気持ちがいい理由は

前川秀樹さんのクレーンランプの取り付け位置を確認するため
夕方in-kyoへ。
20160328-前川さんクレーンライト.jpg
店内の工事をしている間、
フローリングのカバーをする為に床に
養生シートが貼られていたのですが、
今日お店に行ってみるとそれが剥がされ、
きれいなフローリングがお出迎え。
蔵前のお店で使っていた電球が点され、久しぶりに再会した
クレーンランプも設置。
床にはLaVidaのスタッフの方々自ら手作業で
オイルフィニッシュをして下さるとのこと!
壁は漆喰、床はニレの無垢材。
仕上げに使うオイルも天然素材のもの。
新しい匂いは感じるものの、気持ちがいいのは
自然の素材を使っていることと、すでにたくさんの人の手がかけられ、
大切に作られている空間だからなのでしょう。
LaVidaさんのホームページでも工事の様子が細かく
紹介されているのでぜひご覧下さい。
ここに至るまで本当に多くの方々にお世話になっています。
リレーのバトンを手渡された気持ちです。
4月に入ったら什器の設置や商品の設置がスタート。
オープンは桜の開花?満開?の頃と重なりそうです。

山形へ

今日は福島駅であんざい果樹園のお母さんと
小池さんと待ち合わせをして山形にOpenした
「toki no niwa」さんへ連れて行って頂くことに。
最寄りと言っていいのかな?笑
自宅からJRの磐越東線三春駅までいったいどのくらい
かかるのか歩いてみることに。
自宅周辺を知るにも歩いてみるのが一番手っ取り早いし。
地図を見ていたのでだいたいかかる時間は予想していた。
けれども上り坂や下り坂、見える景色や光、風…etcは実際に体感してみないと。
Googleマップやストリートビューでわかることは
多くて便利だけれど、わからないことも多い。
テンポ良く歩いて40分!いい運動。
途中おまんじゅう屋さんに寄り道したからもう少し早く着くかな。
この町にはお寺がたくさんあるので(って言い切るのもおかしいけれど)
おまんじゅう屋さんが3軒くらいあるのです。
乗る予定の電車に余裕で間に合い、
駅のホームで電車を待っていると、思いのほか人が多かった。
そうか春休みなんですね。
2両電車は混んでいたけれど、目の前に座っていた子どもたちが
外の景色を見ながら「線路は続くよどこまでも」を歌っていて
のどかな気分で郡山駅に到着。そして電車を乗り換え福島駅まで。
車を運転する方々にこの行程を話すと一様に驚かれる。
でも案外やってみると新鮮ですよ。
「toki no niwa」さんは以前も山形でshopをされていたんですが、
移転&リニューアルで、今後はイベント開催のときのみopenされるそう。
お店が始まったらタイミングを合わせるのも難しいかも…と思っていたので
行くことができて良かった。
真っ白くて天井が高くて。真空管アンプのスピーカーから流れる音は
体をやさしく包み込むようにやわらか。本当に心地よい空間です。
オープニングイベントは「手紙社」さん。
久しぶりにお会いする面々、先日お会いしたばかりのHさん、
そしてair room productsのカモさんにバッタリ!
会う人にはこうして場所を問わず会えるんだなとあらためて。
オーナーのはらっぱさんのご自宅にもちょこっとお邪魔させて頂きましたが
そこから見える山々の景色も素晴らしかった。
歩いたり、電車に乗ったり、車に乗ったり。
今日は大移動の一日だったけれど、
自然の美しさを目にしていたお陰で心地よい疲れ。
さすがに帰りは郡山駅までお迎えに来てもらったけれど。

飽きずに見上げて

晴れの日が続いている。
20160326-空と雲.jpg
かと思ったら今日は昼間に小雪が舞い始めた。
積もるほどではないにしても、
もうすぐ4月だというのに、まだまだこんな日もあるのだな。
夕方にはきれいな夕焼け雲が空に広がって、
寒いのについベランダへ出て見とれるように眺めていた。
家の窓からは見えないのが残念だけれど、少し歩けば
遠くに安達太良山の姿も見える。
山がほとんどない千葉県出身者には新鮮な景色。
そして昨夜は満月。
今日も月明かりが眩しいほど輝いている。
夜は夜で飽きずに空を見上げてしまう。

ようこそ

日中はお役所関係に届け出やら何やら諸々。
夫君が美容室に行くことになっていたので
その間、ペーパードライバーは近くの喫茶店で
お昼ゴハンを食べながら待つことに。
老舗なのかな?なかなか落ち着く喫茶店。
カレーを注文すると、なんとお味噌汁がついてきた!
これ、普通なのかしら?
大根と里芋のお味噌汁美味しかったです。
そして夕方からははじめてお会いする方ばかりだったのですが
夫君のつながりでホームパーティーに
お招き頂きました。
素敵なお宅でみなさんそれぞれお子さんもご一緒で
和やかで楽しい会でした。
そして手料理の数々!美味しかった〜。
お酒は地元仁井田本家の日本酒。
これがまた食事と合って美味美味。
本当にごちそうさまでした。
20160326-ようこそケーキ.JPG

