大晦日、元旦は自宅で静かに過ごした。
家の近くの神社では年越し神輿がここ何年かの行事になっている。川向こう(と言ったって利根川なのに)のお寺からは除夜の鐘が小さく聞こえてきた。
年末の休みで帰ってきた兄と白ワインのボトルを開けて、美味しい金沢のお酒「白山」も。
実はこの白山を作っている酒蔵の近くにある白山神社へ何年かお正月に御参りに行っていた。大木の杉に囲まれて静かで厳かな場所だった。大抵お正月頃は雪が深くてその雪が音を吸い込んでいるようだった。
北陸独特の冬の雷も。初めて聞いたときは恐ろしかったけど、今となってはなんだか懐かしいなぁ。
大晦日はそのままうっかりとコタツで寝てしまい、
目覚めたら明け方。
そのまま日の出まで起きて初日の出を見に行った。
顔を洗って化粧もせずにニット帽を目深にかぶって。
晴れていれば当たり前に昇ってくる太陽が、
なんでこんなにもありがたい心地がするのだろう。
初日の出に向かって自然と手を合わせている自分がいた。
2007のしめくくり
あと何時間かで新年を迎えるというのに大晦日という気がこれっぽっちもしない。
「師走」の字の通り、駆け抜けてそのまま大晦日さえ猛スピードで追い越してしまいそう・・・。なんて書いているわりにはやらなければならないことは山積みでちっとも進んでいない。空回り。
そんな中、昨日は焼き締めや銀彩の器をつくる柴代直樹氏の窯焚きのお手伝いをしに、S夫妻とTくんと4人で神奈川県の藤野へ出かけた。予定よりも大幅に遅刻をして到着をしてしまい、トータルしたらあまり手伝えていなかったんじゃないかと思うけど私自身は行って本当に良かったと思っている。
薪を運んだりヒモでキチキチに束ねたり、普段しないような作業をしていると、ここ何日間のトゲトゲしていた気持ちが洗われて、少しなめらかになったような気がした。火をジッと見ていると心が落ち着くというか・・・。
そんなことを思ったことすら1週間窯と真剣に向き合っている柴代くんには失礼なことだったのかもしれない。窯に薪をくべている柴代くんは邪心がないというかなんともフラットだった。
自分、まだまだ修行が足りません。約1週間かけて焼き上がる器は、さらに約1週間後に窯出しされる。それまでは気が抜けないと柴代くんは言っていた。窯出しのときにはまた伺いたいと思っている。
自分ではどうにもできないことが世の中にはたくさんあって、どうにもできないとわかっていながら落ち込んだりもがいたり、やる気がなくなってウダウダしたり。
でも時間がかかってもどうにかそこから抜け出して歩かねば。そんなの頭で考えた正論で、頭でわかってたって思い通りにはなかなかできないかもしれない。ただ自分にはやるべきことがまだまだたくさんあるし、自分が頑張ればどうにかなることもきっとたくさんある。だからそれをやるだけ。無理をし過ぎない程度に。
と、2007年の終わりかけに思ったのでした。藤野に行って本当に良かった。
藤野を出る頃には林は深い闇に包まれて、足元すら見えなかった。が、見上げれば満天の星空で上空だけがキラキラ輝いていた。
来年もどうかみんなが健康で平和な一年が過ごせますように。
やっぱりお正月が好き
お店は昨日から冬休み。
普段できないことややり残したことをするために昨日も蔵前へ。
という日記を昨日のうちに書いてアップしたはずが
全部消去・・・かなりショックですぐに書き直す気力がわかず、ようやく今日になってまた書き直し。
昨日はいつもより遅めの出勤にして浅草へ寄り道。
私の中でのどらやきランキング1位の「亀十」へ行き、白餡、黒餡のどら焼きを購入。ここのは餡の美味しさはもちろんのこと、卵たっぷりのふわふわとした皮がとても好み。その後「藤本虎」へ歯ブラシを買いに。豚や馬の毛を使った歯ブラシは、歯茎や歯のエナメル質を傷めない。こんな小さなものでも新年に向けて何かを新調するというのはなんとなく晴れがましい気がする。
気持ちがいいついでに歩いて蔵前へ。
お店での用事をある程度済ませたら、年内に必ず行こうと決めていたART+EATへランチをしに。自転車を猛スピードで飛ばしてランチ終了の3分前に到着。めでたくランチにありつけた。ここのレバント料理、美味しいのでぜひお試しあれ。展示も面白かったし、オーナーの武さんにもお会いできた。
