奇跡の

ほぼ毎日のように(定休日も)
一日のうちの大半をお店で過ごしている。
それでも飽きずに
「あぁなんてきれいなんだろう」と
小さく感動してしまう奇跡のような瞬間がある。
冬の朝の澄んだ光とか、木陰が店内に映り込む夏の日とか…
土曜日の「旅ベーグルとスープの朝ごはんの日」も
そんなひとときだった。
白い壁に光が反射して、店内が明るく照らされて清潔な朝という印象で。
テーブルを囲む皆さんが、はじめて会う人たち同士だというのに
いつの間にか会話が生まれて笑顔になって楽しそうで。
この場所がやさしくきれいな光にずっとずっと包まれているようだった。
ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
そしてこれまで朝ごはんの日を一緒にやってくれた旅ベーグルのマツジュン。
本当に本当に楽しかった〜。ありがとう。
ひとまず今回が最後にはなったけれど、
これで完全におしまいなのではなく、
またどこかで一緒に何かができたらいいな。
終わるってことはまた何かがはじまるきっかけにもなると思うから。

旅ベーグルと…

旅ベーグルさんが 谷中のお店を12/13(日)でcloseし、
新転地・香川県丸亀市へ移転することになりました。
in-kyoをはじめたばかりの頃は、まだまだ台東区に
知り合いがほとんどいませんでした。
その頃自転車でやってきて、おもしろおかしなことを言って
人懐っこく?お話をしてくれたことを覚えています。
今の場所にin-kyoが引っ越しをしてからは、
「ここで何か一緒に楽しいことがしたいねぇ」と
ゆるやかに出張旅ベーグルが始まりました。
そしてときどきお互い少しだけ余裕があるときに
行ってきた「旅ベーグルとスープの朝ごはんの日」
年に数回だけの開催だったけれど、気づけばもう3年も経っていました。
私は毎回文化祭みたいにドタバタしながらスープの準備。
マツジュンは朝焼き立てのベーグルを汗をかきかき(冬でも)自転車で運んで来てくれて。
まだほんのりあたたかいできたてのベーグルを
たくさんのお客様にお届けすることができました。
毎回、毎回、漫談のようなやり取りをして、
お互いひとりでお店をやっている同士、いつも元気をもらっていたように思います。
昨夜?今朝?
「12月13日は AM12:00 に旅ベーグルを開けますよ」
そう聞いてまるで初詣にでも出かけるように
友人たちとお店に向かうと、深夜にも関わらずすでに人影がちらほら。
みんなが笑顔で、マツジュンも笑顔で、
ベーグルを手にした人たちが
「ありがとう!また会おうね」と声を掛け合って。
ベーグルが焼き上がる甘く香ばしいいい匂いに包まれながら
幸せなのに少し切なくて、じーんとした。
まだまだ焼き続けているんだろうな。
今日は3時か4時くらいまで焼き続けるって言っていたから。
毎日朝7時にお店を開けるために3時頃から仕込みをしていたマツジュン。
新しい土地へ移ってからも地元の人たちにも焼き立てのベーグルを届けていくのでしょう。
昨夜のできたてアツアツのベーグル。
いつも美味しいと思っていたけれど、
本当に本当にびっくりするくらい美味しかった。
たくさんの人に愛されている旅ベーグル。
これからも楽しみにしてます。

師走です

昨日は急遽臨時休業を頂いてしまい、
大変申し訳ありませんでした。
8日の展示を終えて撤収作業が終わり次第、
終電の新幹線で郡山へ。
昨日は終日諸用であっという間に陽が暮れて…。
今日は早朝にあちらを車で出発。
開店前に余裕で到着。
通常通りOpenすることができました。
師でもなんでもありませんがビュンビュン走ってます。
郡山の街中でもすぐに目にすることができる安達太良山。
粉砂糖を振ったように山頂にはすでにうっすらと雪が積もっていました。
広い空には羊の大群のような雲が広がって、
霜をまとった田畑はベールをかけたように美しく、
淡いトーンがどこまでも続いて。
そこで暮らす人にとっては毎日の当たり前の風景かもしれないけれど、
見とれるようにいつまでも飽きずに車窓からの景色を眺めておりました。
あまりにもきれいで写真を撮ることもすっかり忘れて。

