一般的には昨日からゴールデンウィークに突入。
in-kyoはいつもと変わらず日・月と定休日を頂いております。
今日はイチかバチか早起きができたら・・・
と以前からずっと行ってみたかった「からむし織の里」昭和村へ。
目覚ましのアラームをほぼ10分おきにかけたおかげか、
なんとか起きることができ、いざ昭和村へ。
昭和村がどこにあるかというと、福島県の会津地方。
東京から電車で行くならば、
浅草から東武伊勢崎線で会津田島駅まで行き、
そこから生活バスというバスに乗って約45分。
乗り換えも含めるとざっと4時間くらいはかかるでしょうか。
電車でのひとり旅。しかも日帰り。
けれど車窓から見える季節の風景に心踊らされ、
本を読むことすら惜しいほど、飽きることなどありませんでした。
栃木が近づくにつれて田んぼや山の風景が流れるように目に飛び込んでくる。
水を張られただけのたんぼがあるかと思えば
すでに小さな苗が緑の点線を作っている土地も。
サクラや新緑が山を覆うようにほわほわと柔らかく、
生まれたての赤ちゃんのようだった。
鬼怒川温泉駅で日光方面と会津方面に電車は別れ、
会津方面行の電車に乗り換え。
小さな駅舎がかわいらしい駅が続く。
電車を降りてからの生活バスの道も良かった。
田島の駅周辺の桜はようやく咲き始めたという様子で八分咲き。
ずんずんと山道へ進むと、白樺林の両脇にはまだまだ雪が残っていて、
白い林は異国のようだった。
そんな道を進みながらバスの運転手さんが
まるでタクシーみたいに気軽に会話を交わしてくれて。
それがまた土地の言葉だからか
、どこかホッと和ませてくれるのだ。
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からむし織ののれん
もともと「からむし織」というものを私が知るきっかけとなったのは
からむし織の作家・ますみえりこさんに出会ったこと。
からむしという植物を育てて刈り取った後、全て手作業で繊維にし、
細く裂いたものを績み、撚りをかけてはじめて織る為の糸ができあがる。
季節の行事のように、季節に合わせたそのときそのときの作業が決まっていて
まるで季節の恵みのよう。
気が遠くなるようなその作業のことを
ますみさんからお話で聞いていたものの、
やはり百聞は一見に如かず。
「からむし市」のあるこのタイミングでその作業のほんの一部でも
見ることができて良かった。
糸の状態ですら美しいけれど、織り上がったものの肌触りと
凛として上品な美しさと言ったら
いつまでも見とれていたいほど。
ポンと買えるものではないけれど、
あの織物に見合うように歳を重ねられたら
いつか・・・と思えるものに出会えただけでも今は大満足。
車があれば訪れる場所は他にも色々あったのだろうけれど、
帰りの生活バスがやってくるまでの数時間は
工芸博物館を見たり、地元の郷土料理を食べたり、
近くを散歩したりしてのんびり過ごす。
頭の中を空っぽにして、ただただ自然の美しさに見とれて。
そんな風に過ごしたからか、頭も体もゆるんだようで、
帰りのバスも電車もほぼ爆睡。
ちょっともったいないような気もしたけれど
休日らしい贅沢な一日だったかもしれない。
昭和村の桜の開花はこれから。
今は山の中で水芭蕉が満開なのだとか。