家族の漆

気づけば11月も後半にさしかかり、
来月12/3~開催の宮下智吉さんのDM発送も本日完了しました。
22日正午〜は展示期間中(12/5)に行われる「すみやのお昼ごはん」の
予約がスタートします(詳細はお知らせページをご覧下さい)
20151120-宮っち2015DM.JPG
今回のDMのモデルさんは宮下家のお嬢さん。さなえちゃんです。
12月末に2歳になるさなえちゃんがお父さんの作ったお箸を手に持ち、
れんこんに手を伸ばし…
「かわいい」「おいしそう!」と好評のDMです。
写真は大沼ショージさん。デザインは渡部朋子さん。
お料理は宮下さんご自身。
おっと!
主役は漆の器ですよ。
この器たちはDMのためにつくったものではなく、
宮下家の普段の食事で使われているもの。
使い込まれ、自然な艶と味わいが増して、
お料理もしっくりなじんでいます。
あらたに加わったものといえば、さなえちゃんのためのちいさな
飯椀と汁碗。それもご自宅で実際にさなえちゃんが使っているそうです。
何度か宮下家にお邪魔をして食事をごちそうになったことがありますが
本当にこのDMのようなしあわせな食卓なのです。
漆の器の気持ちよさ、手に伝わるやさしさのようなものを
ひとりでも多くの方にお伝えできたらと思っている今回の企画。
すみやのお昼ごはんとおやつも漆の器でご用意致します。
2015年ラストの展示。
DMは店頭でも配布しておりますのでぜひご覧下さいませ。

転機

先日の月曜日はお店は定休日でしたが取材のお仕事。
人生の転機についてのインタビュー。
毎日を過ごすことに必死で、あらためて自分の人生を
振り返ることなどしていなかったので、
聞かれてはじめて見直すというか。
「へぇ。私の人生そうだったのかー!」と
とっても新鮮でした。
ライターはお店にもよく来て下さって
何度かお仕事もご一緒させて頂いている I さん。
なのでずいぶんリラックスしてベラベラとしゃべりすぎました。
転機って自分ではまるで自覚がなかったけれど、
人に言われてはじめて「あぁそうかも。そういえば…」と思うものかもしれません。
いや、それは私の場合かな。
ずいぶんと時間をかけてじっくり掘り下げてお話を
聞いて下さって、そんな丁寧なお仕事の進め方にも
思考にしろ行動にしろ時間のかかる私にとって大変ありがたかったです。
お世話になりました。
掲載誌など詳細はまた追ってお知らせ致します。
どんなページになるのか私も今から楽しみ。

冬の気配を

朝起きて、ベランダに出ると、
気温は暖かいのに冬の匂いがする。
そんな日が少しずつ増えてきた。
といっても今日の日中の気温は23℃!?
これでは身体と気持ち、そして服装のバランスが取れない。
困ったもんです。
くまがいのぞみさんの展示は12日で終了致しました。
年に一度、この展示を楽しみに
足を運んで下さる方々がたくさんいらっしゃって
本当に本当に嬉しかったです。
みなさまありがとうございました。
それぞれのご家庭で、色を添えて。
DMに書いた通り、多くの食卓で顔がほころぶ風景が
見られるのだろうなぁと想像しております。
モノだけど、それだけではないものをつくり出す
くまがいさん、そして作り手の方々みなさん。あらためて尊敬します。
定休日はまったくもって身体も頭も働かず、動かず、
つかいものにならずでどうしようもなかったのだけれど、
なんとか起き上がって国立へ。
くまがいさんと約束をしてroom103で行われていた(15日まで)
平岩夏野さん、永井久恵さん、伊東ひろみさんの3人展へ。
いやぁ約束してお出かけして良かったです。
本当は表参道で行われていたomotoさんの展示へも行きたかったのですが断念。
3人展では、お店で着倒していた夏野さんのエプロンを新調致しました。
今度は丈が少し短めで綿麻の黒×グレー。
届くのが今から楽しみ。
そしてアトリエフジカワにもちょこっと寄って、
素敵なレコードを何枚か聴かせて頂き、夜はニチニチへ。
もうすぐ初のレシピ本が発売となるすみやの角田真秀さんと、
あべちゃん、そしてお着物姿の華順さんもご一緒してごはん。
ニチニチは本当に本当に久しぶりだったけど、
ホッとする空気とメニューが嬉しい。
疲れていた身体にやさしくてあったかくて。
リフレッシュできたいい一日でした。

食堂くまがいの様子

器はそのものももちろん良いのですが、
やはりお料理を盛りつけてこそその良さを
さらに発揮するものですね。
「食堂くまがい」の日の器と料理たち。
まずは秋の前菜プレート
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ユリネや里芋が入った白のグラチネ
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鴨のロースト
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塩豚のポトフ
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山崎さんちのお米を使ったハスの実のおこわ
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このあとにアイスも…
食堂くまがいにご来店頂きました皆様、ありがとうございました。
素敵な料理の数々。瀬戸口しおりさん。
お手伝いをして下さった伊藤さん、本郷さん、ゆうこさん
そしてこのために器を用意してくれたくまがいさん
本当にありがとうございました!

