大きな甕

自分がすっぽり入るくらいの大きな甕があったらな。
涙が出そうになったときとか
震えるくらいの怒りなのか不安なのか哀しみなのか、
そんなわけのわからない私のぐちゃぐちゃした感情などは
その大きな甕を自分の頭の中に思い浮かべて
全部放り込んで、蓋をしてしまえばいいと思っていた。
大きな甕は簡単にはあふれることはないのだから
安心してどんどん放り込んだらいいし、蓋も思いっきり
重たい特別なものを用意して簡単には開けられないようにすればいいと。
大きな甕を何度も思い浮かべてここ何日間を過ごしていたのだけれど、
今日、でもそれはちょっと違うのかもしれないと思った。
今日はお店が終わってから、とあるチャリティーライヴへ。
音楽とそこに集まった人たちの思いで
大きな甕は溢れる前に簡単に割れてしまった。
止めようが無く涙が溢れ出てしまった。
誰かに闇雲に感情をぶつけるのでなければ、
表に出していいときもあるんじゃないかなって。
今夜ライヴが行われた場所は
まるで小さく灯ったロウソクの灯りみたいにあたたかだった。
お陰で胸のあたりが少しだけ軽くなった気がした。
そして今日も子どもたちの健やかな力に助けられた。
ありがとうね。

cimaiのパンの日

都内の配送は通常通りに荷物が届いているものの、
状況によってどうなるかわからなかったので
今日のパンの販売時間は12:00~とさせて頂きました。
が、無事ヤマトさんがいつも通りの時間に配達して下さった。
パンの日をいつも楽しみにして下さっている
お客様が次々にご来店。
お会いしてお顔を見ておしゃべりをして。
そのことがとてもとても嬉しい。
小さなお子さんをお連れのご近所さんは
地震以来、はじめての外出と。
2歳半の男の子はいつもたくさんおしゃべりをしてくれる。
お釣りの小銭を握りしめて、パンを入れた紙袋も手に持って。
もうすぐお兄ちゃんになるそう。
きっと面倒見のいいお兄ちゃんになるんだろうなぁ。
他にも今日はジーパン姿がかっこいい4歳の男の子に
「これ読んで」と言われて絵本を読んであげた。
すると、
「象の足は何本あるの?」と聞かれたので
「4本だよ」と答えると
「へぇ。けっこうあるんだね」 ですって。
思いもよらない返事につい笑ってしまう。
そんなやりとりをしながら子供服の会社に勤めていた頃のことを思い出していた。
絵本を読んであげた。だなんてなんかしてあげた気になっていたけど
そうだった、そうだった。
子どもたちはこうしてたくさんのものを私たちに与えてくれるんだよなぁと。
大人がもっとしっかりしなきゃね。
未来のある子どもたちのためにも。
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既にお知らせのページにて告知しております
小谷田潤さんの個展ですが、
予定通りの日程で開催致します。
開催に際しては小谷田さんとも相談の上、
今回の展示での売り上げの一部を義援金に
充てさせて頂く予定でおります。
発送が遅れましたが、DMもお送りさせて頂きましたので
どうぞよろしくお願い致します。

白ねこ

近くにある垣根の影に、おばさんが子猫のために
こっそりとゴハンと水を与えている。
冬に生まれた白ねこ。
右目と左目の色が違う小顔の美猫で、
ずいぶんと大きくなったなぁと思っていた。
姿を見かけないので、慌てて逃げ惑って戻れなくなったのではないかと
自分がゴハンを与えていたわけでもないのに勝手に心配していた。
それが今朝、白ネコはちゃんとゴハンを食べて、
満足したように日だまりで日向ぼっこをしていた。
小さい日常の景色がそこにもひとつ戻ってきていた。
「お知らせ」のページでもご報告させて頂きましたが
本日のコーヒーの日にお越し下さった皆さまへ。
誠にありがとうございました。
ご報告通り、明日の朝、郵便局の窓口より
日本赤十字社へお振り込みさせて頂きます。
私にとってはコーヒーを入れながらお客様とお話ができたひとときも
とても貴重な時間となりました。
次回の日程も追って「お知らせ」のページにて告知致します。

