どうも私は蕾に弱い。
家からお店までの途中にあるお宅の庭の木蓮。
先日まで降っていた雪に時折覆われながらも
産毛をまとった姿を目にするようになった。
そしてこの枝ものは山茱萸(さんしゅゆ)という植物。
日本名では春黄金花(はるこがねばな)と呼ぶそう。
黄色い花びらの先が蕾の頭から顔を出し、
外の様子を伺うように、蕾どうしで会話でもするかのように、
昨日よりも今日はまた少し黄色が目立ってきている。
はじめは満作だと思って2軒隣りのお花屋さんで買ったのだけれど
どうも違うようなので名前を教えて頂いたら山茱萸と。
満作もまだまだ外が寒い頃でも
春の訪れを知らせる花として今頃見かける。
名前の由来は
東北の言葉で「まんず咲く」からきているとか、きていないとか。
漢字で書く 満ちる を 作る という文字もいい。
春待ち気分。
温泉マルシェ
来月3/4(土)、5(日)は三春のin-kyoはお休みを頂いて
ワークショップのために宮城県・鳴子温泉へ出張を致します。
このワークショップの企画をして下さったのが
今でも湯治場のある鳴子温泉郷で里と山をむすぶ
「さとのわ」を主宰する鈴木美樹さん。
その鈴木美樹さんがはるばる三春まで足を運んで下さいました。
in-kyoが蔵前にあった頃には季節ごとに
鳴子から楽しい企画と共に出張して下さり、
これまでもたくさんの出会いを作って下さいました。
今回は朗読家の岡安圭子さんとともにわたくしが鳴子へ。
二人がナビゲーターとなって「文字と言葉と音」をテーマに
温泉に入って身体がゆるむのと同じように
心と五感をほぐすように、参加者のみなさんと
リラックスした時間をご一緒できたらと思っています。
(実際に温泉も楽しむことができます)
今日は三春のin-kyoでコーヒーを飲みながら
近況の報告と当日の打ち合わせを。
私にとってもはじめてとなるワークショップですが
これから何度か回を重ねて、より深いものとなっていくように
していきたいと思っています。
宿泊場所となる鳴子の「宿みやま本館」も素晴らしいお宿です。
ぬるめでやさしいお湯と(でもじわりじわりあたためてくれて
その後はぽかぽか)ゆったりとした静かな空間は
日頃の疲れをきっとほぐしてくれると思います。
ご興味がある方はさとのわのHPをぜひご覧下さい。
今回は日程が合わないけれど…という方も
季節ごとに色々楽しい企画が行われているのでぜひ。
おしゃべり
昨日、今日と週末な上に世の中は連休。
団地の朝も週末はみなさんお休みなのかいつも静か。
今朝も空は青空が顔を覗かせているというのに
粉雪が朝陽に照らされながらふわりふわりと舞っていた。
というわけで道路も凍って気温も低いためかお店もシ〜ン。困ったな。苦笑。
ワンコ?は朝早くからお出かけしていたんだけど。↓
こんな日でも(大抵どんな日でも)師匠たちは日課のウォーキングを欠かさない。
今日もおもしろおかしく時事問題やバラエティ番組などのおしゃべりをして、
コーヒーを飲んで帰って行かれました。笑った、笑った。
午後にはお店によくいらっしゃるお客様。
縫い物、編み物、石けんづくり、そして書道などなど。
自営業をされているから普段はそのお仕事もあるのに
家事もこなし、合間には細々とご自分の好きなことをされていて
おしゃれだしとても素敵な方なのです。
その方のお話を伺うのが好きでここでもあれこれおしゃべり。
なんだかわからないけれどムクムクとやる気がわいてくる。
おしゃべりって大事だなぁ。
師匠がおっしゃってました。
「あの世にはお金も何も持って行けないんだから自分のお葬式代だけ残して
後は健康で楽しく自由に生きんのよ!」と。
おしゃべりの合間にこうした名言が。メモ、メモ。
民報サロン 第二回
今日の朝刊、民報サロンにて
第二回目が掲載されました。
店名の由来ともなっていて、
来週には解体されてしまう隠居についてのお話を。
作業の疲れがじわりじわりと身体に来ているところですが、
こうして文章にも残すことができて
良かったと思っています。
こんな機会を与えて下さった方々に感謝です。
隠居とは別に母屋の方の荷物は、
あれもこれも残しておきたいという両親の気持ちも
