日々

今日もすっかり春らしい一日に。
家の近所の公園の桜はムクムクと音が聞こえてきそうなほど
蕾を膨らませて、開花のタイミングを待ち構えているかのよう。
木々の幹からはムンと緑の匂いがした。
春なんだな。
今日はお店に漆作家の宮下ファミリーがやって来た。
1歳を過ぎたさなえちゃんは一歩一歩を慎重に踏み出すように
歩き始めていて、得意気な顔を私に向けて、
「葉っぱ」とか、指を刺して「あっち」とか、
言葉もどんどん覚えている。すごいなぁ日々成長。
日々どころか瞬間瞬間が成長だ。
こちらはどんどん言葉が思い出せなくなったり
すーぐ忘れたりするというのに。あはは。
とにかくかわいくてたまらない年頃。
そんなちびっ子たちがまわりにたくさんいて、
これから生まれてくる赤ちゃんもいて。
子供たちからピカピカの宝物をもらってる。
そうそう。
宮下智吉さんが神楽坂のアユミギャラリーで個展をします。
3/27(金) – 4/1(水)
11:00-19:00 最終日は18:00まで
AYUMI GALLERY
東京都新宿区矢来町114
宮下さんの久しぶりの個展です。
ごはんのおいしい漆の器です。
in-kyoでは少し先になりますが12月上旬を予定しております!

月に一度の

日曜日の定休日。
日中は自宅とお店で取材。
以前から大変お世話になっている方とのお仕事。
打ち合わせなどもいつも丁寧で、取材前に事前に直接お会いして
お話ができているという安心感があるのが有り難い。
お陰で緊張もせずスムーズに終えることができました。
取材が終わってからお店で仕事をしていたらすっかり遅くなってしまった。
ま、家に帰っても晩ご飯は用意してあるし…と
シャッターを閉めて帰ろうとしたところでご近所さん(リアルご隠居)にバッタリ。
in-kyoの近くのネパール料理屋さんで買って来たというチーズナンを頂いた。
差し入れ??
晩ご飯あるんだけどなぁと思いつつ、有り難く頂戴することに。
こんなやりとりがご隠居さんに限らず、この辺りには普段からある。
下町と言ってしまえばそうかもしれないけれど、そんな言葉では簡単に
片付けたくないような愛おしさのようなものがある。
昨日は月に一度の体のメンテナンスで整体へ。
だいたい施術時間の三分の二は寝てしまっているのだけれど。
この月に一度のメンテナンスもかれこれ5年くらいになる。もっとかな?
駆け込み寺ではないけれど、ずいぶんと支えになっている。これも安心感。
家に帰って来て晩ご飯を食べてから編み物をして、
読みかけの小説の世界の中へどっぷりと浸りながら眠りに就き…
地味で静かな時間だけれど、好きなことしかしないで過ごしたお陰で
今朝は目覚めがスッキリ。
今日は最高気温が19℃まで上がるとか。春だなぁ。桜の開花ももうすぐ。
公園散歩をしてからお店に行こうっと。

4年という月日

書いては消し、書いては消しを繰り返した3.11の日記。
疲れが溜まっていた上に、神経が立っていたここ数日。
定休日の今日になってやっと落ち着いてきたのでやはり書きとめておこうかと。
休むのも大事なことですね。
いつものようにお店に行き、開店の準備。
穏やかな陽射しに誘われるように花壇の植物たちが芽吹き始めて
どこからか漂う沈丁花の香りが花をかすめる。
空気はまだ冷たいというのに春の気配に満ちている。
4年前もそんな日だったということを昨日のことのように思い出す。
お店の掃除を終えて、看板を表に出してお店を開ける。
そう。いつものように。穏やかな春の陽射しのような心地で。
「いつものように」と意識して自分に言い聞かせている時点で
どこかピリピリと張りつめている自分に気づいてハッとした。
私がピリピリしたところで何の意味があるのだろう?
それよりも何よりも自分が気づかなければならないことは、
「今」があるということ。その今がシアワセであることに
感謝しなければならないということ。
ありがとう。そして祈ること。
それだけだ。それを日々積み重ることができればいい。
一緒にゴハンを食べて美味しいねと言い合えたり、
キレイなものを見て美しいと感動を分かち合えたり、泣いたり笑ったり。
そうした時間を共にできる人たちがいる。
こんなにもシンプルなことなのになぁ。
晩ごはんは家族のような友人と一緒に食事をして、話をして。
離れて暮らす大事な人とも朝も夜も電話で話をすることができた。
しあわせは今ここにある。そのことをかみしめよう。
4年経ったからとか、その月日がとか3.11だからとかではなく。

