七草粥

友人を介して知り合ったS夫妻とS さんが
はるばる三春に来てくれて、今日は3人が我が家に宿泊。
外に食べに行くのもいいけれど、外食が続くと
最近とみに身体がだるくなる。
それに加えて年末年始はついつい食べ過ぎ、飲み過ぎ。
3人も帰省を兼ねての旅の途中でやはり同じくといった様子だったので
昔の習わし通りに七草粥。
福島の野菜ではさすがにこの季節に七草を揃えるのは難しく、
大分産の七草セットに加えて、セリを多めに用意しておいた。
ただせっかくの来客に七草粥だけでは…と、
献立は
・昆布、椎茸の出汁にたっぷりの白菜と豚バラ、仕上げにセリをたっぷり入れた鍋
・レンコンのソテー
・人参と金柑、レーズンのサラダ
・白菜の三五八漬けマリネ
・塩ゆで落花生
・鍋が終わったら玄米七草粥
お粥だけで胃腸を休めて…というメニューにはならなかったけれど、
少しでも胃腸に負担がかからないものに。
そうそう。
同様に1月3日の朝昼ごはんは「三日とろろ」にちなんでとろろかけご飯に。
とろろかけご飯というと麦を入れがちですが
身体を冷やすので冬だと麦を入れずにお米だけの方が良いようです。
千葉が実家の私はこの風習を知らなかったのですが
どうやら夫君の実家では毎年3日はとろろを食べるのだそう。
無病息災といった縁起をかついでという意味もありますが、
やはりとろろを食べるのは整腸や胃の疲れを労ることや滋養のためとも
いわれ、主に北関東から東北でこの習慣があるようです。
が、福島県内でも地域というよりはお宅によってもやるやらないがあるそう。
とにかく昔の人が何気なく行っていたことや風習には
ちゃんと意味があるのですね。
七草粥の写真はないので三日とろろの写真を。
20170109-三日とろろ.JPG

友引

2017年 1月6日 友引
今日はちょっと特別な日となりました。
夜、夫君とお世話になっているご夫妻と一緒に食事。
小さな居酒屋さんで、乾杯をして。
門出とも言える日だったので「特別」と書いたけれど、
実はただただ楽しく飲んだなんてことはない時間。
でもきっと今後、何度も思い出すことがある気がする。
「大安吉日」はもちろん良いけれど、
良いことで「友を引き寄せる」友引っていい言葉だな。
これからもそうありますようにと願いを込めた日。

明日から仕事始めです。

明日6日から仕事始め。
in-kyoでは初売りや蔵前の頃には毎年必ずやっていた
お振る舞い酒もありませんが(車の運転をされる方がほとんどなので)
今年も素晴らしい作り手をご紹介する展示や
楽しいワークショップ、ライヴなどを企画予定しております。
もちろん通常営業でもご来店下さった皆様に喜んで頂ける様、
できる限り頑張ります。
皆様のご来店を本年も心よりお待ちしております。
冬期休暇中には30日に夫君の実家に行き、
義父の出身地、柳津(奥会津)の郷土料理を
義母にお願いをして教わってきました。
雪深い奥会津の郷土料理は、
保存食の知恵がたくさん盛り込まれていて興味深いものばかり。
今回は
・こづゆ(里芋・人参・きくらげ・どんこ・干し貝柱・糸こんにゃく、お麩)
・イカ人参
・鶏蕎麦(鶏ガラで出汁を取った汁で頂くお蕎麦)
・汁餅(鶏ガラ出汁のお雑煮)
20170105-こづゆ.JPG