くんであげたかったけれど、そうするにはあまりにも大量すぎた。
浅い眠りの中で、それらの荷物が襲いかかってくるようで
明け方目が覚めてしばらく眠れなくなってしまった。
断捨離という言葉自体はあまり好きではないのだけれど、
人ひとり、夫婦二人が必要とする程よい荷物の量というものって
家の大小に関わらず、ある程度決まって来るものだと思う。
高齢になると、モノを処分することで
記憶までもがそれごと葬りさられてしまうと感じる恐怖というものもあるのかもしれない。
モノが消えても本当は記憶は残るのに。
自分の荷物ではない分、なんだか切なかった。
自分だったら。
まだまだなんて思っていてもきっとすぐにやってくる老後。
その頃には自分の中の引き出しは増やしつつ
荷物は身軽に小ざっぱりと暮らしたい。
これから先
水曜日とは打って変わっての昨日の天気。
隠居部屋の作業を終えて、昨日は母屋の片付けと、
改築が終わるまで近くのアパートで仮住まいをする両親の引越作業の手伝い。
引越業者から梱包作業のためのスタッフの方が
一人派遣され、朝から黙々と作業。
母は連日の片付けなどの体力と精神的な疲労が重なって
8日には熱を出してしまった。
そりゃそうだ。何十年も同じ場所で暮らして
びっくりするくらいたまりにたまった山のような家財道具を
ここ数ヶ月で片付けるのはそう簡単なことではない。
ましてや高齢で体力が衰えているのだから。
一日休んで大根汁も飲んでもらい、幸い早くに熱も下がって
昨日は回復してくれた。
父はというと元来片付けができない上に
もったいないとモノが捨てられないので
作業をまかせることもできず。
2階から階下への運び出しや
力仕事などは夫君がいてくれたお陰で本当に助かった。
作業だけでなく何より気持ちが支えられたことがありがたかった。
私が残していた荷物の整理もあったりで、キリのいいところまで終えるのに
夕方までかかり、関東圏内に雪が降る中を福島へ帰って来ました。
そして今日が引越当日。
あとは荷物を業者の方が来て運び出すだけだから
私がいたところでやることはないのだけれど、
なんだかザワザワと心配性の虫が騒ぐ。
私自身も年齢を重ねて体力が落ちてきているけれど、
それは同時に…いやそれ以上に両親の老化は進んでいる。
千葉の実家へは上野まで新幹線を使えば比較的近いとはいえ、
近所ですぐに様子を見に行ける距離ではない分、やはり気がかりなことが多い。
テレビででもいいから毎日ちょっとでも笑っていて欲しい。
夏には新しく建つ家を楽しみにしてそこで快適に過ごして欲しい。
病気などせずに健やかでいてくれたら。
多くは望まないからただただそう願うばかり。
7日の夜から
7日の夜から夫君の運転する車で
千葉の実家へ行っておりました。
以前にもこの日記に少し書きましたが
実家の建て替えにより、祖母が寝起きをしていた
隠居部屋と母屋が来週には共に取り壊されることになりました。
私に何ができるというのでもないのだけれど、
縁あって古材のレスキューをして頂けることに。
そして何十年と暮らした家財道具の山を片付けることに
ヘトヘトになっている母を手伝いにいざ。
色々と用事を済ませてから三春を出発。
実家の比較的近くにあるスーパー銭湯(でも温泉)で
入浴を済ませて7日の夜中に到着。
8日はまるで春がやってきたかのような穏やかな晴れ日。
午前中にはリビルディングセンタージャパンの東野夫妻と
頼もしい女性スタッフの涼子さんの3人が諏訪から2トントラックで到着。
そして彼らを繋いでくれたお米農家の山崎夫妻も加わって、
われらと7人で隠居部屋の古材レスキュー作業を開始。
リビセンの皆さんはさすが手際がよくて仕事ぶりに無駄が無い。
そして何より隠居のことを褒めちぎってくれ、最後には大事に大事に
「お疲れさま」と労いの言葉をかけるかのように掃除までしてくれて。
本当に本当に気持ちよく隠居の素材たちをレスキューして下さいました。
山崎夫妻もさすがお米農家で鍛えた体力と安定感。二人がいる安心感も。
とにかく気づけば私は、何度も何度も「良かった」と口にしていた気がします。
どこかで誰かの役に立って、そして喜んでくれる人が