最後にはこんなケーキまで用意して下さって。
この日小学校の卒業式だったという息子さんには
卒業おめでとうケーキも用意されていて、
とってもあたたかな集まりに
ご一緒させて頂いて嬉しかったです。

工事は着々と

in-kyoの内装工事も佳境に入ってます。
今日は電気工事の方が作業をしているところへ
ちょこっとお邪魔しました。
20160322-IMG_4054 のコピー.jpg
20160322-木枠窓.jpeg
木枠のガラスは飾りなどではなく、
断熱のための二重サッシの役割があるのです。
柔らかい光が射し込み、まだ工事をしている状況だというのに
店内に入るとホッと落ち着く。
扉には蔵前からやってきたイサドさんの取っ手も取り付けられました。

20160322-イサドさん取っ手.jpeg
ここにまたあの器やこの器。
そして道具やお米、コーヒーや紅茶、
ジャムや調味料、パンケーキミックス…etcが
使い慣れた什器に並ぶ様子が簡単に目に浮かぶ。
器に盛りつける料理がイメージできるのと一緒。
ワクワクと緊張が入り交じる。
週末には工事も終わり、来週には引き渡しで
いよいよ開店へ向けての準備が始まります。
この短い期間で引越を3回、いや、5回くらいやっている状況。笑
でもこれが最終ラウンド。
移転openは4/15(金)です。
どうぞ引越後の我が家?in-kyoへ遊びにいらして下さい。

春分を迎えて

引越荷物も片付き、部屋から段ボールの山が消えて
馴染んだ器や調理道具、こまごまとした雑貨や本などなど。
見知った顔に再会した気分で、
ようやく落ち着きを取り戻して来た春分の朝。
コーヒーをいれてホッとひと息。
今日は郡山市美術館で行われている
「ルーシー・リー展」へ。
最終日にセーフ!
20160322-IMG_4048.JPG
千葉市美術館で行われていた際は行かれなかったので
ギリギリ間に合って本当に嬉しい。
ルーシー・リーは、器が素敵なのはもちろんのこと、
本人の生き方、ものづくりの姿勢にとても惹かれます。
なんたって80代でも現役だったなんて素晴らしい。
そして服装のセンスもいつもキリリとしていて素敵。
白シャツの第一ボタンまで止めてあんなに似合う人って
あんまりいないんじゃないかなぁ。
細めのひものエプロンとの相性も絶妙。
展示会場の言葉に
「一般の人たちにとって陶器の形態やデザインは、
あまり変化のないものだ。
しかし、陶器を愛する人にとっては尽きることのない感動である。
それは衝撃的ではなく、ただ静謐で偉大である。」と。
衝撃ではなく静謐という感動。
衝撃の感動もたまには必要だけれど、
脈々と静かに穏やかにつむがれていくものがあることを大切にする。
そのことを思いながら器を見直していたらうっかり涙が出そうになった。
ペーパードライバーは美術館までの交通のアクセスに
右往左往してしまったけれど、
それを含めても観に行けて良かった。
タクシーの運転手さんに桜の見所やお寺、温泉のお話も
教えて頂いた。
昼と夜の長さが同じ日。
0(ゼロ)からまた一歩。

2トントラックに乗って

♪花嫁は〜夜汽車に乗って〜
お嫁にゆ〜くの〜♪
って、夜汽車ではなく、2トントラックに乗って
自宅の荷物と共に昨日千葉の実家から福島県の三春町へと
無事引越を終えました。
お店の物件はものすごいスピードですぐに決まったのに
自宅が決まるまでは二転三転。
最終的には移住者の家賃補助の適応もある定住促進住宅(団地)に決定。
ただしエレベーター無しの3階です。
今回も業者の方にお願いをせずに
夫くんが運転する2トントラックでの引越。
重い荷物の運び込みを3階まで…
それを二人でやったら何往復になるのだろう???
と想像するだけで途方にくれてしまい、
急遽、PLAY TIME CAFEの丹治さんと
あんざい果樹園を通して知り合った小池さんに引越ヘルプを依頼。
本当に本当にやさしいお二人は快く引き受けてくれて
想像以上に作業が早く終了し、その上丹治さんがいれてくれた
コーヒーを飲むこともできて、爽快な気分。
晩ご飯は引越を蕎麦を三春の「たむら屋」さんで。
そして汗をかいて酷使した体を癒すべく
「若松屋旅館」の立ち寄り湯で温泉へ。
こうやって少しずつ誰かが来たら案内できるところを
増やしていこう。
少し熱めのお湯のお陰で一日の疲れも汗と一緒に流されたようだった。
とにかくお二人には感謝感謝でした。
そんなPLAY TIME CAFEの丹治さんは今週の土曜19日に
月に一度の出張カフェ@cafe in CAVE(あんざい果樹園内)を
行うそうです。(12:00−18:00)
あん果樹お父さん、お母さんにも引越の挨拶を、そして
小池さんもCAFEのお手伝いをするとのことなので
私も午後から遊びに行こうっと。
ペーパードライバーなのでバスと電車を駆使して。