これは野菜や椎茸、貝柱の出汁の旨味が凝縮された「こづゆ」
器もこづゆ椀という専用の漆椀
どれも滋味深い味わいでしみじみ美味しい。
けれど、何グラム、何ccのレシピは無いので、
目で見て作り方を覚えて、味と香りを舌で記憶する。
義母もそうやっておばあちゃんから教わったのだそう。
作り方はどれも簡単なのだけれど、
その家の味というものは、一朝一夕で簡単にできるものでもなく、
だからこそずっと作り続けて出来上がっていくのだろうな。
まだまだ教わりたいものがたくさん。
その後はみんなで美味しいお酒とともにごはん。
お正月の前にお正月のような夜を楽しく過ごしたひとときでした。

新年

明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
東京蔵前で、そして三春でたくさんの新しい出会いがあり、
また、実際の距離は離れていても
これまで以上に深いつながりを感じることができた
感謝の一年でもありました。
今年は今までになく新年を昨日と今日の連なりとして
心静かに迎えることができました。
穏やかに、健やかに。
そのような心持ちで暮しも仕事もより深く
ひとつひとつを味わうように大切にしていきたいと思います。
そのことが誰かの喜びにつながりますように。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2017年初日の出 千葉の利根川沿いの土手にて
20170104-2017初日の出.JPG

先日の定休日は

水曜日。
以前から約束をしてえすぺりの大河原海さん、倫子さん夫妻と
福島あんざい果樹園へ。
と、その前にオープニングパーティー以来
ご無沙汰をしてしまった「食堂ヒトト」へ
やーっと念願のランチをしに行くことができました。
お昼を少し外した時間だったけれど大盛況。
ランチの定食も無事頂くことができました。
20161224-ヒトトのランチ.JPG
台所(厨房)の空気を背中で感じつつホッとする料理たち。
えすぺりのランチもそうなんですが外食で
心置きなく美味しい野菜料理を食べられるお店って有り難い。
私たちが来るであろうことを見込んであん果樹・お父さんとお母さんは
既にランチを食べ終わったところ。笑 少し遅かったー。
色々寄りたいお店はたくさんあるものの、今日はお二人を連れて
その後はあんざい果樹園へ。
果樹のお話をお父さんから色々と伺う二人。
点と点がつながってそのつなぎ目にいて、
いつのまにかそのつなぎ目もわからなくなるように
自然と線になっていく…。そういう感じが嬉しい。
で、あんざい家の何たる懐の大きさよ。寛大さよ。
はい。
いつもの通り?晩ご飯までごちそうに。
しかも料理人でもあるえすぺりのお二人がいたらそりゃもう!ってことで
お二人に晩ご飯を作って頂くことに!
この日の晩ご飯は…
20161224-あんざい家食卓・タコの日.JPG
ちょうど晩ご飯の用意をし始めたときにあんざい家に届いた生ダコ1ぴき。
これを海くんがさばいてサッと湯通しして
・タコ刺し
・リンゴのドレッシングのサラダ(タコ入り)
・タコのスダチマリネ
・里芋の揚げ浸し
・白菜と豚バラの鍋料理(焼酎を使うのがポイントだそう)
・人参シリシリ(海くんは大学が沖縄だったそうで)
・ほうれん草のおひたし(お母さんのNEW鰹節削り使い始め記念日)
・あんざい果樹園リ・レクチェの生ハム巻き
・生落花生ごはん
と、豪華!豪華!
クリスマス前にパーティーといった食卓に。
わ、私?はこの日は洗いもの担当で。
あんざい家のこの食卓はやっぱりすごいな。
美味しいものを囲んで、しゃべって、笑って。
これまで一体何人の人たちがこの食卓を囲んだことでしょう。
仕事で後から参戦した夫君は食べる、しゃべる担当で。
この日もいい時間でした。

