昨年の今頃は、福島に行くことを決めてはいたものの、
まだ具体的にどこに住んで、お店はどうするかも
決まっていなかった。
まず暮らす場所として三春が候補地としてあがり、
何のつても無い場所での一からの物件探し。
その頃から大変お世話になっていたのが喜一さんだ。
三春の町で一番はじめに知り合った方で、
どこの馬の骨かもわからん私たちを
どうしてそこまで…と思うくらい良くして頂いて
びっくりしたことを今でも覚えている。
ちょうど紫陽花がきれいに咲き始めた頃、
喜一さんのお庭(山?)には紫陽花の道ができていた。
「人は美しいなぁと思う自然の景色を毎日目にしていた方がいいと思うんですよ」
そう言う喜一さんのお宅の居間からは、
美しい山の緑と赤く染まる夕焼け空が目の前に広がっていた。
この景色を毎日見ているからこそのお人柄だなぁと
腑に落ちる素晴らしい景色だった。
あれから一年。
移転をしてお店もopenから2ヶ月が過ぎた。
何も決まらず焦る気持ちで月日が過ぎて行き、
決まったと思ったら猛ダッシュのような日々。
それも今となってはなんだか夢のよう。不思議な感覚だ。
先日またふらりとお店にいらした喜一さんが
「ウチの畑で採れた野菜持って来たから」と
採れたてのサニーレタスと新玉ねぎを下さった。
ウチの畑といっても家庭菜園(でもかなり広い)だけど
これがまた美味しい野菜。ピンピンと元気。
美しいもの。
喜一さんの言葉を度々思い出す。