本日で

成田さんの展示も終了致しました。
期間中は雨の日や肌寒い日も多かったにも関わらず
たくさんの方にご来店頂きました。
本当にありがとうございました。
直火にかけられる鉄の板皿数点は継続して販売しておりますので
質感などぜひ手に取ってご覧になってみてください。
火にかけなくても、普段使いのお皿として。
パンの焼き色が美味しそうに見えますよ。
今朝はスカッとした青空が広がっていたのに、
コロコロと空の様子が変化して、雨が降ったり、
場所によっては雪やヒョウが降ったりしたようです。
こうして少しずつ本格的な春へと近づいていくんですね。
昨年花壇に植えたヒヤシンスの球根からは、
今年も花が咲き始めました。
確かピンクだけのはずだったのに、紫色が…気のせいかな?
紫陽花の若葉もどんどん芽吹いてきて。
外は冷たい風が吹いているけれど、気分はウキウキと。

はたらく道具

成田理俊さんの個展が金曜日から始まりました。
初日は寒さの中、朝早くからお並び頂いたお客様もいらっしゃいました。
(風邪などひかれてないでしょうか・・・?)
既にフライパン、両手鍋は完売しております。
どうぞご了承下さいませ。
in-kyoでは整理券を配布し、お買い上げの点数も制限して
といったことは今までの展示で行っておりませんでしたが
考慮の上、今できる範囲での対応をさせて頂きました。
なるべく多くのお客様へとの思いでしたが色々と勉強になりました。
20150309-IMG_2872.JPG
土曜日は成田さん自ら普段ご自身が使っている17cmのフライパンを使って
オムレツづくりの実演をして下さいました。
時間を決めて行ったわけではないのですが、成田さんがオムレツを焼き始めると
店内に続々とお客様が…賑々しくて楽しい時間に。
お客様からは「おいしぃぃ!」の声。
鉄の黒に卵の黄色が映えて、ふわっふわのオムレツがあっという間に出来上がり。
道具や器をつくる作家の方々は成田さんのようにお料理を作るのが上手だったり
食べることやお酒を飲むのが好きな方が多いんですよね。
そうした方々がつくるものには説得力があるというのか、
何かを惹きつける力のようなものがあるのは
必然だろうなという気がします。
成田さん、オムレツ実演、無理を言ってお願いをして…
お疲れ様でした&本当にありがとうございました!
展示は明日(3/10)まで開催しております。
販売している作品は数点となりますが、焼き菓子やトーストが似合う
耐火鉄皿やステンレスのピッチャーなどがございます。
本日月曜日も営業しておりますのでご来店お待ちしております。

明日から

成田理俊さんの展示が始まります。
本日は設営のためにお休みを頂きました。
展示中店内に飾るお花は季節柄、鉄の黒に映える
ミモザが華やかでいいなと思っていたのですが、
あいにくお花屋さんに無く、その代わりに「アオモジ」という
スズランのような花が咲き始めた
枝ものに出会ったので大きな枝のまま購入。
明日か明後日にはちょうど満開になりそうです。
知らない花を知ることができて得した気分。
in-kyoの窓際に設置している棚什器は、
実は成田さんによるもの。
再会というのか、何なのか。
しっくり馴染んでドシッとした安定感のある店内になりました。
んー。成田さんの作品、やっぱりかっこいいです。
使ってみたい、手にしてみたい、暮らしの中に…と素直に思える道具たち。
そんな作品をつくることができるって本当にすごいことだなぁと
展示を行う度にこれまた素直に思ってます。うん。ほんとすごい。
明日から10日まで会期中は無休です。
どうぞお楽しみに。
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成田さんのフライパンのIH調理器での使用について
お問い合わせを頂いております。
一応使用はできますが、IH調理器は接着面だけに
熱が伝わるので、それによってゆがみが出るなどの変形の可能性が
あるとのことです。ご購入の際はその旨ご承知の上、ご検討下さい。

