涙壺

昨日、お店をお休みさせて頂いたのは大事なふたりの結婚式に出席するためでした。ご来店を予定されていたお客さまにはわたくしごとで申し訳ありませんでした。
結婚をしたふたりとは昨年の「もみじ市」がきっかけで知り合って、まだ1年半ほどしか経っていない。けれど、関係というものは時間だけがつくるものではないということをしみじみと感じさせてくれるおふたりなのだ。
昨日のパーティーは会場全体、そこら中にシアワセな空気が満ち満ちていて何度も涙が出そうになった。いえ、泣いてました。あの場にいたみんなが家族っぽかった。
涙といえば、小谷田潤氏が作った「涙壺」が引き出物に。昔、戦地に赴く夫を思い、妻が流す涙をためる為に使われていたという涙壺。ただし小谷田君が作った「涙壺」は、悲しい涙ではなく、嬉しい涙をためるためという思いが込められている。ロマンチストな新郎K氏にぴったりなエピソードだ。
nullそしてアノダッテのジャムも。
私のはきれいな色をした白寿南瓜のジャム。
手書き文字がまたニクい。
ほかにもたくさん。とにかくみんなの祝福する思いがたくさんつまったとても素敵な時間だった。
幸せ袋というものがあったらきっとぱんぱん。

林檎バブル

リンゴの季節。
ありがたいことにいろんなところからリンゴを頂いて、今アノニマ・スタジオのキッチンには香りの高い真っ赤な林檎が並んでいます。リンゴ1個で医者いらず。
というわけでここのところのおやつはリンゴ。
一昨日は南さんがリンゴのコンポートを作ってくれて、一番お腹が空く閉店後にみんなでむしゃむしゃシャリシャリ。
昨日は遊びに来てくれた内田真美さんがパンケーキを焼いてくれた。何たる贅沢。生のリンゴが入っているのにまるで一度火を通したかのようにしっとり。生地はむっちり。ハチミツやリンゴのジャムをつけながらペロリと3枚も食べてしまった。
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内田さんの新刊「洋風料理私のルール」は本当に素敵な本なので
一度ぜひ手にとってみてください!
内田さんとは一緒に外へゴハンを食べに行ったり、お家でご馳走になったり持ち寄りの会をしたりなど、普段「食」を共にすることが非常に多いのですが、「食べものに対してこんな風に考えていたのかぁ!」と身近にいながらこの本を見て驚き&感心させられることがいっぱいあります。写真も装丁も美しい1冊。
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そして今日はまたもや南さんが長尾智子さんのレシピをもとに焼きリンゴを。
これ全部私が食べたんじゃないですよ。アノニマ・スタジオのスタッフみなさんの分です!
並んだリンゴたち。なんてかわいらしいんだろう。
閉店後のおやつ。7時じゃおやつって言わないか。

曲木のお弁当箱

お店に置いているものの中で、自分でも欲しいと思っているもの、使ってみたいと思っているものが実は何点かある。あ、もとい。何点もある。
その中でもエフスタイルが扱っている
「足立茂久商店の曲木のお弁当箱」は特に欲しかったもの。
自宅で仕事をしているときはお弁当箱が必要なかったから持っていなかったのだけれど、
これを機にお弁当生活をスタート。 お弁当箱があるからお弁当を作る・・・不純なようだけれどそう思わせてしまう道具の力はやっぱり偉大だ。
ちなみにアノニマ南さんも購入!
20071114-お弁当とお菓子 003.jpg↑これは昨日の。
中身はというとほんと、お恥ずかしながらの手抜きおかずなんだけれど、入れ物が良いとそれなりの顔をして見えるような気も・・・。杉の良い香りがご飯を美味しくしてくれるし、木地が呼吸しているから食べ物の水分を適度に保ってくれる。
20071114-お弁当とお菓子 006.jpg↑これは今日の。
カメラマンの高橋京子さんから頂いた不室屋のお吸い物が大変重宝してます。
食べ終わったら洗って軽く拭いて乾かしておけば、帰る頃にはすっかり乾いている。
入れ物に見合うように頑張ってお弁当作ろうっと♪