てるてるぼうず

明日は晴れるといいなぁ。
エアコンが効かないなぁなどと今までは思っていたけれど、
点けずにいると、こんなにも寒いとは。
鼻が赤くなるくらい今日は店内が寒かった。
明日はコーヒーをいれます。
ありがたいことにいろんな方々がブログなどでリンクして下さってます。
でもどうなるんだろう?
こんな状況なので明日フタをあけてみないとまったく予想できませんが
贅沢は申しません!きれいごとを言うわけでもないのだけれど
やると決めたからにはたとえお客様がおひとりでも
絶対に美味しいコーヒーいれます!
だってaaltoさんが焙煎してくれたコーヒー豆が美味しいのだから。
今回はエルサルバトル(ストレート)の深煎りの豆を使います。
本日試飲をしましたが、ガツーンとパンチがあるものの後味はやさしく、
まるでブレンドのように次々と広がる豊かな味わいがしました。
今日は初めてお店にいらしたというお客さまも。嬉しいなぁ。
いつもご来店くださるNさんは
「私は明日来れないからこれ良かったらコーヒーに添えて」
ってお菓子の差し入れを頂きました。
確かNさんはコーヒーも飲まないし、香りも苦手だったはず。なのに・・・。
歳のせいか涙腺がゆるんでいるんだけど笑ってごまかしてしまいました。
私はこの先どんな恩返しができるのだろう。
おそらく地震の日から、ぴーんと気持を張り続けて
自分でも気付かないほどに疲れている方も多いんじゃないでしょうか?
ほんのちょっと。仕事の合間にひと息ついて。
よろしかったらどうぞどうぞお立ち寄りくださいませ。

ありがとうございます。

家は道路に面しているのだけど、
連休中も、今夜もとても静か。
今日は小雨が降る寒い中、
そしてエアコンもついていない寒い店内だというのに
お越し下さった皆さま、本当にありがとうございました。
なんだかお店を始めたばかりのことを思い出した。
ありがたいという気持ちを忘れちゃだめだな。
地震の日から稼働し続けて下さっている配送業者の方々にも。
荷物が無事届き、こうして通常通りお店を開くことができている。
日頃支えて下さっている方々にあらためて心から感謝を。
ありがとうございます。
本日は節電営業のため、お店を5時に閉めて
その足でクラニアルセイクラルの講習会へ。
Mさんと施術をお互い行って
体がポカポカと温まり、帰りには体が軽くなっていた。
受講して良かった。まわりの友人たちにもやってあげようっと。
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お知らせのページにもUPしましたが
あさって24日(木)にin-kyoでコーヒーをいれます。
詳細はお知らせのページをご覧ください。
また昨日の日記にちらりと書きましたが
漆作家の宮下智吉さん夫妻が
(奥さまは漆継ぎ教室を行っている櫛谷明日香さんです)
今、自分たちにできることを考えて動き出したようですよ。
詳細は宮下さんのHPをご覧ください→こちら!

明日からまた。

明日から営業再開致します。
計画停電による交通機関の影響やその他にも
放射能の影響はどうなのだろうと心配なことは多いですが
お近くにお越しの方はふらりとでも遊びにいらして下さい。
朝から原稿を書いたり、DMのラベル貼りをしたり
黙々と家でお仕事。
ごはんもしっかり食べる。
味付けも味覚ももう普通に戻ったみたい。
仕事をしながら途中、あ、誰ともしゃべってない!と思って
いつもの通り、大きな声で歌を唄う。
過ぎてしまったけど、3/19は「ミュージック」の日だったそうな。
音楽にも助けられているなぁ。
大好きなトータス松本の「ミュージック」という曲。
you tubeで見るトータスのソウルフルな歌声と
幸せそうに唄う姿にも励まされます。
お店がほんのひとときでもホッとできる時間や場所であるように。
まだまだ被災地で大変な思いをしている方々、
その方々を助けるために頑張っている方々を思いながら、
まずは自分の仕事を動かさなければ。
明日からまた頑張ります。
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今日のお買いもの

蔵前の花屋さんが開いていたので花を買う。
つぼみがたっぷりあるフリージア。
開いた黄色い花からはいい香り。
いつも行く家の近所の酒屋さんでは
福島の大好きなお酒「天明」を買う。
私ひとりが暮らすためのものは
もともとそんなに多くを必要としない。
買いだめをしなくても十分だ。
今日のお買い物は心の栄養と被災地へのエール。
ふたつ駅となりの宮っちとくっしーの家にも
花がきれいにいけられていた。
宮っちも福島のお酒を買ったと言ってたな。
宮っちこと漆作家の宮下智吉くんは今週末に神楽坂で
個展を予定していたけれど中止にしたとのこと。
でも「こういうことならできると思う」という考えを話してくれた。
まだ練らなければならない部分もあるけれど、
きっと喜んでくれる人は多いんじゃないだろうか。
詳細が決まったらまたこちらでもお知らせします。

