郡上徹夜踊り

 14~16日の二泊三日で郡上八幡へ行ってきた。今回は全くのプライベートで、N子さんと女子ふたりの夏休み。そもそも郡上を訪れることになったのは、郡上在住の井藤さんに「郡上踊りの時期に遊びに来ませんか?」と誘われたのがきっかけだった。しかも徹夜で盆踊りを踊りに。郡上踊りが日本三大盆踊りということは知っていても、ねぶたや阿波踊りのように名前を聞いてピンとくる踊りは思い浮かべることができなかった。それでも理由もなくワクワクして、あちらで着る浴衣を荷物に詰め込んで出かけた。
名古屋からは岐阜行きの電車に乗り換えさらにその先、美濃太田の駅から郡上八幡へ向かう長良川鉄道は、長良川の流れと電車がまるで二頭の馬が戯れながら走っているような感じで… とかなんとか知ったように書いたものの、実はその景色をしっかりと見れたのは帰りだけで、行きはあまりにも気持ち良いディーゼル列車の揺れに身を任せてほとんど爆睡。川の向こうには迫ってくるような山の緑と、眩しくまっすぐな夏の陽射し。それは映画「少年時代」の景色のそのものようで、しばらく井上陽水の歌声が頭の中を流れていた。
 井藤家では子供たちと近くの川へ行って遊んだり、帰ってきたら扇風機の風に吹かれながら畳の部屋で昼寝をし、夕飯はお庭でバーベキューをするなど、夏を満喫させて頂いた。仕事が休みで家にいても、こんなに上質な時間の使い方ができる3日間はそうそう無い。たった3日間でも1週間くらい滞在していたようなとても贅沢な時間だった。
郡上八幡盆踊り
 そして肝心の郡上徹夜踊りは・・・。さすがに一晩中はキツイので、仮眠をしてから深夜2時頃に井藤さんと奥様の万紀子さんN子さんと4人で出動。その時間でも町中は活気に満ちていて、粋に浴衣を着こなす人で大賑わい。下手ながらも踊りの列に混ざって下駄をカランコロン鳴らして踊る気持ちよさと言ったら・・・。明け方、空が白じんでまわりの人たちの顔がよぉく見えるようになってくると、若者からご年配までみんなとてもいい顔をしていた。その笑顔からは郡上の地に対する愛情が感じられて、こちらまで清々しい気持ちになっていた。また来年も水が豊かに流れるあの土地へ。

Bateau rubijineuxへ

蓮田よしぼー(陶芸家・吉村和美氏)の車で造形作家・前川秀樹さん・千恵さんのアトリエ「Bateau rubijineux」へ連れて行ってもらう。 駐車場からは霞ヶ浦が見えて、それを囲うように蓮が密生している。蓮池などといった規模ではない。青緑色をした葉の色がどこまでもどこまでも続く光景はまるで夢の中にいるような感覚だ。
大きな銀杏の木の下に佇むアトリエの小屋も その裏に延びる山道も不思議なくらいぽっかりと取り残されたようにのんびりとした静かな空気が流れている。でも決して寂しく感じないのは、夏の陽射しとセミの鳴き声と何より前川さんの作品が魅力的だからでしょう。きっと。千恵さんの美味しいパンや飲み物を頂きながら、すっかり寛いで2時間以上もいてしまった。
ギャラリーに足を踏み入れて、すぐ目に付いた壁に取り付けられたランプ。実はそのランプをお店用に購入するかどうかを悩んでいたのだ。どこか工場をイメージさせる雰囲気がひと目で気に入ったものの、実際の取り付け場所や天井高が心配で即決できなかった。2時間以上もいたのはそれも理由のひとつなのだが・・・。暑さも手伝って思考が上手く働かない。私がウダウダしている間によしぼーは椅子を選んでいつのまにか購入していた。そんな様子を横目で見つつ、この日は結局保留のまま帰ることにした。
この日私がギャラリーで見ていたランプはその後すぐに売れてしまったようだが、後日前川さんが新作のクレーンランプ(正式名称)をなんと工事中のアノニマへ届けて下さった。「実際に見てもらった方がいいと思うので」とメールを頂く。恐縮しきり。作品は使用している材料が一点一点同じものではない為、ギャラリーで見たものとはまた別の表情なのに、あのとき感じた「工場」という空気感は不思議とそのまま、まとっている。取り付け場所や天井高も実際に確認して決定!お店に取り付ける日が今から楽しみ。妄想部の頭の中では既に取り付けられているけれど。
「Bateau rubijineux」は
月に一度、4日間だけのオープンになるので機会があればぜひ。
私もイチョウが色づく頃にまたぜひ訪れたいと思っています。
http://lolocaloharmatan.seesaa.net/

アノニマ・スタジオへ

アノニマ・スタジオへ床剤剥がしの作業を手伝いに行く。金曜日にアノニマのスタッフの方々が第一弾として作業を進めてくださっていて、初めて見たときよりも明るくなっている。鉄部分のサビや床の汚れが取れるだけでもずいぶんと違うものだ。
この日はアノニマスタッフよりもぐーんと?平均年齢の高いメンバー10名でその続きの作業を。まだ1Fは冷房が取り付けられていないので用心して着替えやら首に巻く手拭いなどを持参。けれども隅田川の川風がサワサワと吹いてきて、汗をかいた体に心地良い。とはいえ、ダラダラと汗をかき、ホコリが体に貼りついて、まるで部活帰りの高校生のよう。
アノニマ・スタジオ
 「それならば!」と、丹治さんが近くの銭湯「梅の湯」へみんなを案内してくれる。「梅の湯」は、番台におじさんが座り、湯船の向こうには富士山の絵が描かれてある昔ながらの銭湯だった。小さくチビた石鹸をみんなで使いまわして、東京の下町ならではの熱い湯に浸かってようやくさっぱりする。大人はこれだからいい。高校生は汗をかいても帰りに銭湯へ寄ろうだなんてきっとしない。お風呂上りにビン入りのコーヒー牛乳を飲みたかったのをグッとこらえて、近くの居酒屋さんへ。「ぷはーっ」と疲れを吹き飛ばすようにビールで乾杯。やっぱり大人はこれだからいい。