師走ですが

師も走る…と言われる師走ですが
例年に比べると、意味なく忙しない気分からは開放されていて
すでにどこか新年を迎えてしまったかのように心が落ち着いている。
あ、これも意味なくなんですが。
寒さが少し緩んだ今日の陽射しがそう感じさせてくれたのか。
窓の外を見ると、バスを待つおばあちゃんがベンチに両手をついて、
片足ずつ交互にアキレス腱を伸ばしている。
なんてのどかな景色。
まぁ今年一年を振り返れば、前半がものすごいスピードの中、
やることが山盛りで猛ダッシュをしていたようなものだから
それに比べればそりゃあゆるやかに感じられてあたり前か。
昨年の今頃はin-kyoの今の物件を夫君が見つけ、
色々な手続きや打ち合わせが始まった頃だった。
決まるか決まらないか未確定なことばかり。駒形のお店のことも
全てが同時進行で頭も体も忙しく、気持ちは休まることはなかった。
が、そんなときにまわりにいてくれた友人たちに本当に本当に助けてもらった。
泣いたり、弱音をはいたり。
あたたかな食事と美味しいお酒。
最後にはアハハと笑って、さて頑張るしかないか!と思わせてくれた。
そうさせてくれた仲間がいてくれたから今の自分があるのだとつくづく。
感謝しきれないものをたくさんもらっている。
お金持ちではないけれど、これは大きな財産だと思っている。
モノでは返せないのでこれはもう感謝の気持ちを忘れないでいるしかない。
と、常々思っているのだけれど、
少し早い1年のしめくくりにあらためて。
12月は走るんじゃなくて、そうやって立ち止まって
あらためて感謝をする月にこれからはしていきたい。

雪かき

先日の雪降りの日は定休日だったので
お店の雪かきをしないままお休み明けに出勤。
通りがきれいに雪かきされていたのでお隣さんに伺うと
in-kyoの前もやって下さったとのこと。
それでは次に雪が降ったら必ずや!
と、思っていた矢先から雪。
家のまわりは坂道が多いので夫君の運転も慎重。
特に陽が登り初めの朝ではまだ道が凍っている。
お店に到着して鼻息も荒く?雪かき用に準備してダイユーエイトで
購入しておいたスコップを持ち出し、軍手までしていざ雪かき!
と張り切ってやっていると、通りすがりのおじさんが
「こういうときは箒の方が早いよ〜」と言うではありませんか。
ん、そうかも。
で、箒でササササッ。
あ、確かに。
今回のは軽い雪だったんですね。
ほぅなるほど。勉強になります。
ではお隣の前も!と小さい庭箒で履いていると、
お隣りさんが
「大丈夫ですよ〜。ほら、これでやると早いですから」
って竹箒が出動。た、確かに。
竹箒、欲しい。お隣りで買わなきゃ。
冬でも雪が降ることは稀で、
降ったとしてもその年に1度か2度という土地で育った私にとって
ひとつひとつがまだまだ特別な出来事。
降り始めの雪をうっすらと纏う木々の美しさに目を奪われ、
「きれいだねぇ。きれいだねぇ」と言う私に
下り坂を慎重に運転する夫君が
「のんきでいいねぇ」と苦笑い。
そのうちそんなことを言っていられない寒さになるのかもしれないけれど
美しいものはやっぱり美しいのだ。
朝に積もった雪は午後過ぎにはきれいに溶けて
道も乾き始めた土曜の夕暮れ。
20161218-雪の足跡.JPG

積雪

積雪というほどではありませんでしたが
火曜日の夜から降り始めた雨は雪に変わったようで…
目覚めると外は一面真っ白。
どうりで部屋中が明るかったわけだ…と
布団の中で思った定休日の水曜。
乾燥が続いているからか、なんだか喉が痛いし、
体が重くて布団からなかなか出れずにうつらうつら。
三春の寒さに体がまだついてきていないのかもしれない。
もしくは、冬眠体勢??
20161217-雪景色.JPG
夕飯は夫君が味噌煮込みうどんを作ってくれた。
お、美味しいではないか!
鰹節+干し椎茸+昆布の出汁を冷蔵庫に常備。
ショウガをすりおろしたもの、青ネギを細く刻んだもの、
キノコ類を冷凍庫にストック
(習慣になりつつあるこれ、天然生活を読んだ成果です。涙)
後はその他にお豆腐や葉もの、お肉など入れたいものを入れるだけ。
お味噌も美味しいのだし、弱っているときには家族が作ってくれる
ホッとする家の味に助けられる。ありがたや。

