フレームに細かーく入っている模様は、
職人さんが手で彫った型を元に、
機械でプレスされているものだそう。
メガネケースも同様に。機械で彫った型では出ない
独特の柔らかさがあるとのこと。軽さも決め手です。
何かを買ってこんなにはしゃぐ気持ちも久しぶりだなぁ。


前のメガネも籔内くんのところで。
これもかなり気に入っていて(こちらはフランス製)
老眼レンズは入っていないけど
本を読む以外の外出時には使えそうなのレンズはしばらくはこのまま。

そして今日は美容室で久しぶりにカラーリング。
「何年ぶりですか?」と聞かれて
「ん?10年以上は経っているかなぁ」
と答えて。間違ってはいないけれど、
よくよく考えてみると20年以上経ってました。笑
白髪染めと言うよりはなんとなく気分で。
軽やかにしたくなったというすごく曖昧な理由だけれど。
とは言いつつ、なるべく低刺激のオーガニック成分配合
のものにして頂きましたよ。
何かを少し変えてみるって
思っている以上に精神へ作用しますね。
帰りに見かけた入道雲。
一歩前へ進んで夏に近づいたよう。

ジャガイモ

見て見ぬふりというか、雨のせいにして手をつけられていなかった
一坪畑の草取り。
この梅雨時の雨と晴れ間の繰り返しで、雑草の勢いが凄まじく、
ジャガイモやその他の野菜の姿が埋もれてしまっていた。
風通しを良くしてあげないと、せっかくの野菜たちも
さすがに病気になってしまうだろうと、重い腰を上げて草取り。

案の定、草で覆われて陽が当たらず風通しも悪くなっていたキュウリは、
ツルを伸ばす前に埋もれて湿気によって苗が腐ってしまっていたし、
ジャガイモもあんなにたくさん植えたのに、地上の茎や葉はだいぶ弱っていた。
が、試しに掘り起こしてみると、土の中からごろんごろんとかわいい姿。
ほとんど手を加えてなどいないのに、こんなにたくましく育ってくれるとは。
ありがたや、ありがたや。

早速晩ごはんにフライドポテト。角田真秀さんの本通り、最初に塩茹でをしてから
揚げると、まわりはカリッと、中はほっくり、しっとりそのままで美味しく食べられる。
手間暇かけて育てていたわけではないけれど、贔屓目なしでおいしい。
玄関を出て数歩で収穫できるんだから、贅沢といえば贅沢。
食卓にはしばらくはジャガイモが続きそう。

この他にも雑草畑から救出されたものは、ミニトマトやかろうじて実を付けたキュウリ。
小さな間引き人参。枝豆がいくつかサヤをつけていたけれど、どうかな。
一喜一憂の実験畑。

ヨガ教室

今朝はなかなか起き上がれずに、夫が仕事に出かけてからは二度寝。
ほんの30分だけのつもりだったのに、起きたらなんと11時。
外は陽が射している。「あぁせっかく晴れていたなら洗濯したかった」とか
「早く起きていたらあれやこれやできていたのに」などいくつかの
罪悪感が頭の中にわき出てきたけれど、
それを紙くずをくしゃくしゃにするように
手の中で中で丸めてポイッとゴミ箱に捨てるところをイメージ。
休みの日は休まなければ。
貧乏性なもので、これがなかなかできそうでできない。

今日はもう絶対何もしない!と決め込んだらいいのに、
結局掃除、洗濯、庭仕事をガシガシやって、
汗もダラダラとかいてシャワーを浴びてヨガへ。
それはそれで気持ちがいいのだけれど。
ちょうどいい塩梅というものがないんだろうか、私は。

夕方から週一のヨガ教室へ。
レッスンの最初に必ず行うポーズ「シャバーサナ」
「頭に浮かぶいろんなことを浮かんでは手放して、
いい悪いはジャッジせず、浮かんでは手放して」

先生の心地よい声のトーンとこの言葉。
今日の私の出来事のようだなぁなんて、頭の中に
プカプカと浮かんできたのだけれど、
これもスッと手放す。
が、今日は特にいろんなことが次々と頭の中を支配する。
思考の断捨離は難しい。



空模様

梅雨時なので仕方がありませんが
毎日、天気予報と実際の空の様子に
翻弄されています。

今朝も。
晴れ間が出ていたので、なんとなくスッキリと乾ききっていない
昨日の洗濯物を出かける数時間の間だけ外へ。
穏やかな風にさらされてそれだけで洗濯物が気持ち良さそう。
そのまま干していきたい気持ちをグッとこらえて
部屋の中に取り込みお店へ。

「あぁ。こんなに晴れるなら一か八かでも外へ干してくれば良かったなぁ」

と、まるで空模様と賭け事。
が、大雨雷雨警報も出ているので油断は禁物。
洗濯物だけの話でもなく、備えは大事。

梅雨明けが待ち遠しいこの頃です。

檸檬

数ヶ月前、アロマの先生・Thymeのいのこしさんに
檸檬の鉢植えを戴いた。
戴いたその時は、青い実が2つ成っていて、
ありがたくお料理に使わせていただいたものの、
その後葉が乾きがちになったり、花を咲かせてもそれっきりだったり。

それがつい先日、白いぷっくりとした蕾が枝先にいくつも。
そして花が次々に咲き始めたと思ったら、
なんとも言えない良い香りを漂わせているではないか。
今年に入って、以前から興味のあったアロマの勉強を始めて、
香りと記憶の関係や、香りが体や心に及ぼす影響や作用についてなど
知れば知るほど興味は尽きないなぁと思っているところ。

このレモンの花の香りとネロリの精油の香りが似ていることも
さすが柑橘の仲間だからかと納得したり。
大人になってからの勉強は、なんて面白いんだろう。
来年には試験もあったりするけれど、資格を取るのが目的ではなく、
あくまでもただただ知りたい欲。
自分の好きな香りの精油を使って、体調や気分に合わせた
オイルやスプレーを作れるのも、なんだか魔女の修行のようで楽しい。
おかげでここのところ肌の調子が良い気がする。

うっとりするような香りを楽しませてくれた
檸檬の花が散ったと思ったら、
今度は小さな小さな青い実らしきものが枝先に!
この先私は枯らさないように水やりをするくらいしか
今のところ他にできることが思いつかない。

「レモン」ってカタカナもいいけれど、漢字で書く「檸檬」は、
梶井基次郎の「檸檬」が思い出されてとても好きです。
光と影。香りと同じように黄色の実が放つエネルギーのようなもの。
あの小さな小さな青い実も普段目にする黄色くて大きな実へと育つのかしら。