本日最終日

宮下智吉さんの展示も本日が最終日。
と、開店前に日記を書き出したものの書き終わらず、
ただ今閉店後のPM8:50。
6日間の展示も本日で終了致しました。
期間中お越しの皆さま本当にありがとうございました。
じっくりゆっくり見て、手にとって悩んで、
でも購入するのはまだ迷って…
店主が言うのもなんですが、それでもいいと思っています。
今の自分の暮らしにフィットするイメージが
わかないのであれば、たとえいい器だとわかっていても
使う出番がなくなってしまうと思うのです。
いいなと思って、いつか必ず欲しいなとか使いたいな。
そう思って頂けるものがここにあると実感できただけでも
つくり手や伝える立場の私としてもこれからの励みとなるのですから。
とても有難いことです。
それぐらいの速度がちょうどいいような気もします。
前のお店の場所のときから展示を行って頂きましたが、
その頃からずっと変わらず宮下くんは展示の設営の前に
自らその空間を清めるように掃除をしてから設営の作業に入ります。
それは汚れているからとかではなく
気持ちひとつから大切にしているというのか。
今回も昼から始まった設営作業はまずは掃除から。
掃き掃除から始まって、窓拭きまで。
私も一応毎日掃除をしているのですが、
私がやったからやらないとかそういうのではないのです。
場所を整えて、そこで初めて仕事に入ることができる。
たぶん普段の制作と一緒なのでしょう。
営業を終えてからは閉店後にひと通り器を拭いて、
店内を箒で掃いて一日を終える。
クタクタになっても毎日が実に気持ちよく過ぎていきました。
見習いたいところがたくさんです。
漆と聞くとそれだけで扱いに手間のかかる難しい素材と
思われがちですが、ほんの少し気をつけてあげれば
こんなにも扱いやすく魅力のあるものなのかと思わされます。
よく「木は家具や器になっても呼吸をし続けている」と言われますが、
漆も同様。
さらに「漆は成長し続けている」と宮下さんは話してくれました。
使い続けることで磨かれて艶が増し、強くなっていく。
下地となっている木を漆という自然の素材で守っているというのか。
「日々の暮らしの中で、月日をともに積み重ねたくなるような…」
in-kyoの立ち上げのときにまず考えたことです。
2015年のしめくくりとなった今回の展示は、
初心に立ち返るいいきっかけとなりました。
宮下智吉さん、奥さまの明日香さん、
DMのモデルとなってくれたさなえちゃん。
本当に本当にありがとうございました。