猫社長

蔵前という町は、浅草橋と合羽橋に挟まれるような位置にあたる場所。その両方へはちょくちょく訪れていたというのに蔵前自体はここでお店を始めることになるまでは馴染みが無い土地だった。
それが何があるというのでもないのに不思議と居心地がいい。
先日、開店前に扉を開けて掃除をしていると、ナカムラユキさんの展示に惹かれてヤクルトおばさんが入ってきてしばしおしゃべり。30年間もヤクルトおばさんを続けているという(すごい!)そのおば様はその前は近くで帽子屋さんを営んでいたとか。この気楽な下町っぽさがいいのかな。
近くには梅干の天ぷらが美味しいお蕎麦屋さんや、ぷっくりした猫のいるレジスター屋さん。お話すると面白い人が多い。ずっとその町に住んでいる人から話が聞けるのは新参者として貴重なこと。20071112-猫社長 001.jpg

ガラス越しなので画像がクリアではありませんが・・・。
そういえば浅草橋の駅では貸し自転車があるそうです。
自転車があると土地が平らなのでかなりの距離を楽に
移動ができて楽しいですよ。
本格的な寒さの前にサイクリングというのもいかがでしょ?

気まぐれ喫茶

今日からアノニマの展示スペースではナカムラユキさんの新刊本の展示が行われている。懐かしい文具の数々。見ているだけでワクワクします。明日はガリ版のワークショップもあるとか(予約は終了したそうです)。
自分が参加するわけではないのだけど「ガリ版」の響きが懐かしくてとても楽しみ。
お店が始まって早くも1週間が過ぎた。
毎朝開店前に窓を開けて空気を入れ替え、掃除をして準備をする。いつも南さんがお茶を入れてくれてひと息ついてからOPEN。このほんのひとときは案外と大事だ。
20071110-猫社長&コーヒー 002.jpg
今朝は私がカフェオレを。
蔵前には月曜日と木曜日に、美味しい北海道牛乳を積んだトラックが軽快な音楽とともにやってくる。しかもPM8時に。美味しいと聞いたら飲んでみたいと思うのが人情?というもの。昨夜は音楽が聞こえてきたらいそいそと買いに出かけてみた。
おじさんがトラックの後ろの扉を開くと、トラックの天井まで牛乳やらヨーグルトなどが積まれた魅惑の冷蔵庫が姿を現した。パックの牛乳は1.0ℓ。さすがにその量は飲めない。「もう少し少ない量のものを・・・」と聞いて、おじさんが出してくれたのは低温殺菌の牛乳。
これが温めても牛乳臭くなくまろやかで美味しかった。
豆はもちろんのこと牛乳でずいぶんと味が変わる。カフェオレの出来上がり。ユキさんやちょうど打ち合わせでいらっしゃった方々にもお出しすることができた。
画像は以前に撮った紙パックのバージョン。20071110-オープン前 006.jpg
本当はちょっと飲み物が出せるようにしたいなということは、お店を始めることを決めたときからずっと考えているのです。扱っている器と同じものや似たタイプのもので使い心地を味わって頂きたくて。
口当たりや、熱い飲み物をいれたときの感覚とか飲み物と器の色みの相性などは、頭で考えているよりも実際目で見たほうがわかりやすいと思うので。
でも今はまだあわわ、あわわとした毎日で・・・。
いつからとはっきりお約束はできませんが、もう少し落ち着いてからいつか必ず。
気まぐれ喫茶が始まるまでもう少々お待ちを。