鰯10kg

一昨日、近所の居酒屋「魚三酒場」の前を通ったら、
PM6:00の時点で満席。
カウンターのテーブルには各自
自宅から持参したのであろう懐中電灯を置きながら
いつもと変わらない様子で杯を酌み交わしている様子。
ちょっと嬉しくなった。ほぐれた。
今日はYかぁさんやオカズデザインの呼びかけで
20人近くの人がカモシカに集まり、オイルサーディンや
アンチョビ作り、天気も良かったからドライトマトも大量に作った。
何をのんきな。などと思われるかもしれないけど、
地震による飲食店の営業休止などで築地では
物が売れず、処分されるものも多いと聞き、
何かできないかとYかぁさんやオカズたちが声をかけてくれたのだ。
築地班、スーパー買い出し班、お昼ご飯仕込み班にそれぞれ分かれ、
私は築地班に任命される。
築地を案内してくれたのは京橋で「ラ・ボンヌ・ヌーベル」を営む
佐々木さん。鰯10kgも手配してくれた。
葉っぱの一部が黄色くなりかけたルッコラ10束近くが
「無料」と書かれて隅っこに置いてあったのでそれもみんなで持ち帰る。
ルッコラはその後美しい色のジェノベーゼになった。
市場はガシガシと作業車(ターレ)などが走り、そこで威勢よく働く人がいて、
ぴんぴんの食材がみっしり集まっていた。「生」(勢?)がそこにあった。
カモシカではお昼ご飯のおむすびもみんなで作って、
オカズともさんが作ってくれた美味しい豚汁(澄まし汁の!)と一緒に頂く。
あたたかい湯気とみんなで囲む食卓は涙がにじむほど
きれいでシアワセな景色だった。
早寝早起きをしてしっかり睡眠時間をとっているはずなのに
みんなと一緒にいる間、ずっとずっと眠かった。瞼が重くてしかたなかった。
顔を見て、話をすることができて安心したんだろうなぁ。
こんな時間と場を与えてくれたYかぁさんとオカズデザインに心からありがとうを。
今夜は深く眠れそう。

おじいちゃん

朝の日課、継続中。
今日は昼ごろにお店へ行って、
薄暗い店内で来週の営業再開に向けて準備をする。
4月に開催予定の小谷田くんの個展DMも
本来だったらすでに発送済みの予定だったけれど、
様子を見て来週明けに発送することに。
状況によってどうなるかわからないけど
ポツポツと発注もさせて頂いた。
来週にはaaltoさんのコーヒーも入荷する予定だし、cimaiさんのパンも。
福田るいさんからは器の納品も届いていて検品も済ませる。
紙袋に店名をスタンプしたり。
目の前にやることがあって、
体を動かせることのなんと有り難いことよ。
日本赤十字社へ義援金を振り込みに郵便局へ行くと、
腰の曲がったおじいちゃんがヨロヨロと入ってきた。
たぶんテレビで見たのであろう義援金の振込先を書きこんだメモ紙を握りしめて。
どうしたらいいのかもわからなくて、それでも窓口にやってきた様子。
小さな郵便局の局員さんが3~4人がかりでおじいちゃんに説明をしていて
その様子がふわっと場を和ませた。
だれもが自分に今できることを考えてるんだなぁ。
で、ご近所Yかぁさんから連絡があって晩ごはんを一緒に食べることに。
近くはないけどひとり暮らしチームのKも誘って今夜もともすけさんへ。
Iさんともそこで合流。他にも知っている顔がちらほら。昨日お会いしたYさんもまた(笑)
あぁこういう場所があって良かった。
あたたかい飲み物を飲んで体がぬくまるように
じわじわと力を、元気をもらってる。
地震があった2~3日は味覚もおかしくなっていたみたいで、
ものすごく辛いカレーを作ってしまったし、
わけわからん薄味のボヤボヤした創作炒めものも作ってしまった。
昨日ともすけさんのお料理を食べてやっと「味わう」感覚が戻ってきた気がした。
「いただきます」ってなんていい言葉なんだろう。
もうすぐ満月。
今日は春の月、おぼろ月夜。
暗い道を明るく照らしてくれていた。

キャンドルを灯す

スーパーの電池の棚がすっからかんだった。
実家は電気屋で、ひとり暮らしをするまで
電池や電球は自分で買わないといけないんだということに
気づかなかった!ことを思い出した。
実家の小さな電気屋でも電池が売り切れてしまっているらしい。
「で、ウチは電池大丈夫なの?」
と、父に聞くと笑ってた。。。
自分の家のことなんか忘れてたんだ、きっと。
はぁぁぁ・・・脱力だ。
私はこの人の娘で、私の父なんだなぁ。母も。
今朝もヨガと太極拳。このセットが日課になってきたぞ。
今夜は今日からともすけさんが営業を再開するというので
ひとりでゴハンを食べに行った。
自転車で向かったけど、
万が一何かあっても家までなら歩いて帰れる。
色々つめたリュックをしょって。
店内は最小限のライトとキャンドルの灯り。
音楽の代わりにラジオを。
メニューは電気オーブンを使わずにできるもの。と
営業にあたっても隅々まで気遣いが感じられます。
売り上げの中から一部を義援金として募金されるとのことです。
詳細はともすけさんのHPをご覧ください→こちら!お知らせのページへ
カウンターに座って、同じくお一人でいらっしゃった方と
おしゃべりをして。
そこへM社長やYさんもいらっしゃって。
美味しい食事とそのひとときをすごす場所があって本当にありがたいと
しみじみかみしめて・・・。
頑張ろう。
来週のin-kyoの営業再開に向けて準備準備!