宮下智吉さんの展示5日目の朝

3日から始まった宮下智吉さんの展示も
5日の朝を迎えました。
明日は早くも最終日です。
今日、明日の2日間も宮下さんは終日在廊して下さっていますので
ぜひお越し下さい。
20151207-ぜんざい.jpg
土曜日は「すみや」さんのお昼ごはんとおやつの日。
月イチ蔵前のひということもあり、たくさんのお客様に
お越し頂きました。
本当にありがとうございました。
今回の展示では漆のお皿を手に取って下さる方が多いのが
印象的です。
漆というとまずお椀やどんぶりをイメージされる方が多いと思います。
実際、飯椀、お茶漬け椀という名前がついた深めのお椀、
どんぶりなどももちろん人気です。
ですがお皿を手にしてあれこれと作るお料理をイメージして下さる方が
たくさんいらっしゃることがとても嬉しいです。
それだけ漆が特別なものではなく、日々の器として多くの食卓で
活躍してくれるのだろうなぁと思うと、こちらもまだまだ勉強しなければ
ならないことがたくさんあるなと。
使い方が難しいと思われがちな漆の器ですが、
油ものもご使用頂いても中性洗剤を使って
やわらかなスポンジで洗って、十分にすすいで頂ければ大丈夫です。
宮下さんに教わったのは
「手と同じように毎日大切に扱うことで使ううちに艶が出て美しくなっていきます」と。
手のお手入れと一緒。
(クリームは使いませんが、やわらかいスポンジで洗って、すすいで良く拭いて)
そう思うと身近に感じて頂けるのでは?
20151207-すみや.jpg
土曜日のすみやさんのお昼ごはんではワンプレートの中に
・稲荷寿司
・あやめ雪かぶマリネ
・菜の花の塩昆布和え
・紅芯大根の塩麹柚子和え
・西京玉子
・鶏の根菜ロール
・さつまいものレモン煮
・鮭のマリネ
・京人参の揚げ浸し
と、たくさんのお料理が美しく盛りつけられ…
こちらに自家製のお味噌を使ったお味噌汁が宮下さんのお椀によそわれて。
お客様からは「美味しい、美味しい!」の声。
どんなに言葉で説明するよりも、使って味わって
手触りを感じて頂くことが何よりということを
実感した一日でした。
すみやの角田真秀さん和彦さん本当にありがとうございました!
20151207-すみや&宮っち.jpg
角田真秀さんは12/24に初めてのレシピ本
「基本調味料だけで作る毎日の献立とおかず」という本が
マイナビ出版から発売されます。
in-kyoにも入荷予定(24日よりも入荷が遅れる可能性があります)ですので
どうぞお楽しみに。
さて。
今日もきれいな冬の朝。
開店前に漆のカップにコーヒーをいれて。
月曜日ですが営業しておりますのでぜひお越し下さい。
↑本日掲載の写真はDMの撮影もして下さった大沼ショージさんによるものです。
 さすがの美しさ!

年内最後の企画展

昨日は展示設営のためお休みを頂きました。
本日から8日まで宮下智吉さんの個展を開催致します。
年内ラストの企画展。
やはり毎度毎度、設営と初日の開店前はどうも緊張します。
今朝も目覚ましが鳴る前から目が覚めてしまいました。
自分が制作しているわけではないのになぁ。
早くにお店に到着。
掃除をして店内を見渡すと、シンと落ち着いた気持ちになります。
ホッと落ち着くというか。
宮下さんの漆はそういう器です。
昨日の設営の際には簡単なご飯ながら漆の器を使ったまかないごはん。
今日も開店前におむすびとお味噌汁。
なんとも贅沢というか、優しい気持ちになる漆です。
20151203-2015 宮っちまかない.JPG
今朝は冷たい雨降りとなりましたが夕方には雨も上がるとか。
ひとりでも多くの方にご覧頂いて、実際に手に取って漆の器の手触りを
味わって頂きたいと思っております。
ご来店お待ちしております!

温泉のような

定休日。
と言っても月末の月曜日でお店仕事としては
お振込やら事務仕事やら何やかんやと朝から慌ただしい一日。
が、どうしても行っておきたい場所へ。
向かった先は浅草にある大好きな喫茶店。
次号発売のdancyuにて原稿を書かせて頂きました。
そのお礼とご挨拶も兼ねて朝昼ご飯を食べに。
フルーツジュース(アンズ)とオニオントースト。
そして〆にコーヒーを。
私にとっての良いお店。
それは美味しい云々だけではなく、何とも言えない居心地の良さにある。
壁に貼られた落語やお芝居のポスター。
ずっとついている店内にテレビ。
カウンターだけの店内…
それのどこが?ときっと疑問に思う人も多いかもしれない。
決しておしゃれとは言えないかもしれない。
でも、同じくここが好きな友人と話すのは、
「まるでぬるめの温泉にずっとゆるゆる浸かっているような
気持ち良さだよね」と。
その空気を作り上げているのはマスターで、
さらにはそこに集まるお客たちだったりもする。
何とも言いようがないのだけれど、
あんなお店が理想だったりする。
作ろうとしてできるものでもないのだけれど。
こんなに思いが強いお店のことを書くには
頭を悩ませましたが嬉しいお仕事でした。
次号発売をお楽しみに。
慌ただしさは変わらないけれど、お陰で良い一日の始まりとなりました。