やまざきさん一家

先週末はお米農家のやまざきさん一家が
埼玉から三春まではるばる車で遊びに(お米の納品も!)来てくれた。
この時期三春の旅館はどこも週末は満室という衝撃!
どうやら忘年会シーズンは旅館で食事と温泉と宿泊を兼ねて
宴会?しているようなのです。知らなかったー!
と、そんなこんなで(そんなことがなくても)
狭い我が家で良ければぜひにと半ば強引に(笑)
泊まってもらうことに。
だってその方が絶対楽しいし。
晩ご飯はえすぺりさんを予約していたので
どんなに飲んで食べたとしても歩いて帰れるし。
子どもたちは朝早くからたっぷり遊んで、
温泉にも入って、えすぺりさんのお料理の数々を
眠さと葛藤しながら美味しそうに味わっていた。
で、翌朝は以前にプレゼントした「福島カルタ」を起き抜けに。
これがまた福島の方言がカルタになっているすこぶる楽しいもの。
絵は沖縄の張り子作家でもある豊永盛人氏によるもので、
そもそもは郡山のギャラリー観さんが豊永さんに制作を
依頼したものなのです。
福島の方言を全く知らないはずのちほちゃん(4歳)は
すでに全部を暗記したのだとか。
ネイティブ夫君が読み上げる福島の言葉がかなり嬉しかった様子。
幼稚園ではまるで通じないようなのですが、
どうかそのまま大人になるまで暗記してくれていたらいいなぁ。
20161213-山崎一家.JPG
山崎一家は師匠たちにも会えて、デコ屋敷では橋本ひろじさんが
ひょっとこ踊りも披露して下さったとのこと。
歴史好きのカイくんは寒い中お城山へ登って三春の城跡に行けたことを
喜んでくれて、おまけにお昼ご飯は三春の里で2日続けて生ラムジンギスカンも堪能!
一緒におつきあいできなかったというのに、三春の町を十分満喫されたようで、
まだまだ私自身が三春のことを知らないというのになんだかとっても嬉しかった。

まだ続きがあって

秋田のお話にはまだ続きがあって…
火曜日の閉店後、三春のとある集まりに夫君とともにお声をかけて頂いて
参加させて頂くことに。
この日は三春の歴史についてお話をじっくり伺った後、
食事をしながらの懇親会。
学生の頃は「歴史はとにかく暗記」と思っていたくらいの苦手科目。
でも最近は土地との関わりを知る上で重要なものだと思って
ようやく興味がわいてきました。
この日にお話をして下さった先生の解説にはドラマがあり、
また身近なお寺や地名が出て来るのでなおさら面白い。
そこで名前が出たのが江戸時代の三春藩主「秋田公」
ひやぁ!ここにつながっていたのか…なんて話を聞きながらひとりごち。
懇親会は異業種、そして年齢もバラバラな方々が集まった会で
緊張しながらもなんだかとっても面白い時間でした。
自分なりに…だけでなく、人と関わりながら少しずつ少しずつ町を知っていく。
こんな機会もなかなか無いんじゃないかなと思うと
お声をかけて頂いて本当に有り難かったです。
先生が懇親会のときにお話をされていた中で
「自分にとっての大事な場所は、
生まれ育った土地だけなのではなく、縁あって関わりをもった土地から
生まれるもの(言葉では上手く言えませんが)もあると思うのです」と。
それはアイデンティティーのようなものなのかな?
そうかもしれない。ひとつの土地だけでなく、
土地だけなのでもなく、そこで暮らす人や自然、
歴史などとの関わりもきっと大きく…。
それにしても秋田。
気になりますな。