FOR座REST 2015

先週末は福島市にあるあづま総合運動公園内にある
福島市民家園で行われた「FOR座REST2015」に
in-kyoとして参加させて頂きました。
それまでの雨続きで肌寒い日々が嘘のように空は晴れ渡り、
カーっと気温が上昇。園内の木々からこぼれる陽射しが
眩しくて瞬きすると、5年前、それ以前のことが
フラッシュバックするみたいに蘇ってきた。
民家園で再開されるFOR座RESTは実に5年ぶり。
それでもいろんな記憶が昨日のことのように思い出される。
風も鳥や虫の鳴き声、園内に咲く紫陽花や山百合。
そしてあの場で出会った人たち。また変わらない多くの笑顔。
イベントが始まったばかりの頃はまだお腹にいた子ももう小学生。
月日は確実に流れているのに、自分が時空のどこにいるのか
わからなくなってしまう。
少し気をぬいてしまうと勝手に涙が出てきてしまいそうなほど、
キラキラとしたその目の前の光景を一瞬たりとも逃したくなくて、
イベント中の写真は始まりに1枚だけしか撮っていないことに後で気づいた。
シャボンの泡が消えてしまうみたいに、写真を撮っているうちに
消えていってしまわないか…大袈裟かもしれないけど
震災後、5年を経てのこの場での再開は夢のようなことだったのだ。
おさえていた涙もアン・サリーさんと畠山美由紀さんの歌声には
何の効力も持たずに溢れてきた。レキシのライブにはみんながずっと
満面の笑みだった。他のミュージシャンももちろん。
音楽と人と土地と自然とがつくり出す大きな幸せのグルーヴ。
実行委員のみなさん、ボランティアスタッフのみなさん、
出店者のみなさん、ご一緒できて本当に嬉しかったです。
いつもお世話になりっぱなしのあんざい家も
ありがとうございました&お疲れさまでした!
in-kyoのブースに立ち寄って下さった皆さまもありがとうございました。
ゆっくりお話ができて嬉しかったです。
最後の伸也くんの挨拶
「福島に生まれてよがったー!」
最高の挨拶じゃないか。
そんなみんなに会えてよがったー!
愛に溢れてる福島が大好きです。
そしてまた自分の日々を歩いていくのだ。

週末は

福島市にある民家園で行われるイベント「FOR座REST」
震災後、実に4年ぶりの開催となる今回。
いつもあんざい果樹園の手伝いと称して
毎年のように遊びに行っていた大好きな場所。人たち。
な、なんとこのイベントに今年はin-kyoも参加することになりました。
ほんの小さなスペースですが、aalto coffeeの水出しアイスコーヒーと
Amaloのレッドジンジャーコーディアルの炭酸割りの冷たい飲み物。
その他に、日本全国の各土地を感じてもらえるような
モノたちも販売します。
中でも福島県伊達市の三和織物でつくられている刺し子織りの風呂敷やふくさは
県内でも案外と知られていないことが少なくありません。
近くで作られているそんな「いいもの」たちを持って福島へ行きます。
バタバタな毎日を過ごしておりますが非常に楽しみにしております。
11日の土曜日は上記イベントに参加するため
お店は臨時休業を頂きます。
何卒ご了承ください。

