漆継教室の日

月に一度、in-kyoの定休日を使って、漆継教室を行っています。
先生は櫛谷明日香さん。ご主人は漆作家の宮下智吉さん。
ご夫婦で漆のお仕事をされています。
使う漆も彼らの作る器同様に、100%天然の漆を使っています。
ちなみに!
お教室については度々お問い合わせを頂くのですが、
現在行っている教室は定員がいっぱいで、
次回の募集は来年の3月からのお教室になります。
私も参加できる範囲でみなさんと一緒に作業をしています。
漆を塗っては削り…といった作業を何度も重ねていきます。
進んでいるようでなかなかグングンとは進んでいかない。
少し失敗したなと思ったら、また前の工程に戻ってやり直せばいい。
決して焦らずゆっくりと丁寧に。
いつもバタバタと焦っていることが多いからか、
なんともこのペースが心地いい。
無になれて、ずいぶんと頭が休まる気がするのです。
地道に進めてきた作業も終わりが近づくと少しさみしくもなったりして。
ポチっと欠けたチップも、派手にパカンと割れたカップも
生まれ変わった器はより愛おしく、
今までよりも少し表情が豊かになっている。
と思うほど愛着がわくのです。
ただ早く直すことだけを優先したら、
他にも方法はたくさんあるし、100%天然の漆を
使わなくても、もっと便利で扱いやすい素材はいくらでもあります。
でも早さと便利さを優先するのではなく、
もっともっと大事だなって思う部分が他にあるから
私はそれを優先したい。
単純に扱っていて気持ちがいいというのもある。
こう思えるのも宮下夫妻に出会ったお陰。
その向こうには漆に携わる仕事をしている人たちがいて、
日本にも昔からある職業や文化、自然を守ることにも
つながるんじゃないかということを
自分の手元からイメージしたいなと。
今日も赤ちゃん(宮下家のさなえちゃん)パワーに癒された。
どこまでも健やかなさなえちゃん。
教室の空気が一日まろやかだった。