3日目の朝

展示3日め。立冬の日は朝から雨となりました。
くまがいのぞみさんの展示が6日から始まっております。
毎年この展示を楽しみにして下さっている方が
たくさんいらっしゃって
「お久しぶりです」と1年ぶりのごあいさつができるのも
私の楽しみのひとつ。本当にありがとうございます。
昨日は瀬戸口しおりさんによる「食堂くまがい」の日でした。
瀬戸口しおりさんとくまがいさんは「クウクウ」で
一緒に働いていた頃からの仲良しさん。
以前のアノニマ・スタジオ内にin-kyoがあった頃の展示の際にも
「食堂くまがい」のイベントを行って頂いて。
あのときは入り口に食堂くまがいの文字が入った白いのれんもかけたっけ。
現在のin-kyoではあの頃との規模とは比べ物にならないくらいくらい
少人数制だけれども、みなさんが美味しそうに楽しそうに
お料理を召し上がっている様子を見渡せることができて
今の自分にはそのことで十分な気がしてしまった(勝手かもしれませんが)
写真は色別にレイアウトした初日の展示風景です↓
20151108-くまがいさん20151.JPG
20151108-くまがいさん2.JPG
6、7寸の浅鉢に盛りつけたポトフ。
色、味、食感、香り…色々楽しい前菜。
今の季節にピッタリの白のグラチネ。
鴨とネギの組み合わせのシャレが効いたおしゃれな一皿。
お米農家・山崎さんちのもち米を使ったハスの実が入ったおこわ。
どれもこれもくまがいさんの器と相性がぴったりで。
デザートはバニラアイスにヨモギのソース。
食堂の写真はまた追ってUPします。
20151108-くまがいさん3.JPG
今日、明日は雨降りとなりそうですが
どうぞあたたかくして足下にお気をつけてお出かけ下さい。

つながっていく、その先へ

本日は明日から始まるくまがいのぞみさんの
展示設営のため、お休みを頂きました。
赤帽のおじさんも1年ぶり。
昨日の梱包のお手伝いも、
今日の設営も毎年ほぼ同じ顔ぶれが日替わりで。
お陰様で作業は慣れたもので、
お昼から始めた設営は夕方には終了。
くまがいさんはじめみなさま本当にありがとうございました。
新作のかたちもや釉薬の器がお目見えした一方で、
ずっと作り続けられている器も。
買い足したり、自分が使って良かったからギフトにして下さったりという
お客様が毎年本当に多いくまがいさんの展示です。
一年ぶりにお会いできるお客様もたくさんいらっしゃって、
そんなみなさんにお会いできることも楽しみにしています。
今回のテーマは、モノが使い続けられていくこと、
くまがいさんの手によって作り続けられていくこと。
そして人とのつながりも含めて連なり、これから先へと繋がっていく。。。
そんなことをイメージして考えたテーマです。
その先には何があるのだろう?
小さくてもキラッと光る近くの未来が見えたら嬉しいです。
そして設営を終えて、くまがいさんとIさんを見送った後、
店内を整えて今日は鷲神社の酉の市へ。
お店をやるようになって、ここ数年は欠かさずお詣りに行っています。
普段は並ぶことが苦手なくせに、ここでは全く苦にならないどころか、
初詣かお祭りにでも来たようなウキウキとした気分になるから不思議。
お詣りを済ませて、北島三郎や石原慎太郎、萬田久子ら
有名人の名前を横目に素通りし、
いつもの「よしだ」屋さんで手描きの熊手を
えーいっとばかりに奮発!今年はひとまわり大きな熊手にしてみました。
(本当は毎年そうした方がいいんですけど、お財布の事情でなかなかね。)
一人で行ったので恥ずかしかったけど、手締めもして頂いて。
やっぱり気持ちがいいもんですね。
パリッとシャキッとした三本締めのテンポは、東京らしいなと思います。
私が思う東京らしさというものを教えてくれたのもこの辺り。
さぁて縁起を担いだところで明日から元気に参りましょう!
ヨーッ!
チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャチャ、ヨッ
チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャチャ、ヨッ
チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャチャ!