初雪

昨日の朝、福島から東京に帰ってきました。
新幹線で約1時間半。
あちらを9時に出て通常通りの開店準備をしてお店をopen。
昨日から通常営業です。
滞在中は少しの晴れ間が出たものの、
曇り空や雨降り。
しかも一昨日は夕方から雪が降り始めて…
郡山でも初雪だったようです。
東京に暮らしている私としては、ブルブルと震えながら
寒い寒いと言っている一方で、雪景色を見てやっぱりどこか
はしゃいでしまう気持ちもあり…
暮らしている方々はそうも言ってられませんよね。
車のタイヤを履き替えているかどうか、
道路が凍らないだろうか、などなど心配事が増えますものね。
朝には雨に変わって、道路の雪はきれいに溶けていてひと安心。
札幌は一晩で長靴が埋まるほどの大雪だったようで
福島から札幌までフェリーを使って帰った
友人ファミリーは大丈夫だったんだろうか?
帰ってからも雪かきや水道管の心配や色々大変だろうに。
ま、きっとたくましい彼らはそれも含めて
暮らしを楽しんでいるのだろうけれど。

師走の足音

気持ちばかりがなんだか焦ってしまうこの頃。
と、焦っても何も進まないのだけれど
頭の中が忙しい。
今週末11/29(日)は、さとのわイベント(今回はこけし!)
12/3~12/8は漆作家・宮下智吉さんの個展
12/19(土)は旅ベーグルとスープの朝ごはんの日
12/20(日)はさとのわイベント(しめ縄づくり)
12/26(土)27(日)は
お米農家やまざき チャリティー・キャラバン
(詳細は追ってUP致します)
と、上記のことをモリモリと企画しております。
カレンダーを眺めては遠い目をして時間ばかりが
過ぎていってるのですが、ひとつひとつを大事に
かみしめて楽しいイベントにしたいと思っておりますので
どうぞお楽しみに。
そんなこんなで頭の中はただ今猛ダッシュしてますが、
ここらへんでひと休み。
明日から少しだけリフレッシュしてきます。
行ってきまーす。

連休

世の中は3連休なんですね。
と、その流れに乗ろうとした訳ではないのですが、
定休日と合わせて24、25日は臨時休業を頂きます。
(というわけで22日〜25日はお休みです)
明日は漆継教室の最終日。
ですが私は作業が終えられそうになく、
自宅作業に持ち越しとなる予定。あれれ。
でも焦ってできる作業ではないところが気に入ってます。
こちらの都合ではどうにもならないことがあるのだよと
漆が教えてくれるというか。。。
月曜日からのお休みは福島へ。
福島のあんざい果樹園の庭先に手づくりされたピザ窯の
お披露目&リンゴの収穫作業のお手伝い。
そしてその後は離れて暮らす夫のもとへ。
郡山で暮らす夫とはお休みも違うため、
こうしてたまに臨時休業を頂いてあちらへ行っております。
携帯やパソコンがあるお陰でなんてことはない日々の
会話や言葉のやりとりができることはありがたいです。
数十年前だったら文通。
江戸時代だったら飛脚!?
時代と恋路の様子は変わらないことも多いけれど、
まるで違うこともたくさんですね。
とあるご夫妻はその数十年前に遠距離で手紙のやり取りをされていたとか。
出したと思ったらすぐにお返事が届いて。なんだか素敵だな。
ま、でも。
今日はポカポカ陽気だね。とか
あ、これ美味しいね。とあえて言葉にしなくてもいいような
ほんのささいなこと、ちいさなしあわせを
同じ場で、瞬間で共有できることがやっぱり一番かなとも。