30日は設営日です。

6月もあっという間に月末。
30日は展示設営のためにお休みを頂きます。
何卒ご了承下さい。
1日から始まるますみえりこさんとしゅんしゅんさんの二人展
「糸とかけら」
ところでますみさんがつくる「苧(からむし・苧麻ともいいます)織」とは
どんなものかご存知でしょうか?
私がこの織物のことを知ったのもますみさんに出会ったことがきっかけ。
ますみさんは福島県の昭和村で取り組まれている「織り姫制度」というもので
昭和村で生活をしながら苧を育て、糸を績み、織るという全ての作業を学ばれました。
もちろん言葉で表すほど簡単なことではありません。
ひとつひとつの作業を知ればそれが果てしなく時間と労力がかかること。
だからこそ尊く、いとおしさが感じられるのだろうなと。
からむし織には一年を通して季節に合わせたそれぞれの
作業があり、暮らしと雪深い土地柄とに密着している織物であることにも
興味がわき、まずは昭和村に行ってみようとひとりで出かけたのが昨年の4月末。
まだ山道の林の中には雪が残っていて、ふきのとうやつくしが一斉に顔を出し始めた頃。
水芭蕉が咲き始めたと地元のおかあさん方が教えてくれました。
福島県昭和村は本州唯一のからむしの生産地で、約600年も前から
代々と受け継がれ、越後上布や小千谷上布などの高級着物の原料とされています。
繊維自体は麻にも似ているのですが、からむしはイラクサ科の多年草植物。
麻はクワ科の植物で、葉のかたちも違うのです。
↓  ますみさんが送ってくれたからむしの写真です
20150630-DSC01542.jpg
ここまで成長させるためには5月の小満の頃に行われる
焼き畑から作業が始まるそうです。

これはからむしの茎から表皮と繊維を引き分けるための
苧引き盤、苧引き板という道具。
20150630-DSC01513.jpg
そして苧引きを終えたばかりの状態は淡い緑と
光沢が美しい姿へなるのだそう。
20150630-DSC01507.jpg
ここまででやっとやっと糸をつくるための素材の準備ができました。
つづく…