お店をやっていると、もちろん大変なことも多いのですが
その分嬉しいことはその倍以上にたくさんあります。
そのひとつがいろんな出会い。
モノもそうだし、土地、そして何より人。
愛媛に暮らす方から数ヶ月前にお便りを頂きました。
そこには愛媛の手仕事による手漉き和紙や砥部焼の器、
箒、注連飾りなどを丁寧に取材し、写真とともに紹介した
冊子(取材も撮影も全部ご自身で何度も通って制作したそうです)が
手漉き和紙の便せんのお手紙に添えられていました。
in-kyoでは砥部焼の器は中田窯さんのものを扱っているものの、
まだ訪れたことのない愛媛県。
そこに紹介されていたものは興味を引くものばかり。
たぶんそれはその手紙を送って下さった方の一本筋の通ったモノを選ぶ視点が
感じられたからだと思います。今すぐにとはいかなくとも、
愛媛に、そしてこの方にいつかぜひとも会ってみたい…
と、まずはお返事のお手紙を書こうとしているまさにその日に
なんとその方がお店に来て下さったのです。
ご本人は作り手ではなく、地元で今も作り続けられている
「愛媛の手仕事の良いもの」を伝える人。
(手仕事だけでなく愛媛の良さを伝えようとしている人)
初めてお会いしたのに嬉しくなってしまってずいぶんと長くお話を
させて頂きました。
その後のやりとりはお手紙だったり、お電話だったり、ときにはメールも。
ゆっくりしたキャッチボールが私には本当に有り難い。
近々、少しずつではありますが、愛媛のものがin-kyoにやってきます。
どうぞお楽しみに。
そうして先日は竹の篭や笊を作っている女性の方からお電話を頂き、
今月頭の雨の中、高知からたくさんの篭や笊を持ってin-kyoに来て下さいました。
軽いとはいえ、かたちの違う篭や笊を持って来るとなると大荷物。
しかも雨は降っているし、窓の外を歩いている様子ですぐに気がつきました。
色々見せて頂いた後、いつでもそうなのですがやはりまずは使ってみないとと、
気に入った笊を購入させて頂きました。本当だったらサイズの合う棚があったら
引き出し代わりに使えそうな素敵な篭があったのでそれが欲しかったのですが、
そこはグッと堪えてまずは笊。
洗い終えて仕舞う前に器を少し乾かしておくのにちょうど良さそう。
しかも作りがしっかりしていてかなり丈夫なのです。
その後、お話をしているとなんと共通友人・知人の多いことが発覚。
はじめてお会いする方でも、縁のある方は案外とそんなものかもしれません。
篭や笊はまだまだ先のお話になるかもしれませんが
この先、縁が続くと良いなと思わせてくれる方でした。
どちらの方も距離感というのか、順番というか段階というのか。
それがとても気持ちの良い方でした。
それはもうマニュアルのようなものがある訳でもないし、
人とのやり取りの間合いとしかいえないのだけれど、
対等に何かを一緒につくっていくような関係でありたいといつも思うのです。
作り手(伝え手)の方にお店を見て頂くというのも大事なことだと思うし。
遠いところをわざわざ足を運んで下さって本当に本当に嬉しかったです。
ありがとうございます。
時間をかけるだけが良いことではないかもしれないけれど、
急いだり焦ったり、急なことだったりがあまり上手にできないので
自分のペースでできることをできる範囲でという毎日です。