「糸とかけら」展終了しました。

6日の月曜日に「糸とかけら」展が終了しました。
梅雨とはいえ、期間中は毎日雨。
それでも多くのお客様が足を運んで下さって
とても有り難かったです。
みなさんじっくりゆっくりご覧になって。
中には何日か通って下さる方もいらっしゃって。
その姿を見ているこちらが嬉しくて。
本当にありがとうございました。
毎日があーっという間に過ぎていきました。
展示が決まってからどのように落とし込むか、
3人であれこれ考え、立ち止まり、ずいぶんぐるぐると
遠回りもしました。が、それは必要な時間だったのだと
展示を終えたこの充実感が教えてくれています。
私にとってもとても大きな意味のある展示でした。
ますみさん、しゅんしゅんさんには感謝です。
今回の展示ができて本当に良かった!
そしてお忙しい中、美味しくて素敵なお弁当を
手持ちで運んで下さった下北沢・「七草」の前沢リカさん。
自分のお店の準備で忙しい毎日を送っている長崎県雪ノ浦の
高野秀男くん。想像以上に素敵な標本箱フレームや、カワウソから
お借りしたフレームのお陰で会場に統一感が生まれて引き締まりました。
お二人にも心からありがとうを。
そしていつも手助けをしてくれる家族のようなカワウソのお二人。
DMデザインをしてくれた渡部朋子さんにも。感謝してます!
疲れがドーッと出てしまい、体調を大きく崩す前に
昨日は大事を取ってお休みをさせて頂きました。
雨の中、もしご来店下さった方がいらっしゃいましたら
誠に申し訳ございませんでした。
さて。
また今日からあらたな日々を。

糸績みワークショップ

本日は糸績みワークショップの日。
からむしで糸(素)をつくるとはどういうことかを
実際に手を動かしながら体験して頂くワークショップでした。
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外は雨が降る中、みなさんが作業に集中して
しんと静かな店内は、なんだかとても神聖で
清らかな空気が糸と同時にうまれていたように思います。
参加して下さったみなさま、ありがとうございました。
できあがった糸はますみさんが糸車で撚りをかけて、
ますみさんのお父さんお手製の木製糸巻きに巻かれて
みなさんにお持ち帰りして頂きました。
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そしてそして七草・前沢リカさんのお弁当も
今の季節にぴったりの食材と色合い、味わい、風景。
本当にそれぞれのお惣菜がしみじみ美味しく、身体に染み渡るようでした。
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今回はたくさんの方がお申し込みをして下さったのですが、
人数の関係上多くのお客様にお断りのお返事をすることになってしまい、
申し訳ございませんでした。
またこのような機会がございましたらぜひご参加ください。
さてさて。
明日は展示会最終日。
ますみさんの作品は残りわずかとなっておりますが、
ますみさんが実際よく使っているバッグや小風呂敷などが
ご覧頂けます。しゅんしゅんの作品も織りから影響を
受けた線は美しく、ぜひご覧頂ければと思います。
最終日も19時まで営業しておりますので
どうぞこの機会をお見逃しなく!

糸績み

今日は合間にますみさんが糸績みの
仕事を見せてくれました。
糸績み(いとうみ)という言葉。
紡績の績の字といえばそうなんですが
音で聞くと「糸が生まれる」という様子を
表しているようでなんともきれいな言葉。
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しゅんしゅんがDM用に描いた絵はまさに
この糸績みの様子。
絵には小さくローマ字で「ito no umareru tokoro」と書き添えられています。
この絵は3人(とは、しゅんしゅん ますみさん わたくし)の名前が入って
ポストカードにもなっています。
期間中、合間でますみさんが糸績みをして下さいますので
お時間のある方はぜひご覧ください。

初日を迎えました

目覚めたら梅雨寒の朝。
梅雨らしく、早朝から雨が降り続けていたので
展示初日にこの雨は…と、ちょっと気分が沈みがちでしたが
そんな天気のことで心配していたのもつかの間。
今日は開店してから閉店するまで
ずっと途切れること無くお客様に足を運んで頂きました。
本当に有り難いことです。
しかも皆さん時間をかけてじっくり、じっくりお二人の
作品を見て下さって。そのことがとても嬉しかったです。
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店内のレイアウトもガラリと換え、ますみさんの
糸車も設置したり。
白い壁一面にはしゅんしゅんさんの小さな作品がずらり100点。
一点ごとにタイトルもついているので、それも楽しいのです。
しゅんしゅんさんが今回描いた小さな作品に使った紙は、
フランスの銅版画用の少し厚みのあるもの。
極細のブルーブラックのインクで細い線を書き重ねたものは、
まるで藍染めの織物のようにも見える質感。
ぜひぜひこの機会に直接ご覧下さい。
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明日はしゅんしゅんさんはいらっしゃいませんが
ますみさんは終日在廊して下さいます。
様子をみて、できるようであれば糸績みの実演もして下さるそうですよ。
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手触りがしゃりっとしたからむし織りの小風呂敷。
強度があり、使い込んで、洗いを重ねていくうちに柔らかくなじんでいき、
質感が少しずつ変わっていくのも楽しみです。
さて何を包みましょう?