美味しいものがやってくる。

江戸通りの銀杏並木はまだほとんどが黄緑色なのに、
隅田川から吹く風はずいぶんと冷たくなってきた。
最近、朝の鼻歌はマッキーの「冬がはじまるよ」が定番になりつつある。
in-kyoのお店番の日。
アノニマ・スタジオはキッチンが完備されているから
無性に何かが作りたくなる。
と思いながらもお昼はそんなに時間は無いので
パパっと1品温かいものを。
そう思って月曜日は家からスープの具剤だけタッパーにつめて持っていった。それとおむすび。
ひとつはすったショウガを混ぜただけの塩むすび。
実はこれ、土曜日の冬じたく展でムラタさんが出していたおむすびの真似っこ。ムラタさんのは下茹でした豆をゴハンと一緒に炊いた豆ゴハンにショウガを混ぜたものだったけれど。美味しかったから忘れないうちに作っておこうと思って。もうひとつは青唐辛子味噌入り。
頂いた洋ナシをデザートに。
20071108-昼ごはん11月5日 001.jpg
火曜日は長崎のHさんからの頂き物で、クール宅急便で届いた長崎ちゃんぽん。
これは麺と具とスープが一緒に冷凍してあって、水を加えて煮立てて麺がほぐれたら出来上がり。さつまあげやらかまぼこ、あさり、きゃべつなどなど具だくさんでとても美味しい。器がちょうど良いのが無くて山盛りになってしまったのだけど・・・。
20071108-昼ごはん11月5日 002.jpg
アノニマ・スタジオには毎日のように
美味しいものが集まってきておやつも充実している。
嬉しいけれどあっという間に体重が増えそうでキケン。
ペットボトルでなく、沸かし立てのお湯でお茶も飲める。
ただそれだけのことなのにホッとする。「火」の力かな。
体を芯の方からちゃんと温めてくれる気がする。

休日

昨日はshop初めての土曜日&アノニマ移転後初イベントの日。
「冬じたく展」にいらっしゃったお客様が開店前から入口に並んでいて、オープンと同時にフロア全体がワイワイと賑やかになる。私もお昼ごはんを確保?してお店を開店。
イベントが行われたお陰で昨日もたくさんのお客様にお越し頂きました。中には2度目、3度目のお客様もちらほら嬉しい限り。器を大事そうに手にとって悩んで選んで下さった方、銀のポットを結婚記念日に購入して下さった方。あぁきっと大切に使って頂けるんだろうなぁと思うと娘を嫁に出した親?としてもとてもシアワセ。
閉店後は冬じたく展主催チームとヘルプチーム(またもや沼津・halの後藤さん!内田真美さん!)たちと近くの居酒屋さんへ。しめに鰻重が食べられる美味しいお店。
あまり気がついていなかったけど、相当お腹が空いていたようで、かなりの量をしかも短時間で食べてしまった。福井の日本酒(あぁ名前が思い出せない)もサラサラと呑み口が良くてキケンだったし、内輪の飲みのひとときは、緊張の糸をやっとほぐすことができたようで、とにかく笑い転げて楽しい会だった。
音が鳴るものの電源をいっさい切って、今日は起きたいときに起きるようにした。起きたら夕方だったりして…。なんて思っていたのに目覚めたらAM11:30。案外普通のような気もしたけれど、10時間は寝ている。自然に目覚めても不思議はないか。
益子にも中目の展覧会も、本当は行きたかったけれどどちらも断念して大人しく過ごすことにする。
20071104-昼ごはん11月4日 001.jpg
お昼ごはんは鮭を焼いたのと、ごはんとおみおつけ。それと柴代くんにもらった肉厚のシイタケや冷蔵庫にあったオクラやトマトを網で焼いたもの。ただ焼いただけなのになんて美味しいんだろ。シイタケは家で採れたものって言っていたけどすごいなぁ。旨味がつまったジューシーなシイタケだった。