雨降りの月曜日

早起きをして今日は逗子&鎌倉方面へ。
寒いし雨脚は弱まるどころか強くなる一方だったけれど、
出かけて良かった。
お世話になった方、会いたい友人、行きたい場所、
飲みたいコーヒー。。。
全員には会えなかったけれど、鎌倉界隈は
昔からあつきあいのある会いたい人がたくさんいる。
海には縁がないのになぜだろう?
でも永井宏さんをはじめ、
ここで会った方々との出会いがなければ
今の私はないだろうなと。
ほんと、大袈裟ではなく。
close前に行った岡安圭子さんの朗読会では
永井宏さんの著書「モンフィーユ」(アノニマ・スタジオ)の散文の朗読を
岡安さんにお願いしました。
永井さんの展示はin-kyoの企画展でいつかいつかと
思っていたのですが、ようやくかたちにすることができました。
日常の中で目にする風景、季節の移ろい、光、
自分の中に巻き起こるつむじ風のようなザワザワとしたもの…etc
「モンフィーユ」はもうどれだけ読み返したことだろう?
何度読んでも違う印象を受ける言葉があったり、
やはり同じところでジンと心をほぐすものもあったり。
目の前の出来事を自然に受け流しているようで
一瞬一瞬を大切にすくい上げるような永井さんの言葉の数々。
これらをどうしてもin-kyoでかたちにしておきたかった。
朗読家の岡安さんはいつになく緊張していたと伺ったのは
イベントを終えてずいぶんと経ってからのこと。
とてもとても素敵な朗読の時間でした。
本当にありがとうございました。
ひとつひとつの長さもリズムも、まるで違う永井さんの文章。
それはリアルな日々の営みの描写のようにも思えたり。
つい先日、東京ステーションギャラリーで行われている
ジョルジョ・モランディの展示を観に行って、
近いものを感じたように思いました。
ものごとを深く見つめ、本質に触れることで、真髄を知る。
一字一句正確ではありませんがそのような言葉が展示で掲げられていました。
何度も何度も配置を換え、光と影の変化、
はたまた埃の積もり方の具合でモノの見え方の違いまで見つめて。
モランディの視点はモノに対して「愛おしい」ということで
描いているというのとは違うし、到底同じレベルで語るものではないのだけれど、
私は文章を書くことやモノの選び方、扱い方を
「愛おしいもの」に対してじくじくと飽きずに
日々見つめ続けることで本質に触れられたら。
永井さんの文章が今の私にそう語りかけてくれる。

うっかりのお陰で

毎月一度のペースでここ数年通っている神楽坂にある整体。
予約の日だと思って電車に乗って、
手帳を開いたところで今日ではなく月曜日だったことが判明…
神楽坂ではちょうど11日から始まった
「omotoの身のまわり展」も行われていて(15日まで)、
その後は急なお誘いにも関わらず、時間をつくってくれた
内田真美さんと会う約束も。
予定をキュキューッと詰め込んでしまったと思ったけれど、
うっかりのお陰で真美さんとも店頭で立ち話などではなく、
ゆっくりお茶をしながらお話ができて良かった。。。
年齢は私の方が上ですが、いつも姉のようでいてくれる。
つくづく愛情深い人ですよ。真美さん。おうこちゃんもありがとう。
夜にはまたまた蔵前に立ち寄ってカワウソへ。
家族のような繋がりを感じさせてくれる友人たちがいる。
実際の距離は少し離れてしまうけれど、これからも。
どうぞよろしく。

まよいながら、ゆれながら

16日に福島へ引越をするまでの間、
千葉の実家におります。
テレビの無い生活から一転。
実家でテレビ漬けの日々。
3.11の今日はNHKでは朝から震災関連の番組が続く。
区切りなどでは決してない5年という月日の中で
環境も人の関係も、考え方も
変わっていくこと、変わらないことが
複雑に入り組んでいる。
答えなど簡単には出ないことも多いし、
それはそれぞれが置かれた立場で違ってくる。
「まよいながら、ゆれながら」(ミルブックス)という本を
2013年に出版しました。(写真は馬場わかなさん)
in-kyoの店頭でも販売していたのですが、
出版して1年以上が過ぎた頃、20代前半と思われる女性が
レジでお会計の際にレジ脇に置かれたこの本を見て
「いつかこの本を読みたいと思っているんです。でも私にはまだ時間が
必要で。でもいつか必ず読みますから」
そう言って下さったお客様がいらっしゃいました。
詳しいことは伺わなかったのですが、
その女性はご実家が被災に遭われたそうです。
黙って帰ることもできたでしょうに、そのことを
口にすることすら勇気の要ることでしたでしょうに、
直接伝えて下さったことに
文章を書いた立場として強く支えられています。
彼女は本を手にしているでしょうか。
自分の足下を見つめてみること。
手の中にあるささやかな幸せに気持ちを向けて
感謝すること。夫くんにも目一杯のありがとうを。
そして災害によって亡くなった方々のご冥福を祈りながら
今日は静かに過ごしたいと思います。