宮下智吉さんの展示も本日が最終日。
と、開店前に日記を書き出したものの書き終わらず、
ただ今閉店後のPM8:50。
6日間の展示も本日で終了致しました。
期間中お越しの皆さま本当にありがとうございました。
じっくりゆっくり見て、手にとって悩んで、
でも購入するのはまだ迷って…
店主が言うのもなんですが、それでもいいと思っています。
今の自分の暮らしにフィットするイメージが
わかないのであれば、たとえいい器だとわかっていても
使う出番がなくなってしまうと思うのです。
いいなと思って、いつか必ず欲しいなとか使いたいな。
そう思って頂けるものがここにあると実感できただけでも
つくり手や伝える立場の私としてもこれからの励みとなるのですから。
とても有難いことです。
それぐらいの速度がちょうどいいような気もします。
前のお店の場所のときから展示を行って頂きましたが、
その頃からずっと変わらず宮下くんは展示の設営の前に
自らその空間を清めるように掃除をしてから設営の作業に入ります。
それは汚れているからとかではなく
気持ちひとつから大切にしているというのか。
今回も昼から始まった設営作業はまずは掃除から。
掃き掃除から始まって、窓拭きまで。
私も一応毎日掃除をしているのですが、
私がやったからやらないとかそういうのではないのです。
場所を整えて、そこで初めて仕事に入ることができる。
たぶん普段の制作と一緒なのでしょう。
営業を終えてからは閉店後にひと通り器を拭いて、
店内を箒で掃いて一日を終える。
クタクタになっても毎日が実に気持ちよく過ぎていきました。
見習いたいところがたくさんです。
漆と聞くとそれだけで扱いに手間のかかる難しい素材と
思われがちですが、ほんの少し気をつけてあげれば
こんなにも扱いやすく魅力のあるものなのかと思わされます。
よく「木は家具や器になっても呼吸をし続けている」と言われますが、
漆も同様。
さらに「漆は成長し続けている」と宮下さんは話してくれました。
使い続けることで磨かれて艶が増し、強くなっていく。
下地となっている木を漆という自然の素材で守っているというのか。
「日々の暮らしの中で、月日をともに積み重ねたくなるような…」
in-kyoの立ち上げのときにまず考えたことです。
2015年のしめくくりとなった今回の展示は、
初心に立ち返るいいきっかけとなりました。
宮下智吉さん、奥さまの明日香さん、
DMのモデルとなってくれたさなえちゃん。
本当に本当にありがとうございました。