ごはん、ごはん。

昨夜はちょっと早く帰ることができた。そう思うと欲張って色々やりたくなってしまう。で、部屋の片づけを始めたりゴタゴタと余計なことをやっていたら結局深夜。あぁなんて貧乏性なんだろ。えぇい!今日は余計なことは絶対しないぞと決めて、家に帰っても見ないフリ。気がつかないフリ。そうすることもときには重要だ。
今朝の朝食はオープンの手土産に頂いたパンに、以前作ったセミドライトマトとほうれん草に塩コショウ。トマトが良かったからか、このドライトマトの美味しいこと。スープに入れたり重宝していたけれど、もうすぐ無くなってしまう・・・。あぁもっとたくさん作っておくんだった。
20071103-朝ごはん11月2日 002.jpgお昼は井藤さんに頂いたおやきを蒸したのと色々残り。
温かい食べものを気持ちの良い空間で頂くと、消化にも良さそう。そういえばここのところずっと考え事をしながらゴハンを食べていた。食事をしているときはやはり食べ物そのもののことを考えている方が何となく良い気がする。
動物的に食べものに向き合ってそのものの味を味わっていると、味の輪郭をくっきり感じるというのかな。これからお昼はなるべくお弁当を作って行くことにしようっと。
20071104-お昼ごはん11月2日.jpgバタバタした日々が続いていたからか、「お店の準備大変だったでしょう?」とよく聞かれるのだど実は案外ケロッとしてる。鈍感なのか?もちろん眠かったり、疲れたりという体力的なことはあるのだけれど、決して「大変なこと」などとは思っていない。強がっているのではなく本当に。きっと気持ちが体を支えてくれるんだなぁって。好きなことに夢中になっている子供と一緒。

大安吉日

昨日「in-kyo」がオープンしました!
朝一からたくさんのお客様にお越し頂きまして本当にありがとうございました。遠方から足を運んで下さった方々も遠いところありがとうございました。↓開店直前の写真。20071102-オープン当日.jpg
そして三重の而今禾からは米田恭子さんが、沼津のhalからは後藤由紀子さんがヘルプに!Sちゃん、南Hちゃんの4人で強力レジチームを結成。
またteteria大西氏、そのお手伝いにNちゃん。内田さんがウェルシュケーキを、夕方からはオカズデザインが美味しいケータリングを。。。
20071102-ハーブティー.jpg20071102-オカズケータ.jpg
大々的なパーティーは当初からしない予定でしたがいらっしゃった方にささやかながらのプレゼントということで、みんなが協力してくれてポッと心温まる一日となったのです。
お花やお菓子を贈って下さった皆さま。本当にありがとうございました。
お店は今日もお花の良い香りで満ちてました。
前日はスーパー助っ人Sちゃんが来てくれたお陰でサクサク準備が進んだものの、気がつけばPM11:00が過ぎており・・・すぐ近くのデニーズに南Hちゃんと3人で夜食?を食べて帰りました。あ、途中で丹治さんも加わりビールを少し。
今日は夕方から雨が降ってきたこともあって落ち着いた一日に。ここのところ不規則になっていたからそろそろ生活を立て直さなければ。昨日の帰りはあまりの眠さに駅のホームで立ったまま寝ていて、膝がカックンカックンしてました・・・笑

いよいよ。

間の日記をアップできないまま(追ってアップします!)いよいよオープン前日。
いやはや。毎日が早く、1週間、1ヶ月をものすごいスピードで駆け抜けた。本来私はのろのろペースなものだから普段の4倍の加速、いやもっとかもしれない。ターボ級。
こうして走り続けてこれたのもまわりで応援してくれる方々がいるお陰だと思っております。本当にありがとう!!距離の問題ではなく、遠く離れた友人や、しばらく会っていない友人。もちろんつくり手の方々も。足を向けて寝れません。
お店は始めることで終了するのではなく、そこでやっと真っ白いスタートラインについただけ。力をかしてくれたみんなのためにもこの先は続けていくことにエネルギーを注いでいこう。このエネルギーの注ぎ方は私の中で、文章を書くことにも重なっている。まずは自分の頭の中で考えたことを言葉にして、かたちにして。長距離走のような作業を続けていく・・・。
20071031-オープン前 001その1.jpgそんなに器用ではないくせにお店と本のお仕事と、両方やっていこうだなんて欲張りにもほどがあるかもしれないけれど、これは「いつかきっと」と思い続けてきたことだからやり通してみたいと思っている。おばあちゃんになって腰が曲がっても。
とにかくひとことでは言い尽くせないけれど、そんな場を与えて下さった丹治さんをはじめ、アノニマ・スタジオのみなさんに心から感謝を。
さぁ明日から頑張ろうっと。
画像は何日か前の準備風景ですよ。前日にこの状態だったら、寝袋持ってアノニマに泊り込みでも終わらないです(笑)