街灯の脇に満開のハクモクレン。
真っ白でそこだけ明るくて。
街灯なんかには無いその灯りは神々しかった。
実家の庭にもモクレンの花が咲く。
ハクモクレンじゃなくて実家のは紫だけど、
子どもの頃はべろんべろんに開く花を見ては
「バナナの皮みたいだなぁ」と思っていた。
でも今、こうしてその花に心奪われている。
花開く前の産毛をまとった姿も美しい。
自分の年齢でこうも物事の受け取り方が違うとは思いもしなかった。
実家の庭のモクレンは咲きはじめただろうか。
雪柳は小さな白い花をほころばせているだろうか。
沈丁花は、イヌフグリの青い花々は・・・
実家にはまだ行けずにいる。
庭の花々の姿は私の頭の中にこんなにも鮮明に思い描けるのに。