本日設営日

お昼頃からしゅんしゅんさん、ますみさんがin-kyoにいらして
3人で設営作業。
いつもは展示の設営はひとりで黙ってもくもくとやっているので、
3人で相談しながら進める設営というのは実に新鮮。
什器の配置をなかなか変えられないと思っていた店内でしたが、
今回はin-kyoのレイアウトもガラリと変えてみました。
おぉ!変えられるもんだなぁと自分でも再発見の気分。
二人の作品が想像をはるかに超えた素敵さで、しかも相談もしていないのに
まるであらかじめ決めて制作したかのようにピタリとはまったコラボ作品。
それを今回は標本箱のような木製のフレームにいれました。
その標本箱フレームも、今回のために長崎のthe farm ・高野秀男氏に
依頼して制作して頂きました。これがまた二人の作品としっくり馴染んで
すんばらしくいいのです。
ずっとずっと見ていたくなって、なんだかんだと夜中までお店に残って
この日記を書いております。
そうそう。
昨日のからむし織り制作の続きを。
やっと出来上がった素材となる繊維を爪で細く裂き、その原麻どうしをよりながら
つないで糸にしていく作業を糸績み(いとうみ)といいます。

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おぼけ(糸績みしたものを入れていくわっぱのようないれもの)にたまった
糸を湿らせてから、糸車でよりをかけてやーっと糸の準備ができて
これではじめて高機または地機織といった機織り機に糸をかけて織っていくことができるのです。
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一方、しゅんしゅんの素描とは…
2年ほど前にしゅんしゅんから届いた広島のギャラリーでの展示のご案内に
しゅんしゅんが添えた言葉がとても好きでお店の壁に貼っています。
そこから抜粋を。
素描とは
素直に
素朴に
素早く描くこと
風景を
なぞるように
ただ素を
描写して
いたい
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この「素」がふたりをつないでいる糸のようなものなのかなと思っています。
違う素材、速度、手の動かし方。
違うものなのにどこか共通するものがあって
ぐぅぅっと惹きつけられているのです。
展示は明日からはじまります。
お天気が心配ですが、曇りの日や雨の日のin-kyoの光もいいのです。

30日は設営日です。

6月もあっという間に月末。
30日は展示設営のためにお休みを頂きます。
何卒ご了承下さい。
1日から始まるますみえりこさんとしゅんしゅんさんの二人展
「糸とかけら」
ところでますみさんがつくる「苧(からむし・苧麻ともいいます)織」とは
どんなものかご存知でしょうか?
私がこの織物のことを知ったのもますみさんに出会ったことがきっかけ。
ますみさんは福島県の昭和村で取り組まれている「織り姫制度」というもので
昭和村で生活をしながら苧を育て、糸を績み、織るという全ての作業を学ばれました。
もちろん言葉で表すほど簡単なことではありません。
ひとつひとつの作業を知ればそれが果てしなく時間と労力がかかること。
だからこそ尊く、いとおしさが感じられるのだろうなと。
からむし織には一年を通して季節に合わせたそれぞれの
作業があり、暮らしと雪深い土地柄とに密着している織物であることにも
興味がわき、まずは昭和村に行ってみようとひとりで出かけたのが昨年の4月末。
まだ山道の林の中には雪が残っていて、ふきのとうやつくしが一斉に顔を出し始めた頃。
水芭蕉が咲き始めたと地元のおかあさん方が教えてくれました。
福島県昭和村は本州唯一のからむしの生産地で、約600年も前から
代々と受け継がれ、越後上布や小千谷上布などの高級着物の原料とされています。
繊維自体は麻にも似ているのですが、からむしはイラクサ科の多年草植物。
麻はクワ科の植物で、葉のかたちも違うのです。
↓  ますみさんが送ってくれたからむしの写真です
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ここまで成長させるためには5月の小満の頃に行われる
焼き畑から作業が始まるそうです。