上の階のマルクトの展示も観て、その後は問屋の松野屋さんへ。社長とお話をしながら来年に向けてやりたいことがムクムクと沸いてきた。
帰る頃にはすっかり日も傾いて、隅田川がピンク色に染まっているのを横目で見つつお店へ戻る。
年の瀬の町のソワソワした様子や「良いお年を~」の挨拶はたまらなくいい。
アノニマの納会に参加させて頂いている最中も、表の通りを近所の町内会の方々が「火の用心、カンカン!」なんて拍子木を打ちながら歩いていて・・・(ついでに手も振られたけど・笑)
クリスマスもいいけれど、私はお正月がやっぱり好き。
着物でも着てみるかな。
早いもので
12月というのは時間の進み方が他の月より早いんじゃないかなと
毎年、毎年思っている。時計の針、誰か早回ししてない?って。
in-kyoが始まって約2か月近くが経ち、年内の営業も本日で終了。
今日は午前中にガラス作家の木下宝さんがご来店。
来年に向けて作品のご相談を色々と。お話をしながらアイディアなどが
どんどん広がって、初夏の日差しに透かしたガラスを想像してみたり。(また妄想)
どうぞ来年の入荷をお楽しみに。私自身もとてもワクワクしています。
と、夕方には陶芸家の小谷田潤さんがいらっしゃって、今後の発注のご相談を。
こちらもお願いしたい器のことをあれこれ。どんな風にできあがってくるんだろう。
木下さんとも小谷田さんとも器の話だけでなく、いろいろと楽しくおしゃべり。
この「雑談」というのは結構重要で(と思っている)、そこから広がりをみせたり
考えが整理できたり関係というものが少しずつ築けたりできるのではないかと。
少しずつ少しずつ。時間がかかるやり方かもしれないけれど
私にはそういうやりかたしかできないし、そうして自分の中に沁み込んで馴染んだものしか
伝えられないように思うから。とにかく頑張ろうっと。
昨日、今日とFスタイルのおふたりが打ち合わせのためにアノニマへ。
お店も見て頂いた。そしてUさんも打ち合わせでアノニマへ。
なんだか大集合の1日で幕を閉じた。
来年はどんな年になるのかな。しようかな。
「持続」がテーマかな。
お店は明日からお休みを頂きますが、日記はアップしようと思いますので・・・。
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井藤さんから頂いたヨモギやキビの雑穀餅。
油で炒めて砂糖醤油を。美味、美味。
イヴの日の気まぐれ喫茶
本日気まぐれ喫茶開店!
と、朝から張り切っているものの、喫茶は2時からというものの・・・蔵前は実に静か。
本当に今日がクリスマスイヴということを忘れてしまうくらいの静けさ。
大丈夫なんだろうか・・・。
昨日は色々と買い出しや用事があって池袋と恵比寿に行った。が、人の多さにめまいがして池袋の駅構内で吐き気がしてしまった。ああいうのも久々の感覚。
東京ってやっぱり人が多かったんだってことを思い知らされて洗礼を受けた感じ。
話は変わって、日本国内でも海外でも行きたい場所がまだまだたくさんある。
以前から「あぁ行ってみたい」と思っている場所のことを気まぐれ喫茶の準備をしながらずっと考えていた。
それはベルギー・アントワープにある「le Pain」という名前の(合ってたかな?)カフェ。
以前、奈良にあるカフェ、カナカナの美保さんに話を聞いていて、一度でいいから訪れてみたいと思っていたのだ。(詳しくはカナカナ文庫の小冊子「アントワープなど」に掲載)
「le Pain」には店内に大きなテーブルがひとつだけあって、テーブルを囲む人どうしがジャムやハチミツを回しあって使っているらしい。
その光景を想像するだけでなんとなく幸せであたたかな心地がする。私も大きなテーブルの端っこの席に着いて・・・。なんてことをしばしば妄想している。
そんな妄想を今日は気まぐれ喫茶でちょこっと実現してみました。
10人が囲めるテーブルを。
さてさて準備に取り掛からなければ!はたしてお客様はいらっしゃるのかしら?イヴの蔵前に!
画像は後ほどアップします。
はい。
初の気まぐれ喫茶を無事終了して先ほど家に帰って来ました。誰ーもいらっしゃらないんじゃないかと心配しておりましたが、2時近くからポツリポツリとお客様が!
ご来店して下さった皆さま本当にありがとうございました。のんびり過ごしていただけましたでしょうか?tentonさんのチーズケーキはいかがでしたか?
