ここで

昨日は日中の天候から一変。
夕方から不意打ちのように(といっても天気予報で言ってましたが)
突然の吹雪。
あっという間にお店の窓の外の景色は冬に逆戻りでしたが
夜には煌々と青白く輝く月が姿を現し、雪は止みました。
今朝は雲ひとつない青空。
ほんの名残のようにうっすらと半透明の幕をかけたような
粉雪が残っていたけれど、それもほんの一瞬。
春の雪はサーッと解けていった。
お店の裏手の小道には寝ぼけ眼のオオイヌノフグリが
朝陽に起こされるようにして目を覚まし花開く直前。
2017年3月11日
昨年の今日は引越直前で実家で朝から震災関連のテレビを
一日中見ていたんだった。
今日はいつものように二人分のお弁当を作り、
自宅にはテレビも無いので静かな朝の空気の中、
夫君と会話をしながら朝ごはんを食べ、
お店に着いてからは開店前の掃除を。
そして店を開け、師匠たちがやって来てコーヒーをいれ。
14:46は接客中だったので心の中で黙祷を。
そして1日の仕事を終えて片付けをし、夫君の迎えを待ち家路へ。
いつもと変わることなく。
そう。この「いつもと変わりなく」過ごせることが
どれだけ有り難いことなのか。幸せなことなのか。
6年前の私には今の私を想像することもできないだろう。
思いもよらない縁で今ここにいる。
いや、思いもよらないんじゃないな。
もちろん迷いや不安がなかったといえば嘘になる
けれど、理屈ではない愛着のようなものを感じたのだろう。
住居とお店を構えることになったここで
暮らすことを自分で決めたのだから誰のせいにもしない。
震災、そして原発事故によって
子供の頃から愛着のある土地を離れて暮らす選択を
余儀なくしなければならなかった方、
亡くなられた方やその遺族の方々に自分ができることといえば
思いをよせてただただ祈ることしかできません。
でもだからこそ今自分は楽しいことも大変なことも
日々目一杯生きなければ。
手を差し出して役に立てるときがきたら迷わず動けるように。
いつものようにと思っても、いろんな思いと記憶がめぐり
やはり3月になるとどこかナーバスになっている自分がいる。
でもそれも無いことにしてしまうのも違うと思うので
内側に抱えたそのままの自分とつきあうことにします。
自分たちの暮らし方も考え続けなければ。