3月にいわきのomoto夫妻のお宅にお邪魔してから
早いもので5ヶ月が経ちました。
開催の準備までにはずいぶんと時間がかかってしまいましたが、
ずっとずっとお願いしたかった包丁研ぎのワークショップを
本日ようやく実現することができました。
omotoさんが大きな木の桶やたらい、8名分(私の分も)の砥石などの道具を
いわきから持参して下さって、in-kyoの店内が一変して研ぎ場と化しました。
砥石のことや作業のひとつひとつの意味などをomotoの鈴木康人さんが
丁寧にお話をして下さって、まずは康人さんの作業を「見る」ことから。
この
「見る」
ということが大事ということも康人さんはおっしゃってました。
3種の砥石(粗砥ぎ・中研ぎ・仕上げ)を使って、集中して丁寧に。
包丁が整えられていくというその感覚が作業を楽しくさせてくれます。
包丁を整えたら、使った砥石もその都度研いで整えておく。
それが良い道具と長くつきあっていくコツなのだろうと思いました。
良い道具とは、人の手をかけて作られ、何かあったら
メンテナンスをすればまた使えるようになるもの。
そのメンテナンスも正しい方法を知っていれば、
決して特殊な作業などではなく、台所でできる
ほんのひと手間なのだと感じさせてくれます。
良く切れる包丁を使うと料理をするのもより一層楽しくなります。
omotoの智子さんからは
「よく切れる包丁は調味料のうちのひとつ」という名言も。
新鮮な野菜や肉、魚を活かすも殺すも包丁次第と言っても
言い過ぎることはないなと。
活きたものを身体に取り入れるとはそういうことなのでしょう。
研ぎ上がった包丁でトマトの1mmスライスを参加者のみなさんに
切って頂いたのですが、見事!
スーッと切れたトマトからはベチャベチャとトマトの汁が出ること無く、
切り口が瑞々しいのです。
↑
これは後日私が自分で研いだ包丁でスライスしたもの。
みなさんはもっともっと薄く切ることができていました。
私が子どもの頃には祖母が台所で包丁を研いでいました。
外の水場では草を刈る鎌を研ぐことも。
包丁はたいてい夕方頃に研いでいて、
それはきっと晩ご飯を作る前の一連の作業だったのかな。
この先もそんな台所の風景を多くの家庭が残せていけますように。
omotoの鈴木夫妻には「研ぎ」の作業を通して大事なことを
たくさん教えて頂きました。
本当にありがとうございました。
9月には札幌のAch so ne (アソネ)さんというギャラリーで
展示を行うそうです。お近くの方はぜひぜひ。