またいつか機会をつくって気まぐれ喫茶を開店させたいと思います。
お手伝いをしてくれた鶴ちゃん!ありがとう!!
tentonさんもお忙しいところご協力頂きまして本当にありがとうございました。私たちも閉店後にチーズケーキを堪能させて頂きました。
バナナチーズケーキが美味しいぃぃぃ!もちろんプレーンも美味。濃厚なのに後味がさっぱり。
今夜の月はぽわんとしていてやさしい。
どこかチーズケーキっぽい?
とにかく素敵な夜を。
メリークリスマス!
清らかな
師走というだけあって時間自体も走っている感じ。
12月に入って何があるというのではないのに気持ちが急いている。毎日が慌しく過ぎていく。
日曜日にアノニマイベントスペースで行われた廣瀬さんと遠山さんのトークイベント。限定50名様の予約制でトークに加えてお買い物やお食事ができたり、ハンドマッサージが受けられたりというとても贅沢な内容でした。あっ私は参加していたわけではなく、もちろんお店番をしていたのですよ。
でもほんのちょっとだけガラスの扉のこちら側から遠山さんのフラを観させて頂いたのですが、じわ~っと心が温まるようだった。会場の空気が清らかというのかな。イベントが終わって帰られるお客さまひとりひとりの表情もとてもやわらかだった。
トークイベント中、静まり返ったin-kyoの端っこで私はお昼ごはんにcimaiの三浦有紀子ちゃんが差し入れてくれたまかないスープセットをこっそり頂いておりました!
この日はY子ちゃんやNくんも遊びに来てくれた。お店というのはこうして誰かが気兼ねなく訪ねて来てくれることが本当に嬉しい。色々美味しいお土産も頂いてしまって充実のお茶タイム。
夜は木工作家の井藤さんが岐阜からみえて、吉村和美さんやT中さんも合流してゴハン。日曜日の蔵前はほとんどのお店がお休みなのでお店選びに苦戦する。が、なんとかまぁゴハンにもありつけて楽しい宴となった。
アノニマのギャラリースペースでは昨日(18日)から椿野恵里子さんのカレンダー展が始まっている。入口の足元には兵庫のご実家で実ったという小さな柚子が器に盛られて・・・。
植物たちのいのちのはかなさと力強さ、古いものが持つ時間の記憶・・・。「カレンダー」という過ぎてしまう時間とそれらの写真の組み合わせからそのことがひしひしと伝わってくる。吉祥寺のギャラリーfeveさんでも先月展示が行われていましたが、空間が変わると見え方もまた違って楽しいですよ。お時間がある方はぜひ。
in-kyoの一部にも写真を飾って頂いてます。
春めいているような
今日はアノニマイベントスペースでたまひよこっこがFOODイベントを行った。
土曜日にイベントが行われるのは久しぶりで
なんだか一日賑やかで華やかでお天気もいいし
キッチンスペースが春めいて見えた。
in-kyoもアワワ、アワワの一日。
イベントの日はどうも気持ちがフワフワしてしまう。
焦点がさだまらないというか・・・
こういうのをハイテンションというのだな、きっと。
閉店後、こうして日記を書くためにパソコンに向かい始めて
ようやくフワフワしていた私の一部が戻ってきた感じ。
明日は廣瀬裕子さんと遠山こずえさんのトークイベントの日。
残念ながら予約制で既に受付は閉め切っているそうですが
また今日の様子とは全く違う一日になりそうです。
イベントスペースはこうしてイベントごとに表情をしなやかに変えて
それぞれの顔を見せています。
それを自然の流れの中で傍(はた)から見せて頂けるのは貴重なことだし
楽しいです。ってそんな余裕あったかな??