これはからむしの茎から表皮と繊維を引き分けるための
苧引き盤、苧引き板という道具。
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そして苧引きを終えたばかりの状態は淡い緑と
光沢が美しい姿へなるのだそう。
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ここまででやっとやっと糸をつくるための素材の準備ができました。
つづく…

糸とかけら

来週、7/1(水)〜ますみえりこさんとしゅんしゅんさんの
二人展「糸とかけら」が始まります。
二人にはずいぶん前からいつか展示かワークショップを
やって頂きたいとずっと思っておりました。
ただ、「いつか、いつか」と言い続け、どのタイミングで
どのようなかたちでというイメージをかためるまでに
月日がどんどん過ぎていったある日。
しゅんしゅんさんから電話があり、二人展をin-kyoで
やりませんか?と提案を頂いたのです。
実は二人展という発想はまるでなく、ますみさん、しゅんしゅんさん
それぞれにお願いしようと思っていたのでまったくもって驚きの提案。
二人が繋がっていたということにもびっくり。
そうなると自然な流れで展示へ向けて話がするする
糸が解けるように動き出したのが昨年のこと。
広島のしゅんしゅんさんが東京へ来るタイミングに合わせて
打ち合わせを重ね、埼玉のますみさんのアトリエを一緒に訪ねて
糸績みを体験したり。そして三人でからむし織の産地でもある福島県の昭和村まで
足をのばし、地元の方のお話を伺ったり…などなど。
二人展というものをどのようなかたちにするかを三人でああでもない、こうでもないと
試行錯誤を重ねて今回の展示の運びとなりました。
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写真はしゅんしゅんさんから届いた作品です。
下に敷かれた織物は、ますみさんのつくる苧(からむし)の小風呂敷です。
かけらさえもいとおしいと思える二人の小さな作品たちがin-kyoの店内に並びます。
ひとりでも多くの方にご覧頂きたいと思っております。
からむし織りとは?
こちらのブログでも少しずつご紹介していきたいと思います。
30日は展示設営のためお休みを頂いております。
何卒ご了承ください。

雨上がり

ひと駅ぶんほどの距離を徒歩で通勤。
近くだというのに通ったことの無い道は案外とある。
今朝はわざと横道に逸れたりしながら通ったことのない道を歩いた。
するとここは「お寺通り」?と名前がついてるんじゃないかと
思うほど右も左もお寺という通りに出た。
夜道だったら怖いかもしれないけれど、掃除が行き届いていて
きれいに清められたお寺というのはなんとも清々しい。
雨上がりのしっとりと湿気を含んだ様子も美しくて
前を歩くだけでも気持ちがいい。
「こっち、こっち」とその匂いに誘われるように
歩みを進めた先には塀に大輪のシクラメン。
湿気とあいまって強い主張。派手な色ではなくあの真っ白さで
バランスをとっているんだろうな。
お店から案外と近い場所だというのに知らないところがまだまだある。
そういえば。
先日25日は、午前中にPois Eの秋冬物の展示会に行っておりました。
ファッション業界の展示会はすでに秋冬物へとシーズンが進んでいるんです。
今回の展示会場は今までの場所と変わって目白。
駅からすぐ近くだというのに表通りから1本裏手に入ると静かな住宅地。
ビオトープもある中庭を望めるギャラリーでの展示会。
展示会がなければ(行かなければ)そんな場所があることも
きっと知らないままだったでしょう。
Pois Eの平岡夫妻ともゆっくりお話ができて、気になる新作を
あれこれかぶってみる。自分でかぶってみたときと、
平岡さんに少しかぶり方を手直ししてもらったときとでは
見え方が違ったりする。全身の印象にも変化するし。
町や道、ファッションも同じだなぁ。
この週末27(土)、28(日)は一般のお客様向けに
Openしているそうなのでぜひ。
詳細はPois Eのホームページをご覧ください。
今回in-kyoでセレクトした秋冬物の帽子は10月頃の入荷となります。
どうぞお楽しみに。