福島県は広い。
三春へ引越をして来て1年になるが、県内どころか
三春町内もまだまだ土地勘が働かない場所があるというのに
町外のことはなおさら。
先週は夫君の知人で「一歩己」という日本酒が人気の豊国酒造の蔵元、
そして同じく町内の山で林業に携わる方々を訊ねて古殿町まで足を伸ばした。
どの町にもそれぞれの顔というものがあり、
ただサッと訪れただけではもちろん把握などできないけれど、
古殿町は風情のある落ち着いた町だった。
ちょうど三春でも雪が降った日で、
思いがけず雪山に案内して頂いた。
シンと静かで空気も水も澄んでいる。それは酒蔵の中も同様に。
神が宿るというのか。神聖な場所。
自分たちだけではきっと訪れることの
なかった場所にまた縁が広がった。
帰りは母畑温泉へ。
温泉でご一緒になったお母さん方が三春から来たと言うと、
一生懸命帰りの道を教えてくれた。
「ウチの前を通ってずーっとまっすぐ、空港の方へ走って…」
早口でたくさん話しかけられていたので「はい。はい」と返事をするのが精一杯。
しかも話を聞いている間、熱ーいお湯にずっと浸かっていなければならず、
のぼせてしまいそうだった。
で、その「ウチ」は一体どこなんだろう?とはもはや聞けずじまい。
(聞いたらさらに長引いていたので良いのだけれど)
そして先日は会津の芦ノ牧温泉へ。
こちらもはじめて訪れた場所。
義父母が以前に行った温泉旅館がとっても良かったから
一緒に行こうと誘ってくれたのだ。
夕方まだ明るいうちに川の流れを眼下に見ながら温泉に入り、
よく食べ、よく飲み、よく笑い、そして夜になって降り出した
雪を眺めながらのまた温泉。
これを延々と続けたら日常になど戻れなくなってしまいそうだけど、
夢でも見ていたみたいにほんのひとときでもそんな時間を過ごすのも
たまにはいいのでは?お陰で頭の中までゆるゆるとゆるんだ。
帰りには「塔のへつり」や「大内宿」などの観光地も。
自分たちだけではなんとなく過ごしてしまう休日が
思いがけない小旅行に。義父母に感謝。
福島は広い!