イベントへの参加はできませんがin-kyoは通常営業をしておりますので
ぜひ遊びにいらしてください。
静かに
休日。
お店が始まってからは休日を使って用事を済ませたり、展示やイベントを見に行ったりしている。今日もそうするはずで順路を頭の中で考えながら半身浴をしていた。頭からポタポタ汗が出るほどお湯に浸かってすっきりした。が、お風呂から出たらドドドーッと体がだるくなってしまって思考もそこでストップ。
こんなときは無理をしてはいけない。どこかでバタンといってしまってはどうにもならないし。そう思って今日は色々考えていたことをあきらめて大人しく家にいることにした。ほとんど口もきかず、人にも会わず。昼間のテレビを見てみたり、ひたすら読書に没頭してみたり。考えてみたらそんな時間の過ごし方も久しぶりだ。
↑
画像は蔵前の銀杏並木
回遊魚は止まったら死んでしまうらしいけれど、回遊魚のように動き回っていてもやはり私には止まるように過ごす時間も必要なんだと思う。黙って誰に話すでもないことをじくじくと考える。考えていることなんて大したことではないのだけれど、とにかくじくじくと考える。あっ。決して「ウジウジ」ではなく、ただただ考えているだけ。みんなとワイワイ過ごす時間ももちろん好きだけれど、こうして家でひとり静かに過ごす時間も好きなのだ。
明日はアノニマイベントスペースでは「たまひよこっこ」がイベントを行います。美味しいお菓子やパンが並ぶのでしょう。きっと。楽しみです。
*お知らせ*にも書いた伊藤さんの器
輪花の鉢が美しかったのでパチリ。
久しぶりの里帰りのような
9,10日のお休みで福島のあんざい果樹園宅に行ってきた。実に半年ぶり。それまではちょくちょく遊びに行かせて頂いていて、ウーフの真似ごとのようにオウチのことや果樹園、カフェなどのお手伝いをちょこっとだけさせてもらったりしていた。
あんざい家に到着して玄関を開けるときは「こんにちは~」よりも、いつも「ただいま~」と言いたくなる(いや、実際言っているけど)。まるで里帰りでもしたときのように。
今年は本づくりやお店のことなどもあって6月以来しばらく行くことができなかった。大抵行ったら最低でも3泊はしていたのに今回は1泊2日。あぁやっぱりあっという間だったなぁ。でもいつものように変りなく笑い続け、食べ続け、楽しい時間をすごさせてもらった。この「いつものように変りなく」ということがこの上なく嬉しくて、たった1泊2日ではあったけれどずいぶんリフレッシュというか充電させてもらった。あんざい家のみなさま、本当にいつもありがとうございます。
体の芯までキーンと凍りそうな冷たい風も懐かしくて、凍えながらもなんだか嬉しかった。薪ストーブで温められた部屋の中で食べる蜜たっぷりのリンゴはやっぱり芯までシャキンと冷たくて酸味と蜂蜜のような甘みがたまらなく美味しい。
たまらなく美味しいと言えば、あんざい家のお餅。
白いお餅と玄米餅。どちらも止まらなくなる美味しさでついつい・・・。
食べた数を書くと驚かれるので内緒にします。梨畑のすぐ脇にそびえたつニホンクルミで作ったクルミ餅の美味しさと言ったら・・・こうして書きながら反芻中。
福島近郊のみなさん!
「器や あんざい」では四分一亜紀さんの
「果樹はささやく」展が行われています。
12、13日はワークショップも行われるそうなのでぜひ。
直売所では美味しいリンゴや洋ナシも販売していますよ。
(ちなみにカフェは金、土、日の営業です)
サーバー?パソコン?の調子が悪く・・・?
なかなか画像がアップできずに
オカズデザインさまの手を借りてなんとか
先日参加したイベントの画像はアップできたのですが
その後がなかなか・・・。ようやく通常作業に。
先日、鍛造作家の成田理俊さんが納品に来てくださいました。
「たんぞう」・・・ひらがなで書くとなんだか人の名前のような気もしてきますが。鍛造とは簡単に言うと軟鉄を赤くなるまで火で熱し、そして叩きながら成形していくこと。言葉で書くと簡単だけれども実際の作業は考えただけでも根気が要る。以前にその繊細な形に惹かれて購入した細いフックは、丸い棒状のものを叩いて細くし、八角形に成形したもの。繊細さと鉄の硬さのその組み合わせが気に入っている。
実はお店がオープンして間もない頃、成田さんは群馬からお店に来てくださったのです。その際につい図々しくお願いして作って頂いたのがリボンホルダー。
頭では「こんなものがこういう仕様であったらいいのに」ということはよく思いつくものの、そこは素人。図面がひけるわけでもなく、制作できるわけでもなく、ムズムズしていたところをすんなりと解消して下さったワケです。
しかも想像以上のものを。ものをつくれるって心底尊敬します。
先日のご来店は他の作品の納品にあわせて取り付けまでしてくださったのです。取り付けられたホルダーの美しいこと。ノンストレスでリボンがシュルシュルと引き出せます。もちろん交換する際は片側から簡単に取り外せるようになっていて。うぅリボンを交換する日が待ち遠しい。
まだまだリボンはたっぷりあるのだけど・・・。
ものづくりといえば。
もみじ市のメンバーでもある靴作家のUZURAさんたちが明日9日まで原宿で展示をしています。
私も昨日行ってきて、念願のワンストラップシューズを注文させて頂きました。いつも花市やもみじ市ではじっくりゆっくり見ることができなかったUZURAの靴。やわらかい革の履き心地がとても良かった。出来上がりが今からとても楽しみ。画像はUZURAの愛猫タビ(足袋)くん。猫店長はお疲れの様子?ウチの猫の首輪もお願いしました。