一人でも多くいることを思うと、寂しさはもちろんあるけれど、
幸せな気持ちで満たされました。
最後に骨組みのようになった(でもしっかりとしていて
どこか堂々と見えた)隠居部屋の縁側に腰掛けて、みんなでお疲れ様の
コーヒーと記念撮影を。
そんな私たちを見下ろすように枝を広げた桜の木。
ポカポカとあたたかかった陽の温もり、古く枯れた板壁や
桟の手触りは忘れない。
まだあまり実感もなくて、振り返るほどの余裕も余韻もないのだけれど
とにかくたくさんのありがとう感じた一日でした。
民報サロン
月に一度というか、3週間に一度くらいのペースで
順番がまわってくる福島民報新聞の民報サロン。
楽しく原稿を書かせて頂いて前回もそうだったのですが
締め切りよりも早く2回目の原稿をお送りしました。
(私にしては珍しいこと)
またまた週末、2/11の掲載です。
私が書いているお話は身近な日常のことばかりですが
福島民報新聞を購読されている方は
ご覧頂けたら幸いです。
4月の展示
4月に展示を行うくまがいのぞみさんのDM用の
器が届き、どの器をどう撮影しようかと試行錯誤。
ここ数年のくまがいさんの展示DMは
写真家の長島有里枝さんが撮影して下さっていて
作品の手触りすら感じるような素敵な写真で
そのDMをいつも楽しみにして下さっていた方も多くいらっしゃいました。
(もちろん私もそのうちのひとり)
が、今回はわたくしめが。
写真は素人も素人。プレッシャーでございます。
とにかく今回のテーマが素直に伝わる
ワクワク感が出せたら良いのですが。
気持ちと思い描く絵に技術が追いつかずもどかしい。
と言いつつそれもまた実は楽しいのです。
3月の中頃には店頭での配布と発送ができるように
準備をしておりますのでどうぞお楽しみに。
展示まだ少し先ですが4/21~5/2です。
はじまりはちょうど桜が咲き始める頃でしょうか。
お近くの方はもちろん、遠方の方もぜひこの機会に三春までお出かけ下さい。
立春
暦と季節が現代はズレているといわれることがあるけれど、
実はやはり沿っているのでは?と最近感じることが多い。
大寒の日の寒さはそれまでとは違うしんしんとくる寒さだったし、
今日の立春も。
店内から見る外の光はやわらかく、春のよう。
陽気はそこまでとはいわなくても寒さは少しゆるんで
季節が確実に春へと向かっていることを感じさせてくれるようだった。
が、このまま暖かくなるなどとはさすがの私も思っていない。
こうして季節もゆりもどしを起こすように寒暖をくりかえしていくのでしょう。
今日はお母さんと一緒に来てくれた知人が
鉢植えの白と黄色のお花をプレゼントしてくれた。
カラカラの寒そうな花壇にポンと置いただけで
そこに春がやって来たかのように明るくなった。
氷のように固まった雪がまだ残っていても
隅っこの方にはミントの小さな新芽も出始めている。
立春。
自宅のヒヤシンスは髪飾りをつけた女の子が
まるでフラダンスをしているみたいに育っている。
節分
節分でしたが我が家では豆まきはせずに
恵方巻きも食べず、その代わりと言ってはなんですが
晩ご飯は手巻き寿司に。
関東出身なので恵方巻きの習慣がなかったのですが
(だいぶ大人になってから知りました)
今や全国行事のようになっているんですね。
お店の目の前のヨークベニマルでも恵方巻きの予約販売をしていましたし。
実家にいた頃は豆まきは毎年必ず。
こちらはずいぶん大人になってからも行っておりました。
もし自分に子どもがいたら、さぞかし張り切って
豆を用意して鬼のお面を作ったりなんだりしたんだろうな。
子供用に鬼のシマシマパンツも作ったりして。
恵方巻きだって作ってしまうだろうな。
さて。
手巻き寿司の方は食べやすいサイズなので
笑わず、しゃべらず食べきるのは容易にできる。
でもそうしたのは1個だけ。
あとはしゃべって笑って。
そもそもの恵方巻きも食卓に笑いと会話を運ぶための
豊かなものなんだろうと思う。
豆まき用の大豆も用意していなかったので
煮小豆のオイルとお醤油和え
(たなかれいこさんのレシピ。クセになる美味しさなんです)を
年の数だけ食べたと言っていた夫君。
年の数以上に食べていたのを私は知ってるよ。