昨日は漆継教室の新規クラスが始まりました。
櫛谷明日香さんが行うこのワークショップも
以前の場所、アノニマ・スタジオで行っていたときから数えると
早いもので今期で5期目に入りました。
月に1度、3時間のクラスを合計8回。
この期間で直しの工程がなるべく終了するような予定で
作業を進めていくのですが、進んだり、戻ったり。
作業は器の状況によっても、人によっても、
また、湿度や気候による漆の乾き具合にも左右されます。
写真の器は漆で割れを継いだ状態。
この後金を蒔き(お化粧のような工程)
その後さらに薄めた漆で粉固め(コーティングのような作業)
↓
教室では櫛谷さんが用意して下さった
岩手県の浄法寺産100%の天然漆を使っています。
手軽に直せる素材や方法もあるけれど、
自分の都合通りとはいかない、現代の早い時間の流れとは
逆行するようなその時間と作業だからこそ、つくづくいいなぁとも思ってます。
しかもその作業と時間は無駄ではなく、最後には割れたり欠けたりした器を
安心できる素材で継ぐことで、再び使えるようになる上に、
手をかけた分だけそれまで以上に愛着も沸いてくるのです。
また「漆」という素材に関わる仕事をしている方々を知ることにも繋がるのかなと。
そういえば、先月訪れたomotoの鈴木康人さんは
包丁の持ち手の部分に卷くアケビなどの蔓を固めるために浄法寺の漆を使い、
また、漆かき職人の方が使う独特のかたちをした鎌のような道具を作っていらっしゃいました。
こうやって何かを知ることで興味の幅が広がっていくのが面白いなと。
現在漆継の新規クラスの募集は行っておりませんが、
「漆」という素材を知って頂く機会をいつかつくれたらなと考えています。