藤野に住む作家さんを紹介していただくためにS夫妻と藤野へ向かう。S夫妻とは藤野の駅で待ち合わせをしていたけれど、中央線の中で私が乗っていた車両に二人が乗り込んできた。しかもS君は片手に太鼓を持って。面白いなぁ。でも中央線には不思議と似合う感じ。藤野は新宿から約1時間ほどなのに、緑がぐっと深く空も広い。相模湖の駅が隣りというのもすっかり旅気分。私の自宅も緑は多いけれど、種類はまた違ってずいぶんと気分転換にもなる。
紹介して頂いた柴代直樹さんは薪窯で器をつくる作家さん。自分で作ったという薪窯も見せて頂いて、デジカメを持っていたというのにぼんやりしていて写真を撮るのを忘れてしまっていた。なんだろ?美味しい食事を食べてしまってから写真を撮り忘れたことを気づくときにも似た感じ。いい意味でポカーンとしてしまったのだ。焼き締めの器はどっしりしていて力強くてお酒の場にあったらいい感じ。仕入れ用に好きな器を選んでいたら
「僕の器はおじさん好みなんですよ」って。はい、おじさんなんですよ、私。味が深く沁みこんだ煮物を盛り付けたいなぁ。ちょっと大きめの飯碗にはピカピカの白米を盛って大きな手をした男の人に使って欲しいなぁ。やっぱり色々とイメージが沸く器が好きなんだな、おじさんは。
お茶とともに頂いた羊羹を盛り付けたのは、それも柴代さんが作る銀彩の鉢。気負い無く普段づかいの銀彩の姿がまたいい。とりあえず工房にあるものから器を選んで納品をお願いした。年末には薪窯の窯焼きがあるらしい。お手伝いをすればもれなく?消防服が着られるらしいから行こうかな。約1週間、火の世話をしながら器が焼き上がる様子はいつかこの目で見てみたいと思っているけれど。興味のアンテナがぐるぐる動いていて、本当にこの日は写真どころではなかった。と、思ったらデジカメを柴代さん宅に置き忘れてきてしまった。しかも三鷹の「ハルピン」で夕飯に餃子を食べながら、その後合流した友人に興奮気味に話をして画像を見せようとするまで気づかなかったのだ。ホントお気楽。後日器とともにきちんと梱包されたデジカメは戻ってきたのだけれど。