たなかれいこさんのトークイベント

先月22日「生きるための料理」(リトルモア刊)の出版記念で行った
たなかれいこさんのトークイベント。
この日は東京マラソンの日で、地下鉄出口が一部封鎖や、
道路の横断ができない箇所があったりと、
参加者の方々には(たなかれいこさんやリトルモアの皆さんにも)
この日に設定をしたことで大変ご迷惑をおかけしましたことを
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
トークイベントでは本のお話だけでなく、
事前に参加者の方々から頂いた質問を交えながら
たなかれいこさんにたくさんのお話をして頂きました。
私自身は、かなり影響を受けながらも、
すべてを同じようにとはなかなかできていません。
それでも「これをちょっと変えてみよう」のちょっとで、
気持ちも体も少しずつ変わっていく感覚を味わっています。
それがすごく面白いのです。
そしてレシピはどれも美味しいのです。
(夏のレシピは夏になったら作ります)
○ とか × とか。 正しい、正しくないとか。
これを食べたら健康になるとか。そんなことじゃなく。
健康になるために食べているのでも、
長生きするために食べているのでもないのですよね。
自分らしく生きるための食であり、暮らし方なのかなと。
ミルブックスから出版されている「食べると暮らしの健康の基本」の
イベントを昨年in-kyoで開催させて頂きました。
たなかさんにはそのときに初めてお会いしたのですが、
印象的だったのが「暮らしをデザインする」という言葉。
食べものも暮らし方も自分で選び取って積み重ねてかたちにしていく。
自分の軸をどこへ持っていくかを決めるのは簡単ではないけれど、
面白がりながら自分で探っていく日々は案外と幸せだと思うのです。
誰のものでもなく自分の幸せのかたちをつくっていく。
それにはまだまだ知らないことばかりだなぁと
今回もたなかれいこさんのお話を伺いながら思った次第です。
知ったら、自分なりに掘り下げることも大事だなと。
また612のお教室にも通いたいと思っている今日この頃。
お礼が大変遅くなりましたが
参加して下さった皆様、本当にありがとうございました。

はじめての徳島行き(思い出し日記)

15.16日の定休日を使って、徳島県へ行ってきました。
aalto coffeeの新しいお店、「14g」(ワンフォージー)でのイベント。
Openのお祝いを兼ねて(といってももうずいぶん経ってしまったけれど)
遊びに行くつもりが、「せっかくなら何かやりましょう!」の
庄野さんのひと声で、NAOTの宮川さん、巣巣の岩崎さんと
トークイベントを行うことに!
しかもカフェの店内で私は日中、コーヒーをいれさせて頂くことに!
なんだかとっても充実した一日になりました。
ハンドドリップで何十杯といれたコーヒーですが、
美味しそうに店内でゆっくりと飲んで下さっているお客様の姿を見たら
疲れなど何処へやら?
とにかくたくさんいれる!じゃなくて、1杯1杯、この人のためにいれる。
そのことをしみじみと味わうことができて楽しかったです。
ご来店下さった皆様本当にありがとうございました。
トークイベントでは庄野さんも含めて4人とも店主という立場から
「お店をはじめること 続けること」をテーマに、
お店を始めたきっかけや、日々の中で大変なこと、お店をやっていて
良かったことなどをお話させて頂きました。
これからお店を始めようと思っている方々への
良きアドバイスにも、参考になることも少なかったかもしれません。
ただ、好きなことを続けるのは楽しいことばかりではないけれど、
必死になって頑張って日々を積み重ねている人がいる。ひとりじゃない。
お店をやる、やらないに関わらず、そんなことが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
14gというお店では、aalto coffeeの美味しいコーヒーが飲めるのはもちろん、
毎朝焼きたてのパンが食べられます(テイクアウトも!)
広いスペースでは展示やライブ、コーヒー教室なども
行われているようですよ。
人が集まる素敵な「場」がまたひとつ。
私が徳島へ行くきっかけにもなった場所、人、モノ。
庄野さんご夫妻、スタッフのみなさん、お世話になりました!
空港から外に出て見える小さな島々と穏やかな海が印象的でした。

