いわきのomoto鈴木夫妻のお宅へお邪魔したときのこと。
まだ日記に書けずにおりましたがようやく。
いわきへは、上野駅から特急電車に乗って行くこともできますが、
東京駅から出ている高速バスだと、時間も電車と30分ほどしか変わらず。
しかも半額ぐらいの金額で行くことができますよと智子さんが教えて下さった。
そんなこんなでのんびりとバスで向かうことに。
omotoの鈴木夫妻はご主人の鈴木康人さんはトンテンカンと鍛治(鉄)のお仕事を。
奥さまの智子さんはちくちくと布のお仕事をされています。
以前にお会いしたときに「いつかin-kyoで包丁研ぎのワークショップを!」と
お話してから、ご自宅に伺うまでにずいぶんと時間が経ってしまいました。
玄関を一歩入っただけで時空が変わる?というのかな。
時空というのとも違うかな。
きっとあの暮らしの中にはomoto夫妻にしか出せない
omoto時間というのが流れていて、そこにポンとお邪魔させてもらったような。
懐かしい居心地の良さが感じられる空間と時間。
この日は私以外にもお客さま。
はじめてお会いしたのに和やかに会話をさせて頂いて、
鍛治仕事を見学させて頂いたり、その後は智子さんと来客の先生!の
手作りの美味しいお料理が並ぶ食卓を囲んで
お酒も飲んでたくさんしゃべって笑って…。
なんとも満たされた時間を過ごさせて頂きました。
もっともっとお二人には聞きたいことや話したいことが
たくさんあるけれど、それはまた次回のお楽しみに取っておこう。
翌日は思いがけず体験鍛治仕事!鉄の和釘を作らせて頂きました。
いつもとは全く違う神経と集中力を使って、
でもいつの間にか夢中というか無心になっていて。
いつまでもいつまでもやっていたいような不思議な感覚でした。
その後は包丁研ぎ。
以前に購入した康人さんの菜切包丁。
手入れが行き届いていなくて恥ずかしい限り。
これまた真剣と集中の時間。
一応短大の授業や、20代の頃に通っていた料理教室で教わっていたはずの
研ぎ作業 。おかしいなぁ。私の勘所がいかに曖昧だったかが発覚!
あらためて道具を使うということを一から学び直さなければなぁと反省しきり。
きれいに研いで刃がキリッと整えられた包丁は
智子さんが作った包丁入れに収まってホッとした様子。
「暮らしが仕事 仕事が暮らし」は河井寛次郎の言葉。
鈴木家から帰ってきて、ずっとずっと感じていた軸のようなものは
何だろう?と思っていたけれど、この言葉に行きついた。
何かが突出していたり偏っているのではなくて
全てが暮らしとして、仕事として含まれている。
豊かさの本質を教えてもらったような気がしました。
私も自分なりのそれをこれからもっともっと
掘り下げていきたいと本気で思った。
展示前の忙しい中、心尽くしのおもてなしに心から感謝を。
本当にお世話になりました。
柿渋で染められた布が庭先で風にはためいていた景色。
青空に淡い柿渋の色が美しかった。
これからどんな作品へとかたちを変えていくのだろう?
いわきも桜が咲き始めたろうか。
omotoの包丁研ぎワークショップは8月を予定しております。
詳細は決まり次第お知らせページにてUP致しますのでどうぞお楽しみに。