明日は

くまがいのぞみさんの展示が6日から始まります。
明日(5日)は設営のため通常営業は終日お休みを頂きますので
何卒ご了承下さい。
月曜日の定休日にはオカズデザインのフードアトリエ「カモシカ」で
行われている坂野有紀さんの展示に行ってきました。
この日は朝9:00〜朝ごはんのスープと青木隼人さんのギター演奏会。
岡山県蒜山の清らかな水を温めた白湯にはじまり、
蒜山工藝の皆さんの手で大切に育てられたエビ芋を使ったやさしいスープ。
そして青木さんの透き通るようなギターの音色。
オカズデザインの素材の声を聞くような料理が身体を喜ばせてくれる。
そしてその料理をすくいあげるスプーンは坂野さんの手から生まれた道具たち。
同じ時間、同じ空間にいた方々。
激しく降る雨も美しく感じるような心がなだらかになるような時間でした。
まるで修道院の中にでもいるようだったな。
同じようにとはたぶんいかないけれど、自分もこうありたい。
すごくすごく特別なことのようであり、
でもそれがふつうのこととして日常の中にあったら
さぞかし日々は素晴らしいことでしょう。
がんばろ。私も。

今年も

毎年周年の記念日にはくまがいのぞみさんが
お祝いのケーキを送ってくださいます。
今年は八王子にある「ハナユラカヒミ」さんのガトーショコラと
家(名前の由来となった隠居部屋)のかたちをしたクッキーや
8の文字のクッキー。
ハナユラさんは毎年くまがいさんの展示にも来て下さっていて、
お二人からの愛情ケーキ。
8本のろうそくに火を灯してふーっと!
願い事?
は内緒です。笑
ありがとうございました。
そうそう。
昨日用意した日本酒はセレクトをいつも頼りにしている福島の橘内酒店さん。
洋梨はあんざい果樹園さんからの差し入れ!そして仁井田本家「秋あがり」のお祝い酒まで。
札幌たべるとくらしの研究所からはトマトソースとセロリペーストの差し入れも。
ペーストはこちらも用意をしていたcimaiさんのカンパーニュに添えて。
えーっと。
その他にもNAOTの宮川夫妻からは素敵なリースが。こちらは店内にさっそく飾っていますので
ぜひご覧下さい。
他にも昨日ご来店のお客様や友人からもお祝いを頂いてしまい恐縮です。
本当に本当にありがとうございました!

8周年を迎えました!

10月31日
8年前にin-kyoがスタート。
今年でまる8年が経ちました。
日頃ご来店下さっているお客様はもちろん、
遠方のお客様、お取り引きをさせて頂いている
作家の皆様、会社の皆様。
そしていつも支えてくれている友人・知人、家族。
昨年の日記を見直してみても、同じようなことしか
今年も言えないのですが、本当に感謝の言葉しかありません。
毎日必死であっという間。
でも日々いろんなことがたくさんたくさん積み重なって、
中身がぎゅっとつまった8年です。
今日は「スナックちえ」と称して
私と駒形家族のカワウソ・萬田氏が料理を、
お会計やらサーヴやら色々お手伝いを同じく
駒形家族の大沼ショージ氏というメンバーで開催。
最初は立ち飲みでしたが次第にテーブルを囲んで着席に。
みんなが楽しそうに飲んで、食べて。
in-kyoという場でワイワイと会話をして笑顔でいてくれて
もうそれだけで至福でした。
今年は色々と変化の年で、結婚をし、環境も変わっていきます。
変わっていくこと。ずっと変わらないこと。
何事も「絶対」ということはないのだと
震災後に考えるようになったけれど、できることならばずっと。
夜中までかかってひとりゆるゆると片付けをしながら
そしてどうしてもコーヒーが飲みたくなって、
コーヒーを飲みながらそんなことを思った9年目スタートの夜。

シンプル

ひょんなことから以前に「また一緒にここで飲みましょう!」と
なった陶芸家の五月女寛さん(同い年)と
shopオーナー大先輩のIさん。
そこに急遽お誘いしたこちらも大先輩のTさん。
「ここ」というのはともすけさん。
食いしん坊は自認してますが、ある程度の年齢にさしかかり
あとどれくらい外食をするのだろうか?なんてことを考えると
年齢のこと、身体のこと、食欲だってこの先どうなるかわからない。
老け込んだ気持ちになっているのでは決してないのだけれど、
あれこれ調べて積極的に多くを知ろうとしなくても、
季節ごとに訪れたいなぁと思えるお店が自分の中で
数件あれば、もう十分満たされているような気が最近はしている。
1ヶ月ぶりのともすけ料理は秋メニュー。
栗やキノコ、いちぢく、その他にあれもこれもと
今日も感激の皿たち。
料理に合うワインも相変わらず美味しいし、
テーブルを共に囲むみなさんは
大先輩だというのに気さくで楽しくて素敵な大人の方々。
気づけばこの日の店内には知り合いがそれぞれのテーブルに。笑
まるで大家族で美味しい食卓を囲んでいるような。
美味しいだけではない幸せな空気。
これもごちそう。
先輩方も五月女さんも共通して言えることは
大変な仕事をしているように見えても(実際に大変だけれども)
ご本人たちはそれもひっくるめて楽しもうとするバイタリティの
ようなものを持っていること。
「好きだから」と言ってしまってはあまりにも簡単すぎるけど、
でも結局はそれだけシンプルなことが原動力なのかもしれない。