歯医者

区の健康診断、歯科検診が今月までという
お知らせが届いて(なんて親切な区なのでしょう)慌てて予約を入れ、
近所の病院へ滑り込み。
何でもかんでもこんな具合にギリギリなのを本当に今年こそ改めたい。
しばらく行っていなかった歯科医院では案の定、
歯石と虫歯の指摘を受け、通院が決定。
本来ならどこの歯医者を選ぶべきか、じっくり検討したいところでは
あるのだけれど、お店をやっていてはそうも言っていられず、
家から1分の、しかもお店が終わってからでも急げば間に合う時間まで
受診をしてくれる歯医者さんへ。
いやぁ遅くまで本当にありがたいです。
ここの歯医者さん、不思議なのは診察室にテレビがあること。
診察台に寝ても見られるような高い位置にテレビが設置してあるのはいいのだけど、
んー。たぶん誰も見られないのでは?
だいたい治療中は皆さん目をつむるだろうし、
何たってあの「ウィーーーン」という音で何も聞こえないし。
治療が終って口をゆすいでいるときも見られないし。
誰のためなんだろう?とっても不思議。
実家の近所にあった歯医者さんには待合室にテレビがあった。
診察室から聞こえる音を気にしないように、気を紛らわすように
テレビに一心に集中しようとしていた子供の頃。
今も変わらない。痛みよりも何よりもあの音が苦手なのです。
昨日は歯石の除去をして頂いた。
「口をゆすぐとびっくりするくらい血が出てますが驚かないでください」
と、言われて「はーい」と生返事をしたものの
忠告通り大量の血が出ていてびっくり。
ここの先生も歯科助手の方もみなさん親切で助かります。
通院はしばらく続きそう。

陽射しが春めいて

寒さが厳しい日が続いていますが、
節分が過ぎ、立春も過ぎ、陽射しがなんとなく
春めいてきたような気がします。
今日は陽射しだけでなく、気温も3月上旬頃の陽気だったとか。
昨年花壇に植えたヒヤシンスも花芽を出し始めました。
先週末は『出張!たべるとくらしの研究所+utsuwa gallery anzai』を
6日〜8日の3日間で行いました。
期間中にお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。
安斎久子さん、明子さん、8日のお米を炊いて、
しかも色々とお手伝いをして下さったお米農家の山崎さん。
一緒にイベントができてとても嬉しかったです。ありがとうございました。
おやつの日のケーキは陽光のタルトタタンと紅玉を使ったりんごのタルト。
さすが果樹園の嫁は、りんごの品種の違いによる味わい、
食感などの特徴を使い分けてそれぞれのケーキに。
飲み物はたべるとくらしの研究所で仕込んだ酵素ゆず茶と、
あんざい果樹園のりんごジュースのためにteteriaの大西さんが
ブレンドしたローズとラベンダーのハーブティー。
翌日のお弁当の日も同様に、たべるとくらしの研究所の
理事長が世話をした野菜たちや山崎さんちのお米、
手作りの調味料や保存食…いろんな人の顔が見え、手がかけられた
お弁当は食べた人をきっと笑顔にしてくれるんじゃないかなぁと
思いました。早々に売り切れてしまって申し訳ありませんでした。
日曜日は安斎久子さんの出番。
ワークショップのメニューは、
安斎家でもう何度も口にしているものばかりをリクエスト。
丸々と太った冬の大きな大根をいろんな料理に使って、
みんなで手を動かしながらおしゃべりもして、
モリモリ味わって、笑って。
何gとか大さじ何杯?とかはだいたいで。
この日はいわゆる料理教室ではなく、
安斎家の食卓の空気のようなものをほんの少しでも味わって頂いて、
料理は、嫁の明子さんが台所でお母さんから教わるような、
そんな時間にできたら…という会でした。
それぞれの家庭で好みの味付けで。
また「この組み合わせもあるかも!」とか
「味付けを変えれば中華風にも洋風にもなるかも?」などと
想像が広がって、食卓がもっと豊かに楽しくなるきっかけになればと。
〆のおやつは明子さんのりんごをたっぷり使ったケーキ。
ワークショップが終わった後も話は尽きず、シアワセな時間でした。
明子さんがお話してくれた言葉。
「幸せは足元にあると思うんです」
幸せの青い鳥ではないけれど、
どこか遠いところにあるのでもなく、
人を羨むのでもなくここにある。
今回のイベントは昨年の「つながって、輪になって」に続いて
開催したものでした。人が集まって話をして。
そこにはあたたかな美味しいものがあって、それを囲みながら
抱えた悩みをほどくような笑顔が生まれたり。
元気になるような「場」
こうした機会を